ハロウィン企画参加作品になります。デジモン化って難しいね。
「むぅ……補習ですっかり遅くなってしまったな」
月明かりが照らす夜道を歩く青年が居た。
鼻や頰に絆創膏を付け、ぼさぼさの赤い髪に目付きの悪い青色の瞳。
歳は高校生くらいだろうか。
優等生か不良かで分けるならば、百人中百人が不良と応えるであろう容姿をしたその青年はぶつぶつと何事かを呟きながら家へ帰宅するべく道を歩いていた。
「しかし今回は自信があったのだが、まさか全教科赤点を取るとはな。趣味の鍛錬の時間を短くしたというのに……いや、時間を減らした為に感覚が狂って調子が出なかったのかもしれんな。よし、次からはいつもと同じ分の時間にするとしよう」
どうやら彼は補習についての反省会をしているようなのだが、側から聞いていると補習よりも鍛錬の方を重視しているように聞こえるのは果たして気の所為か。
だが残念ながらここにその事について突っ込む人間は居なかった。
居ない為にどこかズレた思考のまま青年は曲がり角を曲がり、
「お兄さん、お兄さん」
背後から声を掛けられて立ち止まった。
青年が振り向けばそのすぐ後ろ。たった今曲がったばかり、先程まで誰も居なかったはずの場所に魔女のような格好をした女性が立っていた。
気配も音もなく現れた女性。しかも目深に被った帽子により目元は覆い隠されていて見えるのは鼻から下、口元のみ。
そんな怪しさ満点の女性に青年は怪訝そうな表情を浮かべる。
それもそうだろう。格好だけでも充分に怪しいのにこんな人通りが少ない夜道でわざわざ声を掛けてくるのだから疑って当然で──
「む、俺の事を呼んでいるのか?だが俺は『オニイサン』という名前ではないぞ。竜禅寺炎刃だ」
──どうやら青年、竜禅寺炎刃(りゅうぜんじえんじん)と名乗った彼が怪訝そうにしていたのは自身に対する呼び掛けだったようだ。
しかしこの青年知らない相手に名を名乗るなど一体何を考えているのだろうか。
補習に呼ばれるだけあって頭の方はそこまで良くないのかもしれない。
「……そう。それでお兄さん、ちょっと独り言を聞いてしまったのだけど。あなた勉強が苦手みたいね?食べれば頭が良くなる飴は如何かしら」
そんなややズレた、しかし真剣そのもの、真面目な顔をして返す青年に女性は一瞬「面倒なやつに声を掛けてしまった」と言いたげな顔をしたが、すぐに表情を取り繕うとニコリと笑顔を浮かべて手にしていた籠から一つカラフルな包みを取り出した。
この女性、今時こんな怪しいシチュエーションで『食べると頭が良くなる』なんて謳い文句で食いつく客がいると本気で思っているのだろうか。
普通は即通報されるか逃げられて終わりである。
だが炎刃は先程名前を名乗った事からもわかる通り、とんでもなく危機感が薄かった。或いは天然なのか。
怪しい部分しか見つからない女性を1ミリも疑う素振りも見せず、話を聞いた瞬間にパッと表情を明るくさせて食い付いた。
「なんと!そんなものがあるのか!む、だがすまない、俺は今金を持っていなかった」
「うふふ、大丈夫よ。これは試作品なの。タダで皆に配っているから心配ないわ」
試作品だのタダだの怪しさに怪しさを重ねていくスタイル。
だがこの青年性善説でも信じているのか、人の好意を微塵も疑わなかった。
これほどまでに怪し過ぎる女性を前にしてもである。
「そうか!なら有り難く頂くとしよう!」
「毎度あり。試してみて良かったらまた来て頂戴ね」
そのまま何の躊躇もなく女性が差し出したカラフルな包みに入った飴を受け取ると、女性に別れを告げて炎刃は去って行った。
「……あれって素なのかしら。騙しやすくて助かるけど」
残った女性がそんな呟きを零したことには気づかないまま。
「……それでホイホイ信じて貰ってきたってワケ?このバカ!どう考えたって怪しいでしょうが!!」
「む、だがとても親切な人だったぞ。それに最近はハロウィンが近いから格好をとしても不自然ではないのではないか?」
その次の日の休日。
知り合いと共にショッピングモールに来ていた炎刃はその知り合い、一つ上の女性の先輩より叱られていた。
叱られていることが解せないのか納得出来ぬ、と隠す事もせず顔に出したまま。
ハロウィン一色になっているモールの風景を見てそういえば、と昨晩あった事を思い出し話しただけなのに何故自分は怒られているのだろうか?
