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快晴
2021年2月01日
  ·  最終更新: 2021年3月05日

『デジモンアクアリウム』Episode2:花咲く

カテゴリー: デジモン創作サロン

Episode1

Episode2≪≪

Episode3


 自分で言うのも何だが、要領は良い方だった。

 言われた事は大体そつなくこなしてきたし、初見の物事にもおおよそ求められている解答を用意できるので、周囲の人間はそこそこ俺に期待してくれたし、「天才だ」なんてもてはやしてもらえたのも1度や2度では無かった。

 だが、所詮俺はそこ止まりの人間だ。

 器用貧乏。

 俺を言い表すのに、ここまでしっくりくる言葉もそうそう無いだろう。

 早い話、最初から能力値がある程度高い代わりに、成長も上達もしないのだ。

 いつも、何をやっても。気が付けばその分野において自分の上位互換のような人間が俺の隣に現れていて、そうすると、周囲から俺の存在は消えてなくなってしまう。

 スタートダッシュだけは上手いものだから、きっと慢心しているのだ。努力が足りないのだと、分析や資料集め、修練といった、自分なりの頑張りを重ねてみても、俺を追い抜かしていった奴らは、その背中が豆粒ほどの大きさでしか視認できない程、遥か先にまで走って行ってしまう。

 結局のところ、天才と言う単語は往々にして、そういった奴らを指し示す単語だった。

 そして、この日。

 俺はどうしてこうも俺の人生が肝心なところで上手くいかないのか、ようやく身をもって理解する事が出来た。

 成人にまでなって何を今更、という呆れと、まだまだ若いんだからこんなところでそんな悟りを開く必要はない、という諭しが左右の耳から聞こえてきたけれど、当の真ん中、俺自身は、数日前の出来事もあって、もう全てに投げ遣りな気分だった。

*

 一斉に駅に向かう学生達の列からこっそりと逸れて、未だ慣れない革靴の底をコツコツと鳴らしながら路地裏を1人、歩いていく。

 表情筋だけで仕事のやりがいと職場の明るさを表現しようとした結果、小学生の集合写真と大差無いレベルの表紙に仕上がった企業パンフレットは、一番最初に目についたゴミ箱へと丸めて捨てた。

 再三記された会社そのものの「風通しの良さ」が、隙間風のようにうすら寒かったからだ。

 そもそもあの日以降の就職活動は、半ば消化試合のような物だった。

 消化試合な上に、負け戦だ。

 内定はどこからも貰っていない。まず落ちる事前提の、高望みも良いところの企業にだけ履歴書を送りつけて、あとは就活サイトからも登録を外した。こうやって足を運んでいるのは既に説明会が予約済みだった箇所だけで、地元の企業に至ってはいくつか面接をバックレている。

 傍から見ればそこそこ順風満帆だった俺の人生に、「就活の失敗」という影が落ちれば、まあ、それは、首を括るにしてもそれなりの理由になるような気がしたからだ。

 無才の俺は、死ぬことにすら周囲の納得できる理由を用意しなければ、やっていられないらしくって。

 ……まあ、そんな風に死ぬ死ぬ死にたいみたいな事ばっかり考えている割に、俺は企業訪問の後に出来る、いくらでも両親に言い訳が利く自由時間に、そこそこの楽しみを見出したりはしているのだが。

 歩くのは、割合好きだ。知らない場所ならなおの事良い。

 目的の無い散歩は、誰かと何かを比較する必要も無いのだから。

 とはいえ「時間があった」という理由だけで大学から少し離れたところにある山の登山道を往復してからゼミに顔を出した時には、流石に学友に呆れられたりもしたっけか。

 電車をいくつか乗り継いでやって来たこの町は、中途半端に田舎町、といったところだろうか。

 都会とは程遠く、都心のベッドタウンと呼ぶには心許なく。コンビニは遠いが大型の商業施設は比較的近い。そんな町だ。

 少し前にこの近所で女性の変死体が発見されたとかいう話を母がやたらと気にしていたが、そんな事故だか事件だかに左右されるまでも無く空気はどことなく濁っていて、その原因を少なからず担っているに違いないバイクの爆音が時折空気を揺らしては走り去っていく、寂れた空間。

 当然どこまで歩いたところで目新しい発見など在る筈も無いが、俺としては、時間さえ潰せれば、町の造形などどうでも良かった。

 贅沢を言えば、余所者でも気軽に入れてそれを噂話のタネにされたりしない、静かでそう金のかからない何かの店が見つかればいいのだが。

 飲食店でもいいが、一番良いのはペットショップだ。ふらりと立ち寄ってひやかしても、比較的咎めるような視線を向けられにくい。気がする。

 展示された犬猫達は高級品であると同時に、血の通った生き物だ。金銭と責任。その両方を天秤にかける以上、即決で購入する人間の方が少ないのだろう。

 だから、どうにもそれらしい店を見つけた俺の足は、当たり前のように、その場で止まった。

 きっかけは、一度出た道路沿いの道から見えた、青い屋根だ。

 青色の屋根瓦などそう珍しい訳でもないが、あそこまで深い色をしたヤツは、少なくとも俺は初めて見たもので。

 最初から特に進路の定まっていない道中だ。このまま何も無ければ件の大型商業施設に寄って、そこから出ているバスにでも乗って駅に向かう形になるなと考えていた俺は、その屋根の家へと目的地を変更した。

