Episode1「EVOLUTION」
「さぁさぁ! 始まりました! 第十一回! デジモンバトルトーナメント!」
真緑の鬼の様な姿をした怪物・シャーマモンは棍棒の代わりにマイクを持ち、スーツ姿で周りの会場にいる怪物達の熱気を上げる。
「このトーナメントで、新たな最強のデジモンが決定するぅ!!!!! 優勝した暁には、チャンプ専用のスペシャルアイテムがプレゼントされ…そして!!!!!」
シャーマモンの気合いの入った声とともに、色とりどりの照明で輝くステージの中央に火花が飛び散る。
そして火花が収まった瞬間、ステージの中央からオレンジ色の体色をした二足歩行のトカゲ・アグモンが現れた。
そのアグモンは背中に白銀のマント、頭には白い帽子、そして首元にはゴーグルをぶら下げた如何にも派手な格好をしていた。
「第一回から第十回全てのトーナメントで優勝した伝説のチャンピオン! 【チャンプ・ゼン】への挑戦権が得られるぞおおおおおおおおお!!!!!」
ゼンと呼ばれたアグモンは、笑顔で会場の怪物に手を振った。
ここは仮想空間。VRの中だ。
デジタルモンスター、通称デジモンと呼ばれるこのVRゲームでは、プレイヤーはデジモンという怪物の姿となってこの世界を好きな様に冒険ができる。
VRという使用上、アバターとなるデジモンは二足歩行のものが主流だが、その制限の中でも様々なデザインのデジモンとそのデジモンを自分用にコーデが出来る機能が、多くの人々の心を魅了させていた。
そのデジモンの中には、アバターとしては使えないが故に自由なデザインをしたデジモン…所謂NPCデジモンもいるのだが、それはまた別の話である。
ーーーーーーー
「うわ〜ん! またハズレだ〜!」
沢山の本が囲まれた部屋で、毛皮を被ったツノの生えたデジモン・ガブモンは泣き喚いていた。
彼自身も自分好みのコーデが既にされており、丸いメガネをかけている。
このゲームでは、のんびり暮らすという遊び方の他に、前述のバトルトーナメントの様な戦いも体験できる。もちろん、ゲームなので安全性は保証されている。
NPCデジモンを狩ったり、他のプレイヤーと戦ったりできるのだが、そこで重要なのは自身のゲームセンスとアバターのステータス、そして武器となるアイテムだ。
このアイテムとやらが曲者で、自分で選んで買えるものもあれば、ガチャというランダム性の強いシステムで手に入れるものもある。
そして意地の悪いことに、ガチャで出てくるアイテムの方が、選んで買えるアイテムよりも性能が良かったりするのだ。
まぁ、それが当たればの話だが。
このメガネをかけたガブモン…アカウントネーム【ウルル】は、どうやらガチャで目当てのアイテムを手に入れようとしていた様だ。
しかし、結果はまぁ察しの通りである。
「くそぅ…もう時間も無いし、金も無い…。確率的に悪くないと思ったのにぃ…!」
ウルルは諦め、今まで手に入れた武器アイテムの表を眺める。
悪くないものもあるのだが、どうしても目当てのアイテムと比べると目劣りしてしまう。
「はぁ〜…まぁこれも激レアもんだし、無いよりマシか…」
そう言い、ウルルは一本の青いメカニカルな片手剣を呼び出し、それを掴んだ。
名前は【アビス・オブ・ヘヴン】。
アビスなのかヘヴンなのか一体どっちなんだと言いたくなる名前だが、この武器は攻撃力も大したもので、使用者のスピードを上げる等の特殊効果が付いている。
「………よし…。こうなりゃヤケだ!」
ウルルは武器を眺めてから一息付き、歩を進めた。
「武運を祈っているぞ」
途中、何か声が聞こえた気がしたが、ウルルは勘違いだと再び歩き始めたのだった。
ーーーーーーー
「皆さんおはようございます! そして、大変長らくお待たせしましたぁ〜!!!!」
司会のシャーマモンの張り切った声がマイクからスピーカーを通して流れる。
そしてそんな爆音をも物ともせず、観客の熱狂は上がっていた。
そしてその中央のステージに、ウルルは武器であるアビス・オブ・ヘヴンを持って立っている。
彼と向かい合って立っているのは、チャンピオンのゼンと同じアグモン…いや、そのブラック版のブラックアグモンだ。
短めの茶色いレザージャケットを羽織っているブラックアグモンの手には、赤黒い巨大な鎌が持たれている。
「それでは一回戦! ウルル選手とノヴィル選手の試合が開催されます!