そんな炎刃の思考を読み取ったのか、先輩……霧条院哀莉(むじょういんあいり)は額に手を当てると深く大きなため息を吐いた。
「はぁ……もういいわ。これ以上アンタに説教しても私が疲れるだけだし」
「疲れているのか?どこかで休むか?」
「疲れさせたのはアンタなんだけどね?……それで、その貰ったっていう飴はどうしたの?まさか食べたりなんてことは」
炎刃の気遣い自体は嬉しいのだろう、呆れながらも多少は機嫌が戻ったらしい。
優しく問い掛けてくる彼女に炎刃は笑って返した。
ついでにポケットに手を突っ込んだかと思えば出て来るのは昨日のカラフルな包みである。
「うむ、昨日は補習で疲れていたからな!ポケットに入れたままだぞ!ほらここに入れて持って来ている!」
「今すぐ捨てなさい!」
勿論叱られた。当たり前である。
「何でだ!?」
「何でもよ!!そんな怪しいもの持ち歩くんじゃないの!」
貰ったその場で食べなかった事だけは褒めてもいいが、怪しい相手から怪しいシチュエーションで怪しい貰った物を平然と持ち歩いている事が信じられない。
それでもし、何かあったらどうするつもりなのか。
そんな哀莉の気持ちなど露知らず、捨てろと言われた炎刃は不満げであった。
折角貰ったのに捨てろなんて。
飴を食べて本当に頭が良くなるとは流石の炎刃も思ってはいない……筈だが、女性が親切心でくれたものを捨てる気にはなれないのだろう。
自分が騙されている可能性など一切考えずに。
多分このまま捨てる捨てないの問答を繰り返した所で炎刃は捨てない。なら余計な事をしない内、自分が見ている間に取り上げてしまおうか。
哀莉がそう考えたのに気付いたのか、単に言い争いの下を無くしてしまおうと考えたのか。
飴の包みを開けると哀莉が止める間もなく口の中へと放り込んでしまった。
バリバリ、ごくん。
噛み砕かれた飴は飲み込まれて彼の胃の中へと落ちていった。
「あーーーーーーーーーー!ちょっ、こら!出しなさい!今なら間に合うから!!」
「んー!」
「やだ、じゃない!バカなの!?私散々怪しいから辞めなさいって言ったわよね!?」
どうにか飴を出せないか。
顔を引き攣らせながらがくがく、と炎刃を揺するがこの青年頑なに口を閉ざしている。
飲み込んでしまったからもう早くも消化が開始されているのかもしれない。
哀莉は深く深くため息を吐くと炎刃から手を離し、その場に膝をつく。
「む?別に何も起こらんぞ?」
「すぐ効果が出るものばかりじゃないでしょ。っていうかアンタの言葉を信じるなら『頭が良くなる』効果があるんだから、実感出来るものでもないんじゃない?」
「そうなのか?」
「そうよ。まさか本当に食べるなんて……全くもう、何考えているのよ。何があっても知らないわよ……」
バカだとは思っていたけどここまでバカだと思わなかった。
そう言いたげな表情で頭を抱える哀莉。
そんな彼女の周りを炎刃はぐるぐると回りながら大丈夫か、頭が痛いのか。やはりどこかで休むかと声を掛けていた。
空気が読めないのか気遣いが出来るのかよくわからない青年であるが、彼女を心配している事は確かなのだろう。
声を掛けられていた哀莉の方はというと、暫く頭を抱えていたが気持ちを切り替える事にしたのか服についた埃を払いながら立ち上がった。
「はぁ……まあいいわ、予想外のトラブルがあったけど今日は約束通り買い物付き合ってもらうから」
「む?だが俺は服のことなど分からんぞ」
「何言ってるのよ、私の服じゃなくてアンタの服よ。アンタいっつも同じ服ばかりじゃない。偶には違う服着なさい」
ほら良いの選んであげるから。
そう言って哀莉が入っていったのは高校生にはちょっとお高いブランド、店名に横文字が並んでるようなブティックであった。
金ないぞ、と思わず呟く炎刃だったがいいから来なさいという有無を言わさぬ口調で言い返され、渋々中へと足を踏み入れる。
中はとても広く、派手ではないがお洒落な雰囲気を醸し出しておりどう考えても不良のような出立ちの炎刃が入る場所ではないのだが、哀莉はさっさと奥へと向かってしまった為について行かざるを得なかった。
ちなみに哀莉の方はというと腰まである淡い金……オフゴールドの髪を緩く三つ編みにして左肩から垂らし。白のブラウスの上からキャラメルアッシュのストールを羽織り、ダークブラウンのロングスカートにダークレッドのヒールの高い靴といった格好で違和感なく店に馴染んでいた。所作も優雅だ。
恐らく最初からここに来るつもりだったのだろう。