 普通の民家ならそのまま通り過ぎるつもりだったが、店の前に置かれた謎の言語で書かれた看板と、味気なくドアノブにぶら下がった『OPEN』のプレートを見るに、何らかの物品を販売している場所である事だけは確かなようだった。

 入り口の磨りガラスから覗く光は無駄に怪しげではあるものの、俺は何となく、この手の照明に親しみを感じていて。

「……失礼します」

 面接室でも無いのに、とは思いつつ、コートの下に来ているリクルートスーツがそうさせるのか、俺は若干抑えたトーンで断りを入れてから、店の扉を開けた。

 中の光景は、半分くらい、予想通りだった。

 外観よりも広く見える空間の中に、きっちりと並べられた鉄の棚。その全てに、明るい、様々な色の光を灯した水槽が、所狭しと並んでいる。

 ただ、半分くらい、と言ったのは、その水槽の種類があまりにもまちまちだったからだ。単純に大きさや形の問題じゃない。家の台所で見かけたような容器までちらほらとあり、しかしその全てに例外無く、砂やら装飾、生き物といった、何かしらの存在が入れられているのだ。

 アクアリウム、って言うんだっけか。

 それにしたって、いくらか無節操ではあるけれど。

 俺は入ってすぐの棚、その支柱にぶら下げられている、夏祭りで金魚でも掬った時に入れておく赤いビニール紐で口を縛ったポリ袋を覗き込んだ。

 底に敷き詰められているのは全部違う色の波模様が入ったビー玉で、その上を泳ぐ魚を丸い側面が何度も反射して、1匹しか居ない魚で万華鏡を作り上げている。

 で、その魚というのも、ガラス玉の飾りにも負けず劣らずの極彩色だ。

 熱帯魚だろうか。淡いグリーンの身体には赤、黄、青のペイントが身体の面積いっぱいに施されていて、しかも広げた胸鰭は上から見ると蝶の羽のようにも見える。こんな魚、今まで見た事も無い。

 入れ物自体は何の変哲も無いポリ袋であるにもかかわらず、その点も含めて、優秀な美大生の作品みたいにこの『アクアリウム』は幻想的だった。……中の魚にとって住みやすい環境かは、さて置いて。

「ベタの一種か?」

 狭いところで飼える魚というと、そのくらいしか思いつかないんだが。

「いいや、その子はスイムモン。見ての通り、熱帯魚型のデジモンだよ」

「わっ」

 思わず声が出たし、肩も多分、跳ねた。

 身体まで跳ねなかったのは行幸か。棚に当たっていたらと思うと、遅れて冷や汗まで浮かんで来た。

 振り返ると、壁際におそらく会計用のカウンターがあって、その向こうのパイプ椅子に、俺の両親と同世代くらいの男性がにこやかな表情を浮かべて腰かけている。

 この店の店員だろうか。アクアリウムに気を取られて、そして売り物に対してあまりにも地味なコンクリートの壁と半ば色彩が同化しているせいで、全然気がつかなかった。

「申し訳ない。驚かせてしまったね。どうにも昔から、気配というヤツが薄いらしくて」

「ああ、いや。お邪魔してます」

 俺は軽く会釈してから、男の言葉を再び頭の中で繰り返した。

 スイムモンって、言ってたっけか。

 いや、それはいい。聞き慣れない名前だが、魚なんて、知らないものの方が多いだろうし。

 問題はその後。熱帯魚、まではいい。

 熱帯魚『型』? の、デジモン?

「あの、デジモンって?」

「ああ、やっぱり君も、この店は初めてかい」

「っス」

「良ければ、他の子達も見てごらん」

 質問の答えにはなっていないような気がしたが、とりあえず促されるままに他のアクアリウムへと視線を移す。

 ……それで、確かに少なくとも。熱帯魚『型』の部分には納得が行った。

 スイムモンの隣の、水草と流木で森を象ってある水槽に入っていたのは、魚でも何でもない、全身赤色のクワガタムシだった。

 昆虫の呼吸器官は人間で言うところの腰だか尻だかのあたりに横一列に並んでいると聞いた事がある。だから、水に落ちるとあっという間に溺れてしまうのだとも。

 だというのにこのクワガタムシ、陸上で酸素を吸って生きている生き物なら虫じゃ無くても確実に溺れる水の底にまで沈められているのに、俺の視線に気付くなりぎちぎちと太い大顎を鳴らして威嚇してくる程度には元気にしている。