ウルル選手のアバターはガブモン! 武器はアビス・オブ・ヘヴン! 素早さを上げるのがウリの先手必勝の激レア武器です!
対して【ノヴィル】選手のアバターはブラックアグモン! 武器は【デジサイズ・ブルーティグ】! リーチの長い上級者向けのこのアイテム! ノヴィル選手は扱い切れるのでしょうか!?
では………始めぇ!!!!」
シャーマモンの言葉と共に、試合開始の合図のラッパが鳴いた。
その直後に、ウルルは剣を構えて相手のノヴィルに迫る。
アビス・オブ・ヘヴンの効果で、ウルルの素早さは上がっている。
ノヴィルとは距離がまだ離れているが、このくらいならすぐに間合いに入り込める筈だ。
デジサイズ・ブルーティグの効果はウルルも知っている。戦いを長引かせては危険だ。
ウルルは先手必勝とばかりに、間合いに入った瞬間に剣を振る準備をしていた。
だが、その動きはノヴィルにも読まれていた。
ノヴィルは、アビス・オブ・ヘヴンよりも遥かにリーチが長いデジサイズ・ブルーティグをウルルに向けて振った。
ウルルはそれを避ける為に思わず後ろに跳び、せっかく縮めた距離を離してしまう。
「悪いけど、そう簡単に負ける訳にはいかねぇんだよ。こっちだって、本気でやってるんだからな」
「本気…か…。分かってるよ! 僕だって本気だ!」
ーーーーーーー
「ハントぉ?」
メガネをかけた高校一年生の男子生徒、【蝋山風流(ろうやま ふりゅう)】は読書を一旦中断してそう言った。
現在、風流の学校はお昼休みの最中で、風流は趣味の読書で時間を潰していた。
しかし、その途中で親友の【久住夜武史(くすみ やぶし)】からとある頼みをお願いされたのだ。
「そう! 今やってるイベント! 参加するだけでいいからさ!」
「いやでも…僕、そういうのした事ないんだけど…」
「それでも良いから! こう…ガーッとやろうぜぇ!? 大体、お前デジタルモンスターでいつも何やってんだよ!」
「本をバーッと読んでるよ」
「それ…普段とどう違うんだよ…」
親友の久住にそう言われたが、それは心外だ。
デジタルモンスター内では、現在はもう絶版された本すらも電子書籍として載っており、しかもその本を読む環境も自由にカスタムできる。
だから、大自然の森の中で一人で読書をするなんて事も可能なのだ。
「なぁ〜頼むよ〜。参加してくれるだけで良いんだ。今回のイベントさぁ、すっげぇアイテム貰えるんだよね。だからさ〜! 頼む!」
「全く……」
正直、風流はデジタルモンスターで行うハントなど興味が無いのだが、親友の頼みをそう無下には断れない。
まぁせっかくデジタルモンスターに登録しているのだから、少しぐらいそういう遊びもやってみるのもアリだろう。
「分かったよ。一回だけだからな?」
「ヤッホゥ! やっぱりそう言ってくれると思ったぜ! じゃあお前のアドレス後で送ってくれ! それでえっと…アカウントネームなんだっけ?」
「ウルル」
「だっせ」
「うっせぇ」
ーーーーーーー
「……ヤバいなぁ…これ…」
風流ことウルルは、自分のHPを確認する。
相手がほぼ無傷なのに対して、自分はもう既に3分の1は消耗してしまっている。
何とか相手に近づきたいが、何より相手の武器のリーチが長過ぎる。
そのせいで上手く近づけず、逆にこっちがダメージを受けてばかりだ。
このままでは勝負がつかない。
いや……
「確率的に…僕の負け…」
ウルルの脳内に「棄権」の二文字が浮かぶ。
最初は親友に頼まれて始めたハント。
そしてそれに意外にもハマり、遂には対人戦も始めた。
ウルルはデジタルモンスター歴と比べて、対人戦をやった回数は少ない。それこそ対人戦を始めて、まだ一年も経っていない。
そんなに経験も少ないのだ。
ならば、予選に勝ち抜いてトーナメントに出場できただけ、まだ良かったのではないだろうか。
…………
「……いや…まだだ…」
ウルルの剣を握る手の力が強くなる。
剣を構え、彼は目の前の敵を睨む。
「一度で良い…! 僕はゼンに一度でも挑戦してみたい! だから、このトーナメントに出たんだ!」
ウルルは真っ直ぐに相手のノヴィルに迫った。
ノヴィルは、慌てずに武器である大鎌を振る。
だが、それはウルルも予想していた。
ウルルは空かさずそれをしゃがんで避け、そのままノヴィルの前に立った。
そして勢いをそのままに、剣を振り下ろした。
「当たれぇ!」
しかしそれも、ノヴィルにとっても予想通りだった。
ノヴィルはウルルの剣が迫る少し先に、バックステップをしてそれを避けた。
そしてそのまま、ノヴィルは大鎌の柄をウルルに叩きつける。
「うわぁ!」
ウルルは叩き飛ばされ、ステージに倒れた。
「くっ…くそっ…」
ウルルは立ち上がり、再びノヴィルを睨む。
どうすれば勝てる?