炎刃の方は哀莉の服装を見た時、なんかよそ行きの格好してるなくらいの反応だったが。
まあ普段から彼女がお洒落をしているのを見ているのでそんなものである。
あとは普段着からして炎刃の普段着と値段が倍以上違うという事くらいか。
あまりにも格好が違い過ぎる2人を見てすれ違った店員が「美女と野獣…?」と呟いていたが正解だ。野獣の方はおバカか天然疑惑があるが。
一方美女呼びされた方の哀莉はというと炎刃が辿り着く頃には既に何着かの服を選んでいた。
「遅いわよ。ほら、これに着替えて」
「金がないから買えんぞ」
「今日は私が買うから良いの。さっさとする」
そのままぐいぐいと背中を押され、試着室に入り押し付けられた服に袖を通す。
ブランド店の服だから多分良い生地なのだろうが落ち着かない。
兎も角着替えない事には解放してもらえないだろう事はわかっていた為、着替え終えて顔を出す。
「どう?……て、聞くまでもなく不満そうね」
「堅苦しくて落ち着かん」
「そういうものよ。あなたは普段着ないから慣れてないのでしょうけど」
そのまま哀莉が選んだ服を炎刃が着て。着心地が良くないとか、なんか違うとか言い合いながら試着を繰り返す事数十回。
炎刃の顔に疲労が浮かび始めたのを見て、やれやれと哀莉は肩をすくめた。
正直まだまだ選び足りないがこれで臍を曲げられて次から逃げられても困るし、と小さく息を吐いて。
「次で最後にするからもう少し頑張って。終わったらご飯にしましょう。何が良い?」
「肉!」
「はいはい」
目を輝かせて叫ぶ炎刃に哀莉はわかってると言いたげに苦笑しつつ服を選びに行った。
ついでに今まで選んだ服もきちんと元に戻して片付ける事も忘れない。
その様子を炎刃は近くの椅子に腰を掛けながらぼんやりと眺めていた。
「しかしアイツも暇だな。わざわざ休みの日に俺の服を選びに行くなんて」
ただの先輩が休日を使って異性の後輩の服を選ぶはずがないのだが、この炎刃という青年は危機感が薄ければ勘も鈍いらしい。
今回の哀莉の行動についてもまあ普段一緒に居る友人が変な格好していたら嫌だよな、くらいに思っていた。
鈍すぎである。
だが退屈で苦痛でしかない時間もこれでおしまいだ。
次の試着さえ終えれば昼ご飯が食べられると気分を上昇させていると。
「む?」
何だか身体が熱い事に気がついた。
今はもう残暑も過ぎ去って、寒さが近付く秋であるというのに汗を掻きそうなくらい熱かった。
店員が店の暖房を付けたのか、もしくは風邪を引いたのか。
生まれてこの方風邪など引いた事がない健康体なので多分前者かもしれない。
随分と気の早い店員もいるものだと思っていると服を選び終えたらしい哀莉が振り向き、こちらに向けて軽く手を振るのが見えた。近付いて来る彼女にこちらを手を振り返して。
直後爆発音が鳴り響いた。
強い衝撃で建物全体が揺れて立っていられなくなる。
じりじりと燃えるように身体が熱く、節々が傷みを訴える。何かぶつかったのかもしれない。
店の外からはパニックに陥った人々の怒号に悲鳴が絶え間なく聞こえ、天井から下げられていたお洒落な照明はガラス部分が割れて落ちてしまっていた。
棚は倒れて仕舞われていた衣服は散乱して床に散らばる。
身体に起こる異変も更に酷くなっていく。もしかしたらガラスで怪我をしたか、傾いた棚がぶつかったのだろうか。
近くにいた哀莉は怪我をしていないか。無事でいるのか。
彼女の方へ目をやった途端、音を立てて崩れていく瓦礫となった天井や壁が見えた。
しゃがみ込む哀莉の頭上に迫る大きな瓦礫。
「ッ哀莉!」
気付いた時には身体が動いていた。
間に合う筈がないのに。間に合ったとしてもただの人間である炎刃に瓦礫をどうこう出来る力はない。
2人纏めて押し潰されて終わりだ。
そんな事、炎刃だってわかっている筈だ。
それでも彼は走った。
口煩いしすぐに怒るし、興味のない服の購入には付き合わされる。
不満を挙げればキリがない。
けれど──笑う彼女の事が脳裏に浮かんで消えない。
いつも一緒に居る彼女が死ぬのは嫌だ。
あの笑顔が見られなくなるのは嫌だ。
守りたい、彼女を。
当たり前のように隣に居てくれる大切な人を。
身体が熱い。じりじりと焼けるようだ。
節々が痛い。まるで成長痛のように。
踏み出した緑色の足は一回りも二回りも大きく太く、重みで床に亀裂が走った。
視界に入った髪は長く白く染まっていた。
いつの間にか右手には白い棍棒が握られており、自身に降り掛かる瓦礫はそれで弾いた。
