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太古の時に生きた威容、原初に現れた究極の一。
今尚この世界に残る極寒の世界、永久凍土と謳われた死の大地を苦とせず進む雄々しきその獣は、後世その偉大さをして十闘士と讃えられる。
大懶獣メガテリウム。人の世において有史以前より最大級の陸生哺乳類とされる名前を冠した英雄は、巨大な氷山を容易く粉砕する剛力と如何なる寒波の中でも活動できる頑強さを以って、古代世界に君臨した氷の闘士である。
傲慢の魔王を倒したと言われる世界最初の究極体の一体。戦いの果てに落命した彼は、最後に己の魂を人と獣の形に分離させ、後世の平和を願い遺したという。また同時に彼自身の在り方と能力は哺乳類型や氷雪型といった山岳地帯に暮らす者達に受け継がれている。つまりはエンシェントガルルモン、獣型にその血脈を継承したと言われる光の闘士と共に我らの直系の先祖であると言えた。
だがエンシェントメガテリウモン、世界最大の生命にして神秘、そう語り継がれるそれは今もこの永久凍土と呼ばれる極寒の世界で生き長らえているという噂があった。
【コテハナ紀行】
知らぬがホトケと言うけれど
【氷の闘士編】
「ギエエエエエッ! 寒い、寒いんダネ!」
「喧しいでやんすよ! ゴムパッ……掴めない!?」
「ハハハ甘いんダネコテツ、こんなこともあろうかと今日のオイラはフル装備の防寒仕様でいつもの股引を引っ張ろうとしたところでそうは問屋が卸さなギエエエエエッ」
よく考えたらわざわざ股引を引っ張らずとも殴れば良かったのである。
雪の上を転がっていくハナビを無視してコテツは歩を進める。如何に防寒着を纏っているにせよ、ボコモンにネーモンという貧弱この上ない二体の成長期が誰の手も借りずに進むには無謀すぎる危険地帯だった。一寸先は闇とはよく言ったものだが、豪雪がビタビタと顔面を殴り付ける今は雪山の中にあって数メートル先すら殆ど見通せないのが現状である。
「イタタタタ……しかしオイラ達だけで登るのは無理じゃないんダネ?」
「並の鳥デジモンでも無理でやんすからね」
殴られた頬を押さえて戻ってくるハナビと同様にコテツも顔を顰めた。
麓の村にはそもそも飛行能力を持つデジモンがいなかった。辛うじて鳥型と呼べるのはペンモンぐらいだったが、彼は悲しいかなコテツやハナビと同じ成長期であり空を飛ぶ力も無い。悪いが力になれないとは他ならぬ本人の言である。
『あの山を登る? 死ぬ気かよ!?』
そうも言っていた。どうも近隣の氷雪系デジモンでも登ろうとする者は殆どいないという。
ヒョーガモンやスノーゴブリモンといった野盗が各所に出没していることもあり、今では村の成熟期ですら容易には立ち寄れない無法地帯。
しかし山頂への道は未だ健在で崖と崖とを結ぶ吊り橋も十分に通行可能な強度を保っている。かつては山の神と呼ばれる存在へ供え物をする為に皆が往来していたのだろう参道は、来る者を拒む豪雪が続いても変わらずそこに在った。
「その山の神ってのが、コテツの言う……」
「うむ。恐らくはエンシェントメガテリウモン、氷の闘士でやんす」
確証はないが確信はあった。
所々が崩れていたが参道の両側に一定の間隔で立てられた石柱の上に立つ石像は、伝説に名高い巨獣の姿であったからだ。
大懶獣メガテリウム。人間界において新生代を生きたとされる大型哺乳類。
元々この世界は人間界からのデータの流入で生まれたということを鑑みれば、マンモンやサーベルレオモンといった同時期の哺乳類をモチーフにした種族と同様、その名もまた人類の叡智が形を成したものであるはずだった。
だが英雄として数多の壁画や古文書に描かれる氷の闘士の姿は、人間界のデータが示すところのメガテリウムとは明らかに違って見える。
学術的には偶蹄目と呼ぶべきらしいその体系は、同様の分類では有毛目とされるメガテリウムとは趣を異にしていた。外見だけで判断するならむしろムースモンやマンモンといった現存種が近いと言えよう。エンシェントの名を冠しながら、現代にはメガテリウモンなる種族が確認されていないことも、その威容から覚える違和感に拍車を掛けている。同じく同名の現存種を確認できていない風の闘士や闇の闘士と比して、その姿は氷のエリアを生きる現存種の特徴を掛け合わせたような姿を持つ点で異なっていた。