何が足りない?
奴の弱点は?
色々と考えを巡らせるが、自身のステータスとアイテムでは、この相手に勝つことも最早不可能に近い。
やはり、棄権するしかないのか…?
「もっと…もっとすぐに距離を詰めれたら…!」
【スピードデータ・コンバージョン】
「……え?」
脳内に謎の声が響いたかと思うと、ウルルの体に何か不思議な感覚が届いた。
VRの筈なのに、何故か体に力が漲るのを感じる。
まさかと思い、ウルルはすぐに自分のステータスを開く。
するとなんと、自身の素早さのステータスが急激に上がっているのだ。
「な、なにが…」
ウルルが突然の事で困惑していると、ノヴィルが彼に接近してきた。
それに気付いた頃には、ノヴィルは既に大鎌を振ろうとしており、ウルルの素早さでは今避けても避けきれないものだった。
だがウルルは、それを理解しながらも本能でそれを避ける為に動く。
すると、鎌はウルルの腹をギリギリ掠めただけで避ける事に成功したのだ。
「「!?」」
お互い避けきれないと思っていたのか、ノヴィルだけでなくウルル自身も驚愕する。
「何で…避けきれた…? 本当に素早さが…」
ウルルには訳が分からなかったが、今はそんな事はどうでも良い。
これなら、もしかしたら…
「勝てる…勝てるかもしれない…!」
ーーーーーーー
「もっと…もっと…!」
【スピードデータ・コンバージョン】
「まだ…!」
【スピードデータ・コンバージョン】
「まだだぁ!」
【スピードデータ・コンバージョン】
素早さが増していくウルルに、ノヴィルは徐々に追い込まれていった。
そして既に、お互いのHPは30%を切っていた。
「何だよお前…! 何でいきなりそんな…!」
「さぁ? 僕も分かんないよ…。でも…これで…!」
ウルルは勝利を確信し、足に力を込める。
【ネクストステージ・マイグレーション】
「うっ!」
ウルルは突然苦しみだし、剣を落とした。
その異変に、ノヴィルは喫驚する。
「お、おい! どうした!」
「うっ…がっ…!」
「おい! しっかりしろ!」
ノヴィルの声はウルルには聞こえず苦しみ続ける。
そして遂に、ウルルの体から青い炎が放出されてウルル自身を包み込んだ。
【アナライズ・コンプリート】
「ガブモン…進化ァ…!」
【コンクルージョン・トゥ・エボリューション】
ウルルが苦しみながらそう言うと、彼が覆っていた毛皮が巨大化し始め、彼の体を包み込む。
そして「バキッ! ボキッ!」と生々しい音を立てながら、毛皮は姿を変え始めた。
青い炎が弾け飛んだ瞬間、毛皮は白地に青いラインが走った巨大な狼の姿へと変わっていて…
「ガルルモン…!」
ウルルは自身の今現在の姿のデジモン名を言い、ノヴィルに歯を見せて威嚇をした。
その姿は、まるで知性を持たない獣のそれであった。
ーーーーーーー
会場のデジモン達はウルルの姿が変わった事に驚愕していた。
だが、その変化した当人であるウルルは気にせず、そのままその四本の足でゆっくりと対戦相手のノヴィルへと近づく。
「ど、どうしたんだよ…。何かのバグか? 改造か? 大体、それVRでどう操作して…」
ノヴィルの言葉を無視して、ウルルは歩を進める。
その一歩によって、彼がガブモンのアバターだった頃にかけていたメガネが踏み潰されるが、ウルル自身は何も気にしていない様子だった。