手を伸ばせば触れる距離に哀莉がいる。
今にも彼女押し潰そうと迫る瓦礫に対して腕を突き出して。
「覇王拳!!!!!!!」
瓦礫は粉砕されて千々の欠片となって周辺へと落ち、顔を上げた哀莉と目が合う。
宝石のように美しい青い瞳の中には白髪に緑色の肌をした鬼が映っていた。
哀莉が口を開く。
「えんじ、」
彼女の唇が彼の名前を最後まで紡ぎ終えるより早く、炎刃の足下が崩れた。
──爆発により脆くなっていた床が重みに耐えきれなくなって崩壊したのだ。
「炎刃ーーーーーーッッ!!!!」
哀莉の悲鳴を聞きながら炎刃は大きく陥没した穴の中へと落ちて行った。
大切な人を助けられた事に深い安堵の息を吐きながら。
謎の爆発事故が起き、続け様に起こった衝撃により一部エリアが倒壊したショッピングモールは安全の為に暫く閉鎖することとなったらしい。
らしい、というのは噂で聞いただけで実際に確認した訳ではないからだ。
何故かって?
「まっっっっったく!アンタは!!本当に無茶するんだから!!!」
病院のとある一室でお説教が繰り広げられていた。
説教をしているのはベッド脇の椅子に腰を掛け、慣れない手つきで林檎の皮を剥いている哀莉でそれに反論しているのは全身包帯まみれの炎刃である。
そう。
炎刃は入院していた。
あの落下の後、下のフロアで瓦礫の上に倒れて気絶していた所を誰かが呼んだらしい救助隊が到着して救助されたのである。
勿論上に居た哀莉も一緒に。
「大体何で瓦礫が落ちてきてるの見えてて突っ込んでくるのよ、危ないのわかってたでしょう?」
「大丈夫だ、なんか行ける気がしたからな!」
「気がするだけでどうにか出来る訳ないでしょこのおバカ!!」
「むっバカと言った方がバカなん……むぐぐぅ」
反論しようと口を開いた炎刃の口に皮を剥く前と比べ、随分と痩せ細った林檎を突っ込んで黙らせると哀莉はため息を吐く。
「……それだけ騒げる元気があるなら近い内に退院出来そうね」
「むぐ、ぐぐぐ……」
「食べながら喋らないの。……ねぇ、一つ気になったんだけど。アンタあの時、なんか髪の色とか肌の色とか変わってなかった?今はもう元に戻っちゃってるけど」
「うん?そうだったのか?よく覚えてないな!」
「何で自分の事なのに覚えてないのよ……」
「知らん。覚えてないものは覚えてないんだから仕方ないだろ?」
哀莉の話によれば、あの時の炎刃は緑色の鬼のような姿になっていたのだという。
だが救助隊に救助された時にはいつもの炎刃に戻っていた。
……何故かパンツしか履いてなかったのでちょっとした騒ぎになったりしたが。
まあ炎刃はその時の事はあまり覚えていないのだが。
「……必死だったからな」
「何か言った?」
「気の所為じゃないか?」
「そう?……ありがとね、助けてくれて」
「なんか言ったか?」
「何でもないわよ」
ただ助けたかった。目の前の人を。
そして助けられた。
だから今はそれだけで良いのだ。
ただこれからも当たり前の日常を2人で過ごす事ができる。
それで充分だから。
どうもちこさん、今回は思いつきのハロウィン企画にご参加いただいて本当にありがとうございます。ユキサーンです。
竜禅寺炎刃くん……すんげえ見覚えのある苗字のキャラだぁ……なんとも豪胆な性格はどの世界でも同じというわけですか。
そしてこちらでも黒幕なウィッチモン。ハロウィン企画では色々な人間が色々なデジモンにデジモン化しておりますが、これで大体3作品目ですね……ゴスゲでも黒幕やってたしマジでなんなんだこのウィッチモンフィーバー。
それはさておき、大切な人のピンチに覚醒する形のデジモン化は王道オブ王道なのでヨシ!! デジモン化の後パンツしか穿いてない顛末もヨシ!!(ぇー) これは仮にレオモンにデジモン化してたらズボンは残ってたけどグレイモンとかにデジモン化してたら素っ裸でしたね……ヨシ……。
デジモン化した場面が瞬間的なものだった所が少し残念でしたが、それはそれとしてシンプルに良きデジモン化作品でした。
それでは今回の感想はここまでにしたいと思います。重ね重ね、今回は企画へのご参加、本当にありがとうございました。
デジモン化難しいというのは実に同意な夏P(ナッピー)です。
ハロウィン(お菓子)かつデジモン化といえば妖しいお姉さんが現れて飴玉をくれる展開は定石なのか!? というわけで炎刃クンは全科目赤点なことより、注意されたら飴玉食っちゃう考えの方がヤバい! しかし一つ年上の女性の先輩とデート(?)できてると思えばそれも許せr…ゆ、許せん!