異質さと言えばもう一点、それだけ氷属性のモンスターの能力を兼ね備えながら、そこにガルルモンの要素はない。当然であろう。ガルルモン種といえばグレイモン種と並び賞される英雄の血族、その名は十闘士筆頭である光の闘士エンシェントガルルモンとして、ルーチェモンとの決戦で最後まで生き残った大英雄の伝説を有している。
だがそれこそが異質だ。なればこその異質だ。
氷河地帯における代表的な獣型デジモンでありながら、伝説において氷の闘士から繋がる血脈は氷雪型や哺乳類型でありガルルモン、即ち獣型は不自然に外されている。壁画に描かれるエンシェントメガテリウモンの姿からもガルルモンの要素は見られない。何故ならガルルモンはエンシェントガルルモン、光の闘士が繋いだ獣型の力を受け継いでいるからだ。
哺乳類型と獣型という半端なカテゴライズ、光の闘士より連なるはずのガルルモン種が現代において氷属性の代表格として謳われる不自然さ。そして何よりも光の闘士であるエンシェントガルルモンの必殺技が絶対零度を操るアブソリュート・ゼロ、即ち氷属性を有すると思われる点。
それら故だろうか。いつからか語られ始めていた風説がある。
十闘士とは存在しない者、最初に誰かの頭の中で生み出された空想の英雄なのではないか。十体のエンシェントと名付けられながら現存種との繋がりに謎を孕む彼らは、その属性や在り方に多くの綻びを有している彼らは、この世界に数多残る他の英雄の活躍を拡大解釈もしくは置換することで後付けされた架空の存在なのではないかという風説。
ロイヤルナイツに三大天使、オリンポス十二神。十闘士伝説を語らずともこの世界には英雄と呼ばれる存在は枚挙に暇がない。事実、古代にしか名を馳せない十闘士とは異なり、他の数多の英雄達は様々な時代に現れた魔の者を打ち払ったとされることは疑い様も無く、彼の聖騎士集団も天使族の頂点も確かに実在を確認されている。同様に負の側面ではあるが、折に触れて世界を危機に陥らせる七大魔王とて解釈を変えれば間違いなく英雄としての色も持つだろう。
十闘士にはそれがない。エンシェントと呼ばれる十体の英雄は古代世界に現れ、世界を救った後に姿を消した、それだけが全てであり後世に現れたという記録はない。彼らが後の時代を憂い遺したとされる人と獣の魂、所謂ヒューマンスピリットとビーストスピリットを自在に操る戦士とて実際にその姿を見た者はいない。なればこその架空の英雄、他の英雄達と比して明らかに異質な彼らはそもそもこの世界には存在しないのではないか、そんな声が上がるのも当然と言えば当然であった。
だが十闘士なる英雄は確かに世界に存在しないのか。
本当に我々の願望が生み出した空想に過ぎないのか。
彼らが存在したという証拠は必ずあるのではないか。
そんな縋るような思いが、今の自分を動かしている。
「……で、コテツは十闘士を見つけてどうしたいんダネ?」
風雪を凌げる洞窟内。すっかり日も落ちただろう頃、偶然見つけたその中で火を焼べながらハナビが言う。
明々とした炎に照らされる相棒の顔は、いつものように惚けたようでいてこちらの心を見抜くものがあると感じられた。だから自然、見透かされたなと直感する。コテツとハナビ、自分達は共に戦う力を殆ど持たないボコモン種とネーモン種。そして隣に座る彼は生まれた時から共にいる相棒だが、ふざけた態度の中で時折こうして鋭い面を見せてくるように思う。
「ふむ。ワテは果たしてどうしたいのでやんすか……」
「オイラ達がもし十闘士なんてのに会えたとして、オイラ達みたいなのが話せるんダネ? 話が通じる相手だって保証は無いし、むしろ餌として取って食われる可能性だって」
「そこは大丈夫でやんすよ。十闘士は英雄、ワテらを取って食ったりはしないはずでやんす」
「でもコテツの言う十闘士ってのは、伝承の中の存在なんダネ。本物の彼らが伝承通りとは限らないと思うんダネ」
ハナビはふざけた奴だが同時にどこまでもシニカルでロジカルだ。
十闘士は伝承の中の存在に過ぎないとハッキリ言う。その一方で存在しないとは明言しない。十闘士なる存在は確かに存在するが、伝説に名高い英雄そのものではないと考えている。コテツ自身が幾度か語り聞かせたこともあってか、彼自身も十闘士に思うところはあるらしいが基本的にそれを表に出すことはない。コテツの旅に文句を言いながらも同伴する彼の存在に救われたことが無いことも無い。
