いつだって気持ちの悪い感じから始まる。
何かを焦らされている嫌な感じがする。
私は気が付いた。
このパリっと電気が走る感覚。
この気の狂いそうな感じは…デジタルフィールドだ!!
要するに右肩デジモン。
右肩デジモンは死霊を意味する。
ドラクモンが出現する。
ドラクモン「本当にデジモンに好かれやすいな?」
「冒険終わったのにずっと厄介ごとは終わらないねぇ?」
キシキシと笑うのは私のパートナーだ。
気が付いた。
デジタルフィールド内にすごい圧がかかっている。
この圧は…究極体なのは間違いない…。
普通ならひどい緊張感で倒れてしまいそうなほどだ。
今日は例外だ、なんせ、あの岩がある。
史香「いつもの…お願い。」
ドラクモンは赤い邪眼で空間をサーチした。
ぱちんと指を鳴らす。
ドラクモン「はい、どうぞ?」
史香「本性!!」
…くるった女…。
蜃気楼がゆらっとする感じをさせてそいつはドラクモンのアイオブザナイトメアを応用させた空間で姿を現した。
系統青
ドゥフトモン 究極体
ロイヤルナイツだ。
死霊デジモンでなければロイヤルナイツを統率する頭脳家だ。
史香「マジか…。」
ドラクモン「明日、喧嘩していた親と和解するんだろ?」
「邪魔をされたらたまったもんじゃねぇな…。」
「冬だってたくさん、やることあんだろ?」
ドラクモンが前に出た。
史香「ドラクモン!」
「進化しなくて大丈夫なの?」
ドラクモン「ダークタワーとお前が気に入っている血の岩があるから問題ない。」
「今の環境なら相手がロイヤルナイツでも成長期で大丈夫だ。」
ドラクモンはドゥフトモンに対してアンデットファングを仕掛けた。
ドゥフトモンは剣を振ってドラクモンに向ける。
キーンとノイズが響く。
ダークタワーと血の岩で強化されたドラクモンのアンデットファングはかなりの威力でドゥフトモンとも互角に渡り合った。
史香「死霊デジモンとはいえあいつがこの世界にきた目的がよくわからない…。」
史香はダークタワーと血の岩でドラクモンとドゥフトモンが互角に戦う姿を見ていた。
そう、私の世界にはダークタワーが存在していて血の岩と呼ばれる吸血鬼デジモンを極限まで強化する岩が存在するのだ。
ドラクモンが私のパートナーだったためと様々な要素が絡んで幼いころの冒険は悪が勝ってしまった。
…ああ、ヒーローはどうなったって?
実は私、冒険していてヒーローたちに会ったことないんだ。
いたのは変な女と(私ではない。)と空想のホスト気質の男。
ついでに言えば、冒険の最後は相手側にオルディネモンが二体同時にいたことぐらい。
冒険の最後は蛇と狐を掛け合わして混ぜた女とホスト気質男の二人組を中二病の私が専用の黒い刀で切り捨ててすべてを終わらせた感じ…。
痛いって?
いや、それもはや今更。
ドラクモンが腕の小さな剣で攻撃を受ける。
ドゥフトモンのテレパシーが私にも伝わってきた。
…親子の絆を壊してやる…。
史香「ああ…現実界のね。」
私は半分口を開けた状態で少々沈黙した。
史香「右肩デジモン、操っているつもりならいうけど、ドゥフトモンの形をとるから気持ちだけは強いのね。」
「現実界でも三つの要素が絡んだ悪い存在である私は自分の意志決定では決して動けないすんごく大きな財産と同じでね、私って変な意味で母親の血反吐の塊なの。」
「絶対に動けない要石みたいなもんなのよ。」
「だからそれを象徴する血の岩が私の世界に存在するんだけど…。」
「ドラクモンが、ドゥフトモンと互角に戦える理由。」
「昔の冒険の舞台ではその二人組のオルディネモンの飼い主たちは私のもつ血の岩につけこんでいつまでも私に守ってもらえると思って甘えていたのね。」
「結果は私がそいつらの全て嫌になっちゃったの。」
「粘着質の女とオルディネモンの二体、誰も愛さない皮肉しか言わないSぶった男…。」
「そんな世界滅亡させてやりたいと思わない?」
「いろんな存在の力を借りてやっと打倒してやっと冒険を終わらせた形。」
「決め手だったのはヒーローじゃなくて私の意志だった。」
「とどめの一手はグランドラクモンのコレクションしたメギドラモン二体の力と現実界であらゆる絆を象徴する血の岩だったよ。」
「たぶんオルディネモンが善だったかなー。」
「なんか私の世界は何かがちょっと逆転しちゃってんの。」
「でもわりとよくいるでしょこういう人間。」
史香「現実界では母親と私は言葉ばかりを掛違えちゃったけど、本当は両方を思いあう気持ちは一緒だと思うよ。」
「私は言葉や文字にせずに問答無用で触ればいいだけだと思う。」
「なんかこれ以上はさすがにかわいそうだと思った。」
「おにぎりを投げ捨てる感じがしてすごく嫌だなって思ったの…。」
史香「おにぎりならどんな味がしても触って食べないと…。」
バリンと右肩が取れる音がした。
ドラクモン「アイオブザナイトメア!!」
ドラクモンがドゥフトモンにAの攻撃技を食らわすとドゥフトモンはデリートされた。
ドラクモンが赤く光る血の岩のそばで佇んだ。
史香「…血の岩…いわばホーリーストーンのような役割をするようなものだけれども。」
ドラクモン「いつも出しといてくれたら助かるんだが。」
史香「実は生身の私の身にこたえるからなかなかそうはいかないのよ。」
「しばらくしたらしまう、通称血の岩、現実界では赤子の頭ほどもあるガーネットボール。」
死霊デジモンとの戦いはおそらく続いていく。
これからも…。