「フォックスファイアー!」
「嘘だろ!?」
突然、ウルルは口内から青い炎を吐き出した。
予想外の攻撃に、ノヴィルは焦って横に転がってそれを避ける。
「な、何だよそれ! 炎吐くとか…どういう改造だ! ずりぃぞおい!」
「ズルい? 何のこと? デジタルワールドにそんな言葉は通用しない…」
「デジタルワールド? 何だそりゃ!? お前やっぱおかしいぞ!?」
一瞬、ウルルが喋れる事に安堵するノヴィルだったが、意味不明な言葉をさも当然の様に使っている。
やはり、普通ではない。
「おい運営! 何とかしろ! これ、ただ事じゃねぇぞ!」
ノヴィルはすぐに会場の何処かにいる運営に呼びかけるが、何の反応も返ってこなかった。
そう言えば、司会をしていたシャーマモンは何処に…?
「よそ見をしてる場合?」
ノヴィルが不信感を抱いていると、ウルルは前足で彼を叩き飛ばした。
ノヴィルは武器を手から離しながら壁にぶつかり、そのまま倒れてしまう。
「うっ…がっ…! 何だこれ…いてぇ…! 超いてぇ…!」
VRでただのゲームの筈なのに、ノヴィルの体には激痛が走った。
負けてしまっても良い。ノヴィルはすぐにVRゴーグルを外そうとするが、何処に手を伸ばしてもゴーグルに触れることは無かった。
「ゴーグルが…無い…! ど、どうなってんだよ…さっきから…!」
ノヴィルは混乱するが、前を見るとウルルが口に炎を溜めてゆっくり近づいて来ていた。
さっきから訳の分からない事が起きすぎてる。
だが、一つだけハッキリしてる事がある。
やらなきゃ、やられる。
「だったら…! 負けられるかぁ…!」
【ソウルデータ・コンバージョン】
「は?」
頭に響いた声に、ノヴィルは疑問を抱く。
「フォックスファイアー!」
だがウルルの攻撃が始まり、ノヴィルはその声の事を一旦忘れて避ける事に専念した。
そして炎を避けながら、ノヴィルは自身が手から離してしまった武器・デジサイズ・ブルーティグを見つめる。
「もう俺のHPも残り僅か……なら!」
ノヴィルは一瞬の隙を突き、デジサイズの方へ走りそれを掴む。
「ハッ! そんなガラクタ、一体何の役に立つんだよ!」
「……あぁ、そうかい」
ウルルの言葉にノヴィルはそう返し、デジサイズを持ってウルルをすれ違いに斬った。
だが、ウルルは斬られたにも関わらず、鼻で笑ってノヴィルの方へ振り返る。
「成長期の君が、成熟期の僕に勝てる訳ないだろう! 例えそんなガラクタ……」
突然、ウルルの動きが止まった。
そしてウルルの身体中にノイズが走る。
「な、何が…」
「……デジサイズ・ブルーティグの効果だ」
ノヴィルはそう言って、ウルルを見た。
「持ち主のHPが低ければ低いほど、この武器の攻撃力は上がる…!」
「な、なに…!?」
「お前は、それを知っていた筈だ…。だから、早く勝負を付けようとしていた…。なのに…それも忘れたのかよ…! 何なんだよ…その姿…!」
「知っていた…? 僕が…? 僕はそんなガラクタ…あれ…?」
ウルルのノイズは酷くなり、遂には横に倒れてしまった。
そして薄れゆく意識の中、彼は口を少しずつ動かしていく。
「僕は……誰…?」
最後にそう言い残し、ウルルの姿は完全に消滅。
その場には何故かタマゴの様な物体が一つ落ちただけだった。
【エクスペリエンスポイント・