それをハナビの前で口にしたことはないし、これからもしないだろうが。
「ロイヤルナイツ、オリンポス十二神……この世界、英雄と呼ばれる奴は沢山いるんダネ。その中で敢えて十闘士を研究する道を選んだ理由は何なんダネ?」
「それは……」
ハナビと今一度目が合う。この雪山にいるかもしれないエンシェントメガテリウモンは氷の闘士、後世の哺乳類型へその力を継がせたと言われている。
まさか目の前の惚けた相方にその力の一端が宿っているとはとても思えなかったが。
「ワテが何故十闘士を研究し始めたのか……でやんすか」
成長期に進化したのはどれくらい前だったか。その頃には既にこの道に入っていたはずだ。
力が無いからこそ研究者になったのか。
研究者だから強さを求めなかったのか。
自分がどちらだったのかはわからない。
それでも確かなことがあるとしたなら。
「いて欲しい……と思うんでやんす」
「ダネ?」
「十闘士、最初に世界を救ったヒーロー、最も強大だった魔王を倒した十体の勇者。そんな伝説の存在が本当にいて欲しい……架空とか空想だとか言われるでやんすがそんなことは無いと言いたい、その存在を証明したい、そんな思いがワテの原動力でやんす」
気付けばクサい台詞になってしまった。
だがハナビは茶化すでも笑うでもなく細い目を更に細めて。
「……それは、きっとオイラにもわかるんダネ」
ただそんな言葉だけを口にするのだった。
永久凍土の中を蠢く影がある。そんな噂話を聞き付けてこの雪山に辿り着いた。
最後の決戦で十闘士は炎と光を残して全滅したとされる定説に疑いがある。屈強な肉体を持つ氷と土と木、稀代の叡智と謳われた鋼、彼らが伝承通りの姿と能力を持っていたとしたら、如何に魔王が強大であったとしても一気に八体が倒されることなど有り得るのだろうか。そして彼らが志半ばで果てたとしたなら、後の世に遺した人と獣の魂はどこで彼らから分かたれたのか。
だからこそ考えている。彼らは今もどこかにいる、どこかで生を繋いでいるのではないかと。
そこでまず探そうと考えたのが、十闘士の中でも最大の体躯を持つ氷の闘士、エンシェントメガテリウモンであった。
翌朝もまた吹雪はやまない。
コテツとハナビは再び山頂を目指して動き始めていた。
その途中、幾度目かの吊り橋を渡っていた途中で事は起きる。言ってしまえば不覚であった。猛烈な吹雪によって前後不覚であったという意味でもある。
「うああああああでやんすうううううううう!」
吊り橋から足を滑らせたコテツの小さな体が落下する。
強風に煽られる小さな体は、それでも重力に逆らうことはできず落ちていく他ない。吊り橋の上から身を乗り出したハナビが自分の名を呼んでいるのが見えたが風に遮られてまるで聞こえない。まさに漆黒の暗闇と化している谷底へコテツの体は落ちていく。
そこでコテツの視界はブラックアウトする。当然ながらその落下の勢いは、成長期に耐えられるものではなかったから。
けれど意識を失う瞬間、コテツの耳にけたたましい鳴き声が届いた気がした。
夢を見ていた。優しい目をした誰かに見下ろされているような気がした。
きっとそれは原初の記憶。小柄な種族として生まれた自分が初めて見た、伝承上の巨大な英雄の姿。それは確か始まりの町、自分達が生まれ育った故郷にあった壁画に描かれたものだったと思う。ロイヤルナイツやオリンポス十二神といった者達と共に描かれたそれは、人間に近しい姿を持つ他の英雄と違って竜や獣、鉱物など様々な姿を持っていた。
その中で一際目立つ大型の獣。全てを包むような巨大な獣の姿の英雄の壁画。
それに魅せられた。
それに憧れたのだ。
そしてまさしく今。
その英雄が自分を静かに見下ろしていた。
ブオオオオオオオ。
果たしてそれは、彼の鳴き声だったのか。
ブオオオオオオオ。
果たしてそれは、求めていたものなのか。
その腕とも前足とも表現できる逞しきものに抱え上げられ、自分の体は彼の背に横たえられた。
漆黒の闇の中、彼がゆっくりと足を進めていく。その背で揺られる自分は夢見心地であり、意識は徐々に埋没しようとしていた。
一つだけわかることは。