 「呼吸の出来る水」それ自体はもう存在しているみたいな話を何かの本で読んだのだが、それにしたって、最終的には酸素と入れ替わった二酸化炭素を輩出できずに中の生き物は死んでしまう、というオチがついていたような。

 そもそもこのクワガタ、二本足で立ってるし、口はブラシ状じゃ無く牙と舌まであるし。どうなってるんだ。

「……これは、クワガタ型のデジモン、とかっスか」

「残念。昆虫型だよ。ただ、名前はクワガーモンさ」

 ひどく大雑把な分類と特撮モノの怪獣みたいな名前に一種の眩暈を覚えつつ、俺はこっちに寄って来た店員らしき男の方へと向き直る。

 クワガーモンは、まだ顎を鳴らしていた。

「凶暴だし懐かないけれど、飼いにくいってわけじゃない。食事さえきちんと与えていれば、縄張りを侵される事が無い分野生のものよりは幾分か穏やかだからね」

「穏やかなんスか? これで?」

「ああ。野生の個体は、威嚇抜きで襲ってくる」

 虫だろうと、一直線に飛び掛かって来たとしたらなかなか怖いな等考えている俺の傍らで、男は節くれだった人差し指を立てて、唇に当てる。

 途端に、クワガーモンが静かになった。

「それで、お客さん」

 恐らくエアーポンプの類から発せられている、こぽこぽという音だけをBGMに、店員はにこりと微笑んだ。

「見たところ、この店は初めてだね? それから、デジモンそのものも」

 男の物腰は柔らかく、質問に責めているような空気感は無い。

 不思議と、こちらからも言葉を返すのが、億劫に感じないタイプの人種だった。

「企業説明会の帰りに、寄り道っス。お店どころか、この町に来るのも初めてで。……なんか、そういう生き物の生息地とかなんですか? この辺」

「そうだと言えばそうだし、違うと言えば違う、かな。この子達は本来であれば、どこにだっている。私達は、その中でも特別人間に興味のある子達が、より人間の近くで暮らすための、簡単なお手伝いをしているに過ぎないよ」

「へえ、なんというか……その言い方だと、こいつら妖怪とか、そんな感じっスか」

「近いかもしれない。付喪神の一種だと思っている研究者もいるそうだから」

 俺はしゃがんだ先に置いてあった金魚鉢の中で、出目金の形をした浮きに飛びついていた白い猫へと指を差し出した。

「じゃ、これとか化け猫っスね」

 ぴょこぴょこと指先を振ると、白猫はばっと浮きの腹を蹴って、泡の帯を作りながら一直線にこちらへと向かってくる。

「いや、その子はハツカネズミのデジモンだよ」

「……」

 白猫改めハツカネズミのデジモンは、俺の指をねこじゃらしに見立ててか、手袋をはめた手でガラスの壁に猫パンチを繰り返していた。

 いや、

 猫じゃん。

「デジモン? の分類難し過ぎるっしょ。誰が決めてるんスか」

「学者先生だったり、専用のコンピューターだったり。そんな感じかな」

「コンピューター? へぇ、ハイテクっスね」

 店員の口から出てくるのは荒唐無稽な話ばかりで、しかし目の前にある現実そのものの方がよっぽど非現実的で。でも、本当の事なのだろう。

 ……だからだろうか。

「いいなぁ」

 振り返った先にある、結局のところ一本道しか無い帰路から目を背けたくて。

「こんな不思議な生き物相手の仕事。ちょっとだけ、憧れるっス」

 何もかもを投げ出して、逃げ出したい癖に。

 どこへも行けない自分の中から、諦めの悪い言葉がぽつりと、漏れた。

「……」

 ただしそれは、つかの間の夢だった。

 すぐに正気に戻った俺は、頭を横に振って、湧いて出てきた雑念を振り払う。

 急な仕草に驚いたのか、猫のようなハツカネズミは、来た時同様、ぴゅーっと金魚鉢の側面から泳ぎ去って行った。

「スンマセン、無責任な事。素人が何を偉そうにって感じっスよね」

 鼠の俊足を見習って、俺も立ち上がり、早くこの店を立ち去ろうと出入り口に足を向ける。

 あらゆる意味で「お邪魔しました」と、俺は店員に、最後に一声かけてから外に出ようとした。

「興味があるのかい? この店の仕事に」

 のに。

 問いかけられて。

 だから、俺の足は、止まった。

「企業説明会の帰りだと言っていたね」

「……はい。就活生っス。ただし未だに内定0の、就職浪人候補生っス。……さっきのは、そういうアホの甘え腐った妄言だとでも思って、忘れてもらえると嬉しいんですが」

「そうなのかい? 興味があるなら、私達も歓迎するのだけれど。このアクアリウムを欲しがるお客さんはいても、私達の仕事そのものに関心を抱いてくれる人は割と珍しいからね」

