やあ、はじめまして、かな。それとも、また会ったね。だろうか。
こちらステイション=●●●
ここには昔、音楽のような文章があった。あるいは、文章のような音楽、かな。
彼等=ぼくの友人たちはもうここには居ないけれど、この場所を消すのは忍びなかったんだ。だからぼくがここに居ることにした。
分かってるよ。そんなことはいいから、ここにあった作品を読ませろって言うんだろう。
聞こえたかな? どうか、ぼくの友人のネモをよろしくね。
それとここの下に書かれているのは、ずっと前にこの作品を読んだ人たちの声だよ。
誰よりも早くこの歌を聴いて、誰よりも早く言葉を残してくれた。良ければ読んでみても良いかもね。
それじゃあ、また。苦しくて寒い夜には、ラジオのダイヤルを合わせるんだ。分かったね?
ノーチラスから、愛を込めて。
2024/9/9
大変今更ながら、感想を配信で喋らせていただきました。
リンクを下に貼っておきます!
https://youtube.com/live/PYbfStDfQbA
(6:30~感想になります)
おお、最後の一文まで完璧! 他の皆様に遅ればせながら夏P(ナッピー)です。
割と淡々と語られる世界観の中で紡がれる“ぼく”とナノモン“ネモ”の物語。“ぼく”が結構な毒舌家なのか状況や相手に対して忌憚ない意見を述べてくれるのでテンポ良く読める一方、どこか情動的で感情的な面も伺えるのが最後まで続いている。というか、飽く迄もフレーバーとして味付け程度に触れられる感じでしたがディープ・セイバーズとメタルエンパイアだけでなくウィルスバスターズも絡む世界はなかなかに興味深く、これはまた違った視点でもこの世界のお話を読みたいと感じさせました。
先にフレーバーと申し上げましたが、戦争もテロも奇襲も描かれはするものの関係なく、本質的に一本通して描かれていたのは一体の“こい”の物語でしたね。マリンキメラモンの作成+吸引のシーンはアカン狂気やと戦慄しましたが、これもまた美しい〆に向かう為のピースだったか……ナノモン種のイメージに反する情熱的な行動もまた心を打つ。元ネタはバイタルブレスかと思いましたが、もしかしたら時期的にペンデュラムZの方だったかしら。
デジモンは進化により全く違う姿にも変わることが特徴でもあるので、上記の通り狂気すら孕んでいたマリンキメラモンからソローブルー、つまりプレシオモンへ繋がる流れはそれだけで世界が華やいで感じられるのはお見事。プレシオモンの設定すら話の中で活かされておりイイ! 実にイイ!
先にも書かせて頂きましたが最後の一文まで無駄なく完璧でした。良いものを読ませて頂きました。クリスマスに感想書くべきだった……。
それではこの辺で感想とさせて頂きます。
まずはお帰りなさい。
そして、ブランクを感じさせないどころかより磨きがかかった一作ありがとうございます。
懐かしい企画のリベンジということでしたが、視点は担当のディープセイバーズではなくきな臭い関係になっているメタルエンパイアでこき使われている人間とフロゾモン、そしてある目的から彼らに同行するナノモン――ネモ。特に彼はどこか偏屈で枯れた雰囲気を持ちながらも一度だけ聴いた歌声を求めるロマンチストっぷりで、焦がれているのは本人以外には一目瞭然です。そんな彼だからこそ、不気味な黒い液体でくだをまいていた男もよき相棒として付き合ったのだと思います。シンプルに楽しそうなのが容易にイメージできます。
実際に歌詞を見るまでは船と歌声ということでディープセイバーズ関係なくセイレーンのような魔的なものかと思いきや、その実どこか幼げな深海の独り言。だからこそ、それが紡ぐ内容は素朴なまでに現実を突き付ける。――前提として自軍とドンパチやっている相手の海底に歌姫は居る。ネモの繋いだ秘密回線が援軍を連れてきたとして、その脅威が彼女に牙を剥かないはずもなく……柄にもなくフロゾモンにとびついたネモの表情を想像することも安易にはできません。
だからこそ、禁忌じみた手段で海に還そうとしたのも仕方ないと思えてしまいます。そしてその狂気が純愛として結びついた段階で奴も覚悟は決まったのでしょう。
そして、雪のない夜が訪れる。
本当にいいものをありがとうございました。
色々と沸き立つ感情こそあれど、第一声はこうであるべきでしょう。
おかえりなさいませ、マダラマゼラン一号さん!! 約2年半、帰還を心待ちにしておりました!!(カードゲーム擦りながら)
はい、同企画の『メタルエンパイア』側の作品を投稿していた身として、唯一投稿されぬままだった『ディープセイバーズ』の作品、ずっと気になっておりました。企画の内容的に主軸となるのが恋愛となるので、いったいどんな恋模様が描かれることになるのかと……そして実際に描かれたのはまさかまさかの『メタルエンパイア』も絡めた2勢力の間柄に起きた出来事、それに巻き込まれることになった『歌姫』と、その歌声を追い続けたナノモンことネモさん、そして成り行き上その『恋』を目の当たりにすることになった『ぼく』の物語、および弁護。
とりあえず、作中の諸々については既に他の方が語っているので、何よりも簡潔に告げたい感想が一つ。
タイトル回収が過去一芸術的過ぎる。
いやですね、正直最初はタイトルを見た時は「おお~オサレ~」程度にしか感じてはいなかったのですよ。ナノモンの個体名として『ネモ』の名前が、『歌姫』の歌声を拾い流すラジオの名前として『ノーチラス』の名前が出た時も「ふむふむなるほど~」といった感じで、自分は安直な考えしか抱けなかったはず。
深海に降った『雪』の正体を知ったところで一気に物語に引き込まれました。
死体となった数多のデジモン達の残骸――そのいずれかが『歌姫』だったデジモンだと信じた――からマリンキメラモンを造り、そして自らもそれと合成することを選んだネモ氏。
明らかにメリーバッドエンド、あるいはビターエンドとも呼べる結末――だと思いきや、『ぼく』の口から紡がれるその『続き』の物語と、そこで明らかになる『彼』と『彼女』の生存。
よくよく考えてみれば、プレシオモンという種族はX抗体個体の図鑑設定にて存在の大半を『詩』のデータによって構成されているものとされていて、『歌姫』の声に耳を傾け続けたネモ氏――微小単位の精密機械を司る種族であるナノモンの中には、確かにそのデータが刻まれていて然るべきであるわけで、プレシオモンという到達点は当然の帰結であったのですね……とはいえ流石に予想できなんだ……。
『ぼく』と『ネモ』に付き合い続けた、そして『ネモ』と同じ時期から歌声を聴いていたであろうフロゾモンこそアーサー君が最後の最後に『ぼく』を助けに来たところも含めて、作中の環境とは反比例して心が暖かくなる物語でございました……2年半待った甲斐は十二分にあった……。
それでは、少し短めかもしれませんが、とびっきりのオサレを味わった旨の感想は、やはりこの言葉で締めくくりたいと思います。
そして、これからもマダラマゼラン一号さんの作品を読めることを楽しみにしてます。
本当に、ありがとうございました。
――ステイション・ノーチラスに雪は降らない。
まずはじめに。おかえりなさいませ、マダラマゼラン一号様!
貴殿の小説をまたこのデジモン創作サロンで拝見出来る事、本当に嬉しく思います。
自分語りになってしまって申し訳ないのですが、自分も半年ほどデジモン界隈を出奔していた時期がありまして、その頃正直もうこっちに戻る事は無いんじゃないかなぁと思っていたので、きっとマダラマゼラン一号様もそんな感じなんだろうなと勝手に思うなどしておりまして……。
いやまあ見ての通り戻ってきたのですが。戻ってきてよかった。
という訳で感想なのですが、ほんっとうに素晴らしい物語でした。
先に感想を投稿なさった羽化石様と被ってしまって申し訳ないのですが、二転三転、あらゆる形で心を揺さぶられる、「そうだよな。エモーショナルって「感情的な」って意味だよな」と再認識させられる圧倒的な構築力。
読み終わって最初に浮かんだ感動は「ああ、本当にマダラマゼラン一号様が帰ってきたんだなぁ。そして以前よりももっともっと高みに行っちゃったなぁ」でした。おかえりなさいませマダラマゼラン一号様(2回目)。
順を追って気持ちを整理していきたいと思います。
冒頭を読み始めた時は、『ディープ・セイバーズ』の単語が出てきこそすれ、舞台はどうにもメタルエンパイア(以下、本文に倣って帝国)。語り手が裁判の場で陳述するのはナノモンのお話。その上その内容は『彼』と表されたナノモン・ネモへの弁護で、語り手の一人称はぼく、と。
もしや、マダラマゼラン一号様の新作は、DS領を舞台としたナノモンとのブロマンス……! と見当違いな事を考えていた私をどうか許してください。私は浅はかでした。
アホな前置きはこの辺にして、読み進めるごとに明かされる作り込まれた世界観には、ただただ舌を巻くばかりでした。
お話にも出てきたメタルシードラモンのように、特性上複数の所属を持つデジモンを、なるほど、こういった形で世界観に落とし込むとは。ウイルスバスターズやエリア51といった用語が、ひとこと添えられているだけで、物語に深みを与えているといいますか。皮肉交じりの語りも相まって、自分も語り手と一緒に暗い気持ちでコーヒーを飲んでいるかのような気分になるなどしていました。
というか、コーヒーの描写ひとつ取ってもこんなに印象が違うものなんですねぇ。
話はそれましたが、そうしてついに現れたナノモン教授こと後のネモ氏は、ここまで描かれてきた帝国の面々と比べると本当に不思議な雰囲気のデジモンで、ひと区切りでこちらの印象まで変えてしまうような彼の目的とは一体何だろうか。何故音楽に執着するのだろうかとわくわくしながら引き込まれていたところに――歌。
ひらがなで書かれた、どこかたどたどしくあどけない歌は、人間の世界から引き剥がされたらしい語り手や、それまできっとそんなものを知らなかっただろうネモ氏の心をどれだけ揺さぶったのだろう、と、想像するだけでにこにこしていました。
それからネモ氏が潜水艇を造り始めて、なるほどノーチラス。そしてネモ船長というわけですかと勝手ににやにやしだしたところに……なんて無情なマリンスノーなのでしょう。
それからは胸が苦しくなるばかりでした。どうしてこんなひどいことするんですか。
ネモ氏があんなに焦がれていた歌姫が、戦禍のただ中に置かれている彼らに他に方法は無かったとはいえ、歌姫さんが……。どうして……。
その後、語り手を呼び出したネモ氏が連れていたのは、マリンキメラモン。
そうだ、そういえばマダラマゼラン一号様仰ってましたね、マリンキメラモンも使いたいなぁって。でも恋の相手とは言ってなかったなぁ。じゃあこの子の役割とはうわあああああああ……と、合成型の特性を、こんなにも鮮やかに、残酷に、美しくお使いになるとは……。
ネモ氏というかナノモン自体、ナノマシンですものね。追加のパーツ(という言い方で良いのかはさて置き)として、言われてみれば不自然では無い。
物理的に1つになったネモ氏と歌姫が海底に消えていく流れを見て、つまり彼らの行方は誰も知らないエンドか……と思っていたら、「続きがある」ですと……!?
どうなるんだどうなるんだと読み進めて、うわー! ともう、感情ぐちゃぐちゃになりました。1つになる、が終わりでは無く、恋の成就による進化……考えもつかなかった……。よかった、よかったね、ネモ氏、歌姫改めグソクモンさん……! そうでしたね、グソクモンって仰ってましたもんね。
本来けして出会う事の無かった筈の2体の恋の歌が、今度はたくさんの人やデジモン達の心を揺さぶったという流れが美し過ぎて、本当に泣きました。静かに泣きました。
こんなご時世だから、余計に響くのかもしれませんね。誰だって平和が愛しいですよ。『Sorrow Blue』よ、響き渡れ。それからアーサーさんあ”り”がどう”(号泣)
と、滅茶苦茶にとっちらかっている割に月並みな事しか言っていないのですが、こちら、私の率直な感想と成ります。マダラマゼラン一号様、おかえりなさいませ(3回目)
2022年のクリスマスに、素敵なおくりものをありがとうございました。
以上を感想とさせていただきます。
サンキューアーサー。サンキュー古い友人のフロゾモン。ベストフロゾモン賞は君のものだ。ベスト旧友賞も君のものだ。(ツイッターで呟いていた「好感度が急上昇したデジモン」はフロゾモンの事です)
サロンへよくぞお帰りくださいました。 良い意味で変わらない持ち味と更にパワーアップされた文章で「マダラさんが!!!!!!!!帰ってきた!!!!!!」事を実感できて大変嬉しく思います。嬉しいなったら嬉しいな。るんるんソロー・ブルーの音色に乗せて踊り出しちゃう。踊るような曲調ではないかもしれませんがとにかくそのくらい嬉しい、という事です。 やっと本文の感想に入ります。 人間である「ぼく」の裁判から始まり、何事かと読み進めるとなんと「恋」の話と来て、裁判で恋の話とは一体どうした事かと一気に心を鷲掴み、流石の手腕でございます。 (「ぼく」の口調および語り方がマダラさんテイストたっぷりで嬉しくなっちゃったのは上でも書きましたが、本当に嬉しかったのでまた書きます) 環境も戦っている種族同士も冷たい鉄と氷に閉ざされている中でも「ぼく」とネモが徐々に親睦を深めていく様子、そしてラジオで素朴な歌に思いを馳せるささやかな恋に心が温かくなりました。 あったかいなあ。派手さはなくとも、ふんわりしていて優しい恋のお話だなあ。 そう思って油断していましたら(或いはそうなる可能性から目を背けていました)、深海なのに明るい。あつい、いたい、文字化け。 ……畜生やられた、悲恋物だ。マダラさんは悲恋も書くし何なら元の企画も悲恋物があったし何を隠そう私自身が書いたな。 散々ナノモン種(とネモ本人)の知性の高さと落ち着き具合を描写した後なので、ラジオを聞いた瞬間に静止も聞かず飛び出して行ったネモの描写で胸が痛くなりました。 またしてもマダラさんにしてやられた私は、傷心のままに(本当に傷心なのはネモの方だよ)ネモの恋心の行く末を見届けるために読み進めました。そこに出てきたマリンキメラモン。戦争で亡くなってしまったデジモン達の亡骸を集めて、ネモ本人を取り込ませて作ったマリンキメラモン。うおおマリンキメラモンをこう使うのか。さっすがマダラさんだぜ! ……畜生やられた、ただの悲恋じゃなくて恋敗れて狂った科学者エンドだ。 本当にその中に歌っていたあの子がいるのかも分からないままマリンキメラモンとして海に消えていったネモを見送った時ばかりは「ぼく」の心情とだいぶシンクロしてたと思います。 この通り傷心しまくりでしたので、マリンキメラモンの素材の中に歌姫がいて、しかもネモと話ができていて、私の心は畜生やられた、ハ、ハッピーエンドだ!!!!!! と飛び上がった末に心の底からほっとしました。良かったね……良かったね……本当に良かったね……。しかもプレシオモン(推定→後に確定)に進化していて、全てのきっかけとなったラジオで戦意を静める歌を届ける……なんて美しい物語なのでしょう。 しかしこういう時は全部が全部ハッピーエンドになるとは限らない、最悪「ぼく」が犠牲になるのを覚悟していたところに現れたのがそう、フロゾモンのアーサーです。 私の中でのフロゾモンの好感度が爆上がりし、全私がアーサーに向ってスタンディングオベーション。ハッピーエンドに向かって私のテンションも爆上がりです。サンキューアーサー。 「ステイション・ノーチラスに雪は降らない」 本当に良いタイトルですね……。 例え歌った後に本当に消えてしまったとしても、たった一日でも、二人の恋の歌が皆の心に響いたならば幸せな終わりと私は思います。
(マダラさんが意図されたものではなく、私が勝手にオチを見出し感情を乱高下させていただけかもしれませんが)3、4段構えの仕掛けで見事に掌の上でダンシングした末に素敵なラストとタイトルコールで心が満足しています。 取り留めの無い感想になってしまいましたが、とにかく大変素敵なお話を読ませていただけて嬉しかった、とお伝えしたく存じます。 改めまして、よくぞお帰りくださいました……!