マンモンではない。無論その進化形であるスカルマンモンでもない。それどころか自分の知る如何なる氷雪系デジモンとも違う。
それはきっと誰よりも強く逞しく、そして優しかった。
次に気付いた時、コテツは昨晩雪を凌いだ洞窟の前に引っくり返っていた。
「ハッ……」
雪はやんでいる。洞窟の前ではハナビが手を合わせて正座していた。
「コテツ!? 生きてたんダネ!?」
「よ、よくわからないでやんすが……なんか生きてるでやんすね」
そう言ってハナビが何に手を合わせていたのかを見れば、小さな石を数個積んだ上で雪の上に“コテツのはか”の文字。
雑すぎて二の句が告げない。
「……で、どうやって助かったんダネ? もしかして進化して空を飛べるようになったとか……」
「いや、そういうことではないでやんすが……」
自分は笑っていたと思う。
口の端が自然と上がっていくのを抑えられない。ハナビにゴムパッチンを浴びせないのもつまりはそういうことだ。鏡もしくは水面があったなら、そこにはきっと凄まじく気持ち悪い笑顔を浮かべた成長期デジモンの姿が映っていることだろう。
振動と共に体全体に響く足音、不思議な暖かさを伝えてくる背。それらの感触をコテツはハッキリと覚えているからだ。
「十闘士は、いる──!」
だからその確信に、何の疑いもない。
「おや……これはこれは、懐かしい顔を見たのぅ」
「お久しぶりですね、お師匠様」
「ジジイ、まだ生きてやがったんだなぁ……相変わらずこんな寒い雪山に身を潜めやがって」
「積もる話もあるだろうが……お主ら、ルーチェモンについたそうだな」
「……ああ、知ってやがったか。やっぱ耳が早いぜ、侮れねえなアンタはよぉ……」
「確実に縮小を続けていくこの世界、緩慢な我が主イグドラシルに従うのみでは救えない……その中にあって傲慢の君は世界の尺度で魔王とされたに過ぎない。彼の君は確かに世界を憂いておられる。我ら二人は彼の魔王に従うのが平和への道であると判断したのみです」
「その傲慢が考える平和とやらの為に滅ぼすというのか? 始まりの町を」
「ヒュウ。やっぱ隠し事はできねえなぁ」
「……我らを止めますか?」
「この場で主らとやり合うつもりは毛頭無い。馬鹿弟子どもとはいえ同じ聖騎士団の一員、かつて怠惰に半壊させられた我らが今度は自ら潰し合うなど愚行の極み。守護者はそこに在ってこそ意味を為す。かつてのような過ちは二度と繰り返さぬよ。お主らは好きにすれば良い……それにな、儂(わし)は元より隠居した身、主らを止める権利などあるまい」
「へっ、そんな殺気ビンビンに漲らせて言う台詞じゃねえな、ジジイ」
「ほう……わかるか馬鹿弟子」
「アンタ、今にも俺っち達をブチ殺したいって顔してるぜ……そんなに嫌かよ、あのくだらねえ始まりの町(システム)を壊されることがよぉ」
「我らが師よ、貴方は昔から幼き者(こども)が好きでしたものね。つい先日も己が分を弁えず雪山に迷い込んだ成長期、そんな取るに足らぬ者にわざわざ手を差し伸べる程度には。ロイヤルナイツ随一の古株ともあろう者がやることですか、それが?」
「カカカ……言ってくれるわ、言うようになったわ」
「ま、今回は報告に来ただけだ。精々体を労われよクソジジイ、どうせまたすぐ相見えることになるだろうがよぉ」
「貴方の考えは昔から理解できませんでしたが、確かに感謝はしているのですよお師匠様。貴方がいればこそ、今我らは聖騎士としてここに在る」
「馬鹿弟子ども。……最後に教えてやろうか、それは宣戦布告と言うのだよ」
「違いねえ。俺っち達は喧嘩を売りに来たんだからな」
「そう受け取ってもらえたなら光栄ですよ……我らが師、スレイプモン様」
【解説】
・ボコモン“コテツ”&ネーモン“ハナビ”
前回はゴロン族の耐火装備を着てたので今回は恐らくリト族の防寒装備を着ていると思しき主人公二人。
・エンシェントメガテリウモン(Va種/究極体)
十闘士の一人、氷の闘士。木の闘士と共に十闘士でも最大の体躯を持つとされている。ある雪山に巨大なデジモンがいるという噂話を聞き付けたコテツとハナビがその雪山を訪れるところから本作が始まる。
メガテリウムって言う程メガテリウムか? というのが本作の発端であり、十闘士の話を書こうと思った時点で最初に思い付いたアイデアでもあります。
・????