「でも、こういうのって専門職でしょ?」

「そんな事は無いよ、とは言わないけれど、最初から全てを要求したりはしないさ。ひとつずつ教えていくから、その辺は心配いらないよ」

「……」

 最初から全てを要求したりはしない、か。

 ……常套句だとしても、そんな言葉をかけられたのは、いつ以来だっけか。

 まあ、いいか。

 そもそもの俺の目的は、少しでも家に帰る時間を先延ばしにする事だ。

 この店員がさっきの俺の発言に気を悪くしていないと言うならば、少なくとも今この瞬間だけでも、話に乗っかるのも悪くは無い。

 それに、どうせ。

 俺のスペックなんて不要だと判断すれば、勝手に向こうから見切ってくれるだろう。

 今後の武運をお祈りしてくれる筈だ。就活なんて、そんなモンだ。

「……詳しい話、聞かせてもらっても良いですか?」

「そんなに畏まらなくてもいいよ。……君。明日の11時頃、時間は空いてるかい?」

「面接っスか」

「いいや。試験結果の発表、かな」

「?」

 首を傾げる俺に、少し待っているよう言い渡してから、男は店の奥へと姿を消す。

 数分もしない内に戻って来た彼は、手の平の上にキューブ状のキーホルダーを乗せていた。

「試験の内容は、こうさ。君には明日、うちの店に来るまで、このキーホルダーを――より正確に言うと、キーホルダーの中に居るデジモン・ウッドモンを預かってもらう」

 こういうキーホルダーは大概色付きの油で満たされた中に、ヨットや水生生物、観光名所のミニチュアがぷかぷかと浮かんでいるものだが、男が差し出しているそれはそういったものではなかった。

 茶色い砂と漂白された極小の貝殻。藻が生えているのか妙にこんもりとした印象のある黒い小石。透明な水底に沈められたそれらを見るに、これは小さいながらも、間違いなくアクアリウムだ。

 そして、その中央にある、木片のような何か。

 一瞬流木でも模しているのかと思ったそれには、浅い海のように淡い青色の輝きが2つ--早い話、目があって。

 店員の弁から察するに、コイツがウッドモンなのだろう。

「……植物型?」

「正解」

 ウッドモンが両腕を持ち上げた。

 挨拶しているようにも見えるし、威嚇しているようにも見える。

 多分後者だろうと思いながら、それでもとりあえず、俺は軽く会釈して返した。

「この子は見ての通り、枯れ木のデジモンでね。だが、もうじき、そうじゃなくなる」

「花でも咲くんスか?」

「そうなるといいね。なにせ、それが君の受けてもらう試験だから」

「え?」

 男はウッドモン入りのアクアリウムキーホルダーへと視線を落とし、くすりと微笑んだ。

「デジモンというのは、成長の段階で『進化』する生き物でね」

「はぁ。アレみたいですね、ポ」

「発言を遮る無礼を許してほしい。しかし、ああ、君。それはいけない。私達の権限をもってしても、その発言は困る。……話を戻そう。この子はね、前々から花のデジモンになる事を夢見ているんだ」

「花のデジモン」

 男に倣って、俺も今一度ウッドモンへと目をやる。

 こうも小さいと確かな事は言えないが、男性の言う通りウッドモンの姿は枯れ木そのもので、蕾なんてとても付いているようには見えなかった。

「進化自体は、今夜にでもする筈だ。出来るように、世話はしてある。ただ、枯れ木であるこの子に花を咲かせるには、あと一押し、人間からの助力が必要でね」

「助力、っていうと?」

「それを考えるのが、君に与える試験、という訳だ」

 ええ、と、思わず声が漏れる。

 いくらなんでも、漠然とし過ぎている。

 にもかかわらず、責任があまりにも重大だ。1匹? 1体? 1本? ……単位はわからないが、兎にも角にも生き物一個体の今後を、俺の行動が左右してしまうだなんて。

「そう難しく考えなくてもいいよ。人間と一緒に過ごすだけでもこの子達には新しい可能性が生まれるし、仮に君が花を咲かせられなかったとしても、まだ、この子にはチャンスが残されているから。じゃなきゃ、いくら進化が近いからって、この子を試験用に差し出したりはしないよ」