そんなわけでデジモン化の対象はオーガモン。名前的にミスティモンとかになるのかと思っていたのは内緒ですが、てっきり哀莉先輩にもデジモン化したことがバレてえらいことになるのかと思いきや無事に戻っていた!? 決意というかほぼ自己犠牲の精神で瓦礫に身を投げ出すシーンは「アカン、カッコいいがこれ元に戻れなくなる奴だ!?」と思っていましたが、実はパイカルを元に作ったアポトキシンの解毒剤ばりに時間制限(かつ効果一回)があったのか。これは貸しにしとくわよ、江戸川君?(CV林原めぐみ)
それではこの辺で感想とさせて頂きます。
・あとがき的なもの。
はい。という訳で書き上げました。ハロウィン企画のデジモン化小説です。
お菓子は飴です。ちょっとデジモン化要素が最後の方のみになってしまいましたがデジモン化小説です。
普段より長めなのは思いの外登場人物たちの掛け合いが盛り上がってしまったから。かな?
デジモン化してるけど最後戻ってるのは何でかって?
最初に魔女さんが言ってました。「試作品だからタダ」だと。試作品なら効果が出るまでに時間掛かったり、戻ったりしても仕方ないよね。多分今後出来上がる完成品は食べたら元に戻らないと思います。
或いは炎刃が哀莉を救うシーンがカメラ等に残っていて「変身ヒーローの如く姿を変え、ピンチを救った青年」としてメディアから大いに注目されてしまい、もしかしたらあの時貰った魔女さんの飴のお陰かも…?とぽろっと情報が漏れて捕まった魔女さんが近い将来「街を救う変身ヒーローの変身アイテム」として開発させられるようになり、新たなビジネスとして確立するのかもしれません。
魔女さんの目的が何にしろやりたかった事とはかけ離れた結果になるのは間違いないんじゃないですかね。
でもしょうがない。渡した人と状況が悪かった。
まさか危機的状況でヒーローみたいに変身してドラマチックに大切な人ピンチを救っちゃうとは思うまい。
炎刃にとっては大事な人を守れたからハッピーエンドです。魔女さんありがとう!
・今回の登場人物たち。
竜禅寺炎刃(りゅうぜんじえんじん)
主人公。
見るからに怪しい魔女さんを「まあハロウィン近いから居てもおかしくないやろ」で流した困った青年。おバカ或いは天然。
飴を食べていなければ大事な人は救えなかったしきっと自分も危なかった。哀莉の事は大切な人と思っているのかもしれない。ただ恋愛感情があるかは不明。
魔女さんには感謝の気持ちでいっぱい。
…え?どこかで聞いたことある名字?似た名前の親戚居ないかって?パラレルワールドという事でお願いします。
霧条院哀莉(むじょういんあいり)
炎刃の1つ上の先輩。女性。
よく炎刃に振り回されている。苦労人。
多分炎刃が好き。でも気付いて貰えてない。
ちょっとツンデレ拗らせてる。
魔女さん
今回の黒幕。
ハロウィンといえば魔女。つまりウィッチモン。
裏設定としては街で困ってる人を見つけては耳障りの良い言葉を囁き掛け、デジモンになる飴をばら撒いてる危ない黒幕でしたが炎刃に声を掛けたのが運の尽きなのかもしれない。
今回の影のMVP。あなた無くしてハッピーエンドにはならなかった。
今後大変な事になるかもしれないけど頑張って!
最後に企画を主催してくださったユキサーン様、この作品を読んで下さった皆様、全ての方に感謝を。