雪山に潜む何者か。本作を色々と台無しにする存在。
一つだけ言っておくと、エンシェントメガテリウモンに伍する巨躯と強大な足、そして何よりも豪雪を物ともしない力を持つ究極体である。
・????&????
詳細不明の二体。コテハナ紀行にちょくちょく存在を匂わされるアイツらである。
【後書き】
氷の闘士編はTwitter(X? 何それ?)で画像として挙げたので書かなくていいかなと思ってましたが、Twitterの旧垢凍結されて読み返せなくなりそもそもバックアップしてなかったので、自分の記憶を頼りに一晩で書き上げました夏P(ナッピー)です。なので全体的な方向性は変わっていないと思いますが、微妙に話の本質がズレているかもしれません。どの辺がと聞かれれば、タイトルを見ればご理解いただけるかと思います。
エンシェントメガテリウモンは旧デジカでエンシェントスフィンクモンと並んで自力でブースター引けた十闘士なのでそこそこ思い入れがあり、一方で当時から「メガテリウムってこんなだった?」みたいなのがありました。なので今回はそこに焦点を当てた話となります。モチーフとのズレが生じるのはデジモンの常といえ、メガテリウモンが存在しないのにエンシェントメガテリウモンまでメガテリウムじゃないのどうなってんねん的な奴ですね。いずれメガテリウモンが作られたとして、スカルバルキモンから全然違う見た目のバルキモンが生まれたみたいな感じになりそうな……。
そしてようやっと出せた(話を台無しにする)アイツら。本作は十闘士の話であり、即ちフロンティアオマージュということは……?
何はともあれ、これにて炎・風・氷・土・木が完了! こうなれば道は一つしかあるまい!
◇
この度は1推しへの再度の参加、誠にありがとうございます! 快晴です。
コテハナ紀行シリーズ自体も、毎度夏P(ナッピー)様なりの古代十闘士の解釈を楽しく読ませてもらっています。また、以前なんとなしにリクエストしたエンシェントメガテリウモンの回と、こうしてまた違ったアプローチを挟みつつまたあい見える事が出来て、企画の主催としてだけではなく、かつてのリク主としても感無量です。
さて、エンシェントメガテリウモン。改めて考察を聞くと、本当にわけのわからないデジモンですね……元ネタと思わしきメナテリウムについても調べたのですが、本当に全く違う生き物で……ナマケモノの仲間なんですね??
指摘もあった通りエンシェントガルルモンとも子孫の枠が被ってるし……自作で少しとはいえ取り扱った際も、少々困らされた覚えがあります。「そんな英雄は存在しなかった」という風説が広まるのも、確かに無理の無い話かもしれません。
でも、いて欲しいと願う。そんな思いに突き動かされるコテツさんのあり方はとても素敵で、力無い成長期ながら危険な地に赴くキャラクター性に説得力があるといいますか。
何だかんだでコテツさんに付き合っているハナビさんも、シニカルでロジカルでも浪漫を感じている気配があって、2体の旅路は毎回読んでいてワクワクさせられます。
その後、アクシデントを挟んでコテツさんが邂逅したと思わしき『十闘士』……読者の視点では最後の語りも「2体が直接出会うのは炎の闘士だけ」の縛りもあって、違う存在だとは解っているのですが、コテツさんが十闘士の存在に確信を持てたのであれば、それはそれで得難い機会だったのかなと。タイトル通り、「知らぬがホトケと言うけれど」ですかね。
……コテツさんがホトケになったものとして用意されたお墓にはちょっと笑ってしまいましたが。
コテハナ紀行シリーズもいよいよ佳境のようですね。アイツら……一体何ヤルナイツ(?)なんだ……。
時系列的には風&水回の前なのでしょうか? 時系列も作順通りでないとすると、次回をどう持っていくのかもますます読めず、尚の事楽しみにしております。
それでは、拙いものではありますが、こちらを感想とさせていただきます。
改めて、企画へのご参加&素敵な作品をありがとうございました!