 男の一種の気楽さに、嘘が混じっているようには見えなかった。

 だが代わりに見て取れる俺に対する『期待』や『可能性』の影は、ちょっとばかり、重荷にも感じて。

 だが――そもそもは、自分の迂闊な発言から芽吹いた種だ。

 責任、と言うのであれば、この男性をその気にさせた時点で、既に発生している。

「解りました」

 意を決して、頷いて見せる。

 手を伸ばすと、男は一層に柔和な笑みを浮かべてキーホルダーを俺の手の平に置いた。

「明日11時に、また来ます」

「じゃあ、それまでこの子を、よろしくね」

 はい、と返事をしてからキューブの中を見下ろすと、ウッドモンと目が合った。

 俺を品定めしているように見えた、という印象は、きっと勘違いでは無いのだろう。

「栄養は十分に蓄えてある筈だから、食事の心配はしなくていいよ。ただ、10時頃には眠る子だから、そのくらいには部屋の灯りを落とすか、それがダメならキーホルダーに布か何かを被せてあげてほしい」

「健康的っスね。了解しました」

「それから、まあ。その形状ならまず心配は要らないと思うのだけれど――1つだけ、必ず守ってほしい事がある」

「何ですか?」

 瞳にそれまでにない真剣みを宿して、男はぴんと、人差し指を立てた。

「けして、アクアリウムを壊してはいけないよ。繝?ず繧ソ繝ォ繝ッ繝シ繝ォ繝が溢れてしまうからね」

「今の」

 あまりに発音が不自然な箇所があったので、思わず顔が引きつっていたかもしれない。

「デジモンの専門用語とか、そういうのですか?」

「そういうものだよ」

 再び表情を柔らかな笑みに戻して、しかし男はそれ以上は謎の単語について触れなかった。

 受け取ったウッドモン入りキーホルダーは、間違っても親には見つからないよう、カバンに付けたりはせず筆箱の中に仕舞って持って帰った。

*

 会社の雰囲気、業務の詳細、他の就活生の印象に至るまで。

 根掘り葉掘り聞き出そうとする母の、矢継ぎ早な質問に内心辟易しつつも律儀に答えを用意して。

 ようやくリビングから解放されたのは、帰宅後、スーツを脱いでから1時間以上経った後だった。

 自室の扉を閉め、椅子に腰を下ろしてから、やっとの思いで息を吐く。

 カバンの中を漁られなかっただけ今日はまだマシだったという事実になおの事、母の過干渉で首を絞められるような思いだった。

 ……父の帰宅後にほぼほぼ同じイベントが待っていると思うと、本当に、気が滅入る。

 こんな調子で、花を咲かせるための手伝いなど出来るのだろうか。そもそも時間は足りるのだろうか。

 心配ばかりが渦を巻く中、筆箱の中に隠していたキーホルダー型アクアリウムを取り出すと、中にいるウッドモンまでもがうんざりしたような表情を浮かべていて、俺は力無く笑う事しか出来なかった。

 はてさて。コイツが呆れているのは、俺と一緒に聞いていた母の質問攻めに対してか。あるいは揺れる筆箱の中で筆記用具にもみくちゃにされた運搬の環境に対してか。

 しかしそれにしても、帰り道、そこそこ気を遣ったとはいえ最寄駅からは自転車だし、かなり揺れたと思うのだが、アクアリウムの内部は店で店員に渡された時とそっくりそのままで、まるでこの透明な容器の壁一枚隔てただけの小さな空間には、別の時間が流れているかのようだった。

 ……一体、壊したら何が溢れ出るんだろうか。

 気にはなるが、興味すら持たない方がいいだろう。借り物を壊すだなんて、試験以前の問題になってしまうし。

「さて、どうしたもんか」

 指に引っ掛けていたキーホルダーを机に下ろす。

 キューブの底面は幽かに音を立てたが、やはり砂が舞い上がったりはしなかった。

 視線を宙で泳がせながら、脳内から植物の育成に関して持っている知識を引っ張り出していく。

 栄養は足りていると、店の男は言っていた。

 水が足りてるのは見ればわかる。酸素が足りてるのかはわからん。

 日の光については、この時間帯だとどうしようもない。

「音楽……聞かせるといいんだっけ」

 特にクラッシックがいいだとか。

「でも、それは無理かな」

 万が一、普段の趣味でも無い曲を俺が聞いているのを母に感付かれたら、理由を問い質しにあの人が部屋までやって来かねない。

 曲についてはいくらでも言い訳は思い付くが、このウッドモン入りアクアリウムキーホルダーについて彼女の納得のいく説明を出来る自信は無い。

 そして何より、音楽に母の声が掻き消されて、あの人が俺を呼ぶ声を聞き逃すかもしれないと思うと、それも恐ろしくて。

「『4分33秒』ならいくらでも聞かせてやれるんだけどな。すげぇ勉強が捗る曲だ」

 と、曲名には首……と言うよりも固い木そのものの前身を斜めに傾けていたウッドモンは、勉強、という単語が出るなり嫌そうに青い目を細めた。

「? なんだ? デジモンも、勉強とか、するのか? その……花を咲かせるための勉強、的な?」

 この縦揺れは、頷きなのだろう。

 木片のお化け、とでも言いたくなるようなウッドモンが、木の枝のような手で自分よりも小さな教育書の類を熱心に読み込んでいる様を想像すると、それはなんだか、とても可笑しかった。

 でも、まあ。そうか。

 受験で志望校に合格する事を、サクラサク、なんて言ったりもするしな。

「その様子だと、ウッドモンは勉強が嫌いなのか? ……そっか。俺も、嫌いだな」

 最初は、そうじゃ無かった。

 新しい事にはいつも興味があった。

 段階を経て学んでいく算数や英語は兎も角、国語や生活、図工の教科書は、もらってすぐに、解る所は最後まで読んだ。特に実験や工作はそのうちこれを学校でやるんだと思うと、毎回わくわくしていたように思う。

 そうじゃなくなったのは、いつからだっただろう。

「……ああ、そういや」

 思い出から掘り返した記憶には、朝顔の花が、埋まっていた。

「人間の子供はな、ウッドモン。大概皆、花を育てた事があるんだ。朝顔っつー、夏の花」

 花を育てる授業にはスケッチが付き物で、俺は運動場の片隅で行われる、実験と工作がセットになったようなこの授業が、大好きだった。

 俺の朝顔はクラスで一番最初に芽が出たものだから、それがなおの事、嬉しかったのだと思う。

 毎日少しずつしか大きくならない朝顔に代わって、俺は将来この花が咲かせる筈だった大きく丸い青色の花弁を、支柱に巻き付けた蔓の背が伸びる度に自由帳いっぱいに描いていた。

 ちょうど夏休みの終わりには『朝顔の絵』を課題にした、ちょっとしたイラストのコンクールもあって、金賞を目指すと俺は家族の前でも声高に宣言していたっけか。

 両親は大層喜んで、俺に協力すると言った。

 次の日2人が俺の前に積んで重ねて置いたのは、青の種類だけで両の指が足りなくなるような絵の具のセットと、古今東西様々な技法が載った美術の辞典と、朝顔の事しか書かれていないのに、俺の自由帳よりもずっと分厚い専門書だった。

 --こんな普通の絵じゃダメ。金賞に選んでもらえるのは、特別な絵なんだから。いっぱい読んで、勉強してね。

 俺は途端に朝顔が嫌いになった。

 絵を描くのも嫌になった。

 幼い俺にはその理由がちっともわからなかったけれど。でも、その瞬間から、何もかもを投げ出したくなってしまったのだ。

 だけどやっぱり、子供の拙い言葉じゃ何も伝えられなくて。

 「自分の言った事には責任を持ちなさい」と諭していた母は、それでも嫌だと食い下がる俺に対してついに泣き出して「どうしてママの言う事がわからないの?」という疑問に「育て方が悪かったのね」という答案を用意する作業を振り子のように繰り返し、それを見た父は、母を泣かせた事実とかかった金銭の現実を罵声に変えて俺に浴びせかけ、俺の味方は、誰もいなかった。

 怖くて怖くて、最後には何度も謝って。ちゃんとやるからと泣きついて。それでも、なかなか許してもらえなかった。

 「どうしてパパとママが怒っているのか、全然わかっていない」と言って。

「俺はさぁ、お前には悪いけど、やっぱり、花育てるの向いてないんだわ。なんたって、子供でも育てられるって事で配られた朝顔、見事に枯らしちまったんだもん」

 あれだけ愛おしく思っていた朝顔が汚い茶色の枯草に変わっていると気付いたのは、夏休みがほとんど終わりかけていた頃だった。

 俺がその夏ずっと伺っていたのは、複雑な品種名が横に書かれた写真の朝顔と、親の顔色だけだったからだ。

 母と一緒に行った、金賞の絵が飾られた展覧会には、母のママ友の息子の絵が、金のリボンと一緒に堂々と展示されていた。

 青と紫の丸を何個も重ねただけの絵だった。

 子供らしくて素敵な絵だと、母は他所の子供の絵を褒めて。

 うちの子もこんな絵が描けたらよかったのにと笑っていた。

「才能が無いし、そもそも努力のし方が下手なんだよな。……それに、才能や努力と同じくらい大事なモンが、多分、致命的に、足りてないんだ」

 それ以降。何をやっても、結果は同じだった。

 出だしは大概上手くいく。だけど気付けば成果も成功も俺の手から滑り落ちていて、そうなると当然、熱も、興味も、失われて行く。

 幸か不幸か、ほどほどに上手くやれば、生きていく上で困る事は無かった。

 だから、前に進める以上、いつかは何かが上手くいくと、そう、思っていたのに。

 その幻想も。2ヶ月ほど前に、打ち砕かれた。

 広告会社のレクリエーションで、集まった就活生がいくつかのチームに別れ、「『就職活動』をテーマにキャッチコピーを作る」というお題が出て。

 相談の末、俺の所属したチームは満場一致で俺の出した案を採用した。

 どんなものだったか、詳しくは覚えていない。忘れてしまったし、忘れたかった。

 ただ、手堅く5・7・5調に仕上げたもので、自信を持って出した案だった事だけはよく覚えている。

 書いた物が集められた後、上位の3つが公開され、俺はその中で2位だった。

 広告会社の社長も褒めてくれた。一種のお世辞だったとしても、「学生とは思えない」だなんて言われてしまえば、気分が悪い筈も無く。

 そうなると当然、1位への期待は高まった。

 俺の中にも、悔しさなんて微塵も無かった。純粋に興味があった。

 本職に褒められた事がよほど嬉しかったのか。

 ただ単に、慣れていたからか。

 ……あるいは、今度こそ手の届く位置にある、僅差の作品に違いないと、そんな馬鹿げた夢を、見ていたのかもしれない。

 だが、部屋の前方にあるプロジェクターに映し出された一文を目にした瞬間。

 俺の頭は、真っ白になった。

 『お父さんって、すごいんだ!』

 1位の作品は、そんな言葉だった。

 俺は周囲の暖かな拍手と共に受け入れられるその文字の意味を、価値を。これっぽっちも、理解できなかった。

 いびつな円を重ねただけの絵の素晴らしさが、何も解らなかった時と同じように。

「感謝とか、愛とかさぁ。人間なら当然持ってる……尊敬? 多分、そういうのが俺、足りてねぇんだわ」

 愚かな俺にもわかるようようやく叩きつけられた答えを前にして、俺は帰りの電車に乗るための駅の便所で胃の内容物を全部ひっくり返した。

 よく、あそこまで堪えられたと思う。

 「育った環境のせいだ」と言い訳が浮かぶ時点で、俺はダメだった。

 でも同時に、この広告会社でのレクリエーションの数日前。履歴から就活サイトの俺のマイページを無断で開いて、俺の就職する会社をここがいいそこはダメと好き勝手に品定めしていた事を後で息子に喜々として報告するような両親に、どうすれば「すごい」と尊敬の眼差しを向ける事ができるのだろう。

 ログアウトの作業を怠った自分のミスだ。

 受けるべき会社の正しい選択も出来ない自分が悪い。

 両親の厚意を受け止めない自分は最低である。

 ……そんな風に、自分に言い聞かせ続けるのは、もう、限界だった。疲れてしまった。

 俺はその程度の人間だから。だから、何にもうまく、いかないのだ。

「そういうヤツが、「綺麗な花を咲かせましょう」だなんて。昔から無理だって相場が決まってるんだよ。『はなさかじいさん』でも心の綺麗なじいさんしか……って、お前は知らねーか。悪い」

 ふと見やると、ウッドモンは回想で意識が混濁しているような状態で、ほとんど独り言のように呟いていた俺の語りかけに、想像以上に真剣な表情で耳を傾けていた。……耳が何処かは、さて置いて。

 手のひらサイズどころか指の先くらいの大きさしかないのに、それでも十分に伝わってくるほど視線に熱を帯びた青い瞳に、俺はバツが悪かった。

「……悪い」

 同じ台詞を、繰り返す。

 植物の育成には、クラッシックの他に「声をかける」という手法も効果的ではあるらしいが、俺の半ば弱音の昔話にそんな効果があるとは到底思えない。

「そういう訳だから。災難だけど、今回のその、進化、ってヤツは、諦めてくれ。……あの店でなら、『次のチャンス』ってので今度こそ花のデジモンになれるんだろ? 明日の11時になったらちゃんと返しに行くから。……ごめんな」

 まっすぐな目を見ていられなくなって、謝罪と共に、こちらから目を逸らす。

 その刹那だった。視界の端に、光が、見えたのは。

「え?」

 キーホルダーの方だと気付いて視線を元に戻した頃には、光は、もう無くて。

 光の、そしてウッドモンの代わりにキューブの中に鎮座していたその塊に、俺は言葉を、失った。


4件のコメント
快晴
2021年2月01日


「ふむ。それはジャガモンというデジモンだね」

「ジャガモン」

「ジャガモンさ」

 植物型だよ、と付け加える男の前で、俺は思わず頭を抱えた。

 次の日の11時。

 大学に行くふりをして再び昨日の町の、昨日の店にやって来た俺は、挨拶の後すぐに店員へと姿の変わったウッドモンを差し出した。

 単純に、何なのかよく解らなかったのだ。

 砂の上に鎮座していたのは茶色い、岩のようにごつごつとした塊で。ひょっとすると進化の途中にある『繭』みたいな状態なのではと思っていたくらいで。

 だが、やはりウッドモンの進化は既に完了しているらしく。

 そして名前から推察するに、これはジャガイモのデジモンらしかった。

 枯れ木がジャガイモになるだなんて、そんな話。聞いた事も見た事も無い。無いけれど、店員がこう言う以上、コイツは確実にジャガイモな訳で。

 となると、唯一の色味である緑色の双葉はいわゆる『芽』に違いなく。

 コイツは自分に花を咲かせるつもりだったのに、よりにもよって、芽の出たジャガイモになるだなんて。

「すみません、やっぱりダメっしたね」

 やるせない気持ちで精一杯の笑みを浮かべた。

 ウッドモン改めジャガモンも、きっと呆れているのだろう。浅い海から夕方の海の色に変わった瞳で、ジャガモンは下向きの半円を描いている。

「本当に申し訳無いです。せっかく試験の機会を設けてもらったのに……ウッドモンにも、悪い事をしました」

 深々と頭を下げる。

 そんな姿勢のままで、俺は男の次の句を待った。

 俺の言葉を肯定してくれると思った。

 期待外れをなじってくれてもよかった。

 慰めてほしかったし、

 虚しい武運の祈りを求めていた。

 だが、男から返ってきたのは

「そうだろうか?」

 俺の想定のどれにだって当てはまらない、どこか温かな、疑問の言葉で。

「えっ?」

 顔を上げた先で、男は俺の抱いた印象を裏付けるような微笑を浮かべて、俺では無くジャガモンを見つめている。

「知っているかい? ジャガイモというのは、花が咲くのとほとんど同じ時期に芋が出来てくるらしいよ。……その事を踏まえると、この子はどこかで花を咲かせていたのだと。そう捉える事も出来そうじゃないか」

「いや……流石に屁理屈でしょ」

 そして本来、その手の屁理屈を言うべきは、俺であるようにも思うのだが。

 視線を落とせば、ジャガモンも心なしか呆れているように見えた。

 当然だ。この姿で「自分は花になった」だなんて、納得できる筈がない。

 少なくとも、俺だったら――

「だから、答えは君が決めていい」

 ――俺だったら。

 ……俺だったら、どうしたかった?

 内側から、静かに問いかける声が聞こえて。

 その幽かな疑問符に気を取られている間に、いつの間にか店員の男は、一度受け取ったキーホルダー型アクアリウムを、再び俺の手の平に握らせていた。

「花が咲いていた事にするのか、しないのか。今のこの子を見ただけじゃわからない、咲いている筈の花を探してもいいし、……これからもう一度、花を育ててみても良い。結論が出るまでは、もうしばらく、この子の事は君に預けておこう」

 今度は、この子の世話をするための手段と一緒にね。

 そう付け加える店員の声はどこか遠いところにあって、俺はただ、手の平に乗ったアクアリウムの、水底を閉じ込めているとは思えないような熱を感じ取っていた。

 ジャガモンは、相変わらず。

 その小さな双眸でも十分に、突き刺さるようにしっかりと、呆れて、納得できなくて、訝しんでいるような眼差しを俺に向けているけれど。

 だけど、ただ、俺の事だけを、見つめていた。

 開く間際の、蕾のように。

 力強い、瞳だった。

*

 レジに代金を仕舞いながら、男は客の青年を見送った。

 これから彼は電車を乗り継いで、両親の手が届かない遠方の土地で暮らし始めるらしい。青年が購入したのは、新居に飾るためのアクアリウムなのだそうだ。

「なんだよお前。それじゃジャガイモじゃ無くて、レンコンだったって事か?」

 店員の男から聞いた名前と特徴を揶揄しながら、青年がスノードームにも似た球状のアクアリウムの表面を指先で小突く。中に納まった紫色の肌をした女性の姿のデジモンは反論するような仕草をしていたが、本気で怒っているという風では無かった。

 何せこのデジモンは、いつか自分が望んだ通りの姿に――蓮の花の妖精・ロトスモンへと、この青年の元で進化したのだから。

 感謝の言葉と共に、扉の際に置いていた大きな荷物を回収して、青年と花のデジモンは去っていく。

 扉が閉じた時に外の空気が一緒に入って来て、男は春の心地よさに思わず目を細めた。

 この先青年がロトスモンと同じように、自分の望みを叶えられるかは、誰にも解らない。

 ただ彼が迎えた穏やかな旅立ちの日を、男は心から、ささやかにではあるが、祝福するのだった。

 しかしふと視線を落とすとカウンターの上にはキューブ状のキーホルダーがあり、その空になった中身が物語る、共に働く仲間を得る機会を逃した事実にだけは、男は一抹の寂しさを覚えたりもしているのだが。

快晴
2021年2月01日

 どんな理由があったとしても、面接バックレるのは会社に迷惑がかかるからやめようね。快晴さんとのお約束だぞ。

 はい、というわけで『デジモンアクアリウム』Episode2の閲覧、本当にありがとうございました。マ○ドナルドのポテトなら無限に食える気がするタイプのデブ、快晴です。

 さて、今回はウッドモンと就活生のお話でしたね。前話が「美しく終わる話」だとしたら、このお話は「泥臭く続く話」になりますでしょうか