なんかおかしな感じがする…。
想像している物語の世界の全てがハッピーエンド…こんなことあり得ない。
悪い意味での自己完結を意味する。
という事は…これはデジタルフィールド!!
要するにコレは右肩デジモンが居るという事だ。
右肩デジモンとは死霊の事だ。
巧妙だが自分の感情と擬態した死霊デジモンだ。
死霊が付くと大抵感情をロックされるかいらない感情にブーストが掛かる。
そいつの感情の為、壁に擬態した蛾のような形を想像してほしい。
パートナーのグランドラクモンが姿を現した。
史香「いつもならドラクモンなのになぜ今日は究極体なの?」
グランドラクモン「とんでもない強敵だから事前にこちらの準備をしておいたのみ。」
グランドラクモンが正体を見極める特殊空間を作ってくれた。
グランドラクモンがぱちんと指を鳴らす。
グランドラクモン「はい? どうぞ?」
史香「本性!!」
反応がいまいちだ!!
グランドラクモン「史香、逆にお前の本性を自分に聞いてみろ。」
史香「…私の本性。」
グランドラクモンの声で内側から声が返って来た。
暗く冷たいダークエリア。
史香「確かに!!」
想像している物語が全てハッピーエンドとか絶対何か変だ!!
史香「一体何が潜んでいる!!」
私はディーアークを取り出した。
史香「カードスラッシュ!! のぞき見レッドカード!!」
白い靄の中で氷の竜が見えてこちらを攻撃してきた!!
史香「これは!! ヘクセブラウモン!!」
青系統 ヘクセブラウモン
氷の魔術(高級プログラム言語)をマスターした者だけが進化できるとされる伝説の魔法騎士型デジモン。
史香「何でそんな存在が私のフィールド上に居るの?!」
「もう一度!!」
グランドラクモン「はい、どうぞ?」
史香「ヘクセブラウモンの本性!!」
空間から帰って来た返事はこうだった。
人間ではない…。
グランドラクモンが私の目の前に出てアイオブザゴーゴンで空間を開いた。
ヘクセブラウモンがその場に出てきて直ちに濃い濃霧が発生してデジタルフィールドになった。
グランドラクモン「史香、一人で何もかもを解決しようとするところを付け込まれたな…。」
「お前は確かに音を通して様々な事を観測できる。」
ヘクセブラウモンからは男でもあり女でもあるような変な感じの音がする。
史香「ぼんくらアイスめ…。」
グランドラクモンのクリスタルレボリューションとヘクセブラウモンのサモンフロストがぶつかり合う。
氷同士の戦いだ。
ヘクセブラウモン 青の使徒…。
史香 確かに、聖書も読破した、コーランを見ただけで八割がたの意味も分かった。
とあるアニメの補完計画並みの事柄も身をもって経験中だ。
そりゃぁデジモンテイムやってないと生きてられない。
史香「ふふふ…。」
私は力なく笑った。
グランドラクモンの方が若干押されている…。
史香「私、そんなに舐められてんのかね?」
「私の血は赤いし、パターンは赤だと私のデュークモンがと何回も、証明しているわよ。」
「見たんだ、お前はちゃんと人だと!」
「だから立ち止まれと!!」
この時点で右肩が取れた音がした。
私の心の叫びを聞きつけたのかデュークモンが応援に駆け付けた。
デュークモン「加勢するぞ史香!!」
デュークモン、こいつも昔から、私のパートナーデジモンだ。
実はグランドラクモンよりも付き合いが古い。
デュークモンの数は合計二体。
もう一体はカオスデュークモンに変異をしており私のフィールド内のどこかに居る。
私の右目に不正の文字を埋め込んでくれた張本人だ。
デュークモンはヘクセブラウモンにロイヤルセーバーをお見舞いする。
デュークモン「ついでに言えば、パターン青でもちゃんと人間だ。」
史香「え?!」
「なんで?」
デュークモン「お前に送った信号機のシグナル、人という字を思い出してもらおう、信号機の青でも横から人を見た図になっている。」
「人という文字は人を横から見た図だ。」
「パターンが青だったとしても絶対にお前は人間だから安心しろ。」
グランドラクモン「これほど肝が冷えるデジモンはそうそういない…。」
グランドラクモンは悪態をついた。
グランドラクモンはアイオブザゴーゴンでヘクセブラウモンの動きを鈍くし、デュークモンには同じ技でブーストを掛けた。
私の頭がカンカンに沸騰した。
デュークモン「ファイナル・エリシオン!!」
デュークモンがファイナル・エリシオンを放つとヘクセブラウモンに命中し彼は負けを認めたのかいずこへかと逃げ去った、デジタルフィールドは解除され、右肩は取れたのを確認した。
デュークモン「…生意気もたいがいにしろ、史香、たまには踏みとどまれ。」
史香「はい…。」
「デュークモン…。」
デュークモン「なんだ?」
史香「やらないか?」
デュークモン「…なにをどうしろと。」
明らかに困っていた。
史香「え! この場合危機が去ったらお姫さまとは普通!!」
グランドラクモン「こいつはお姫様じゃない、灰色のワンピースを着た調子のいい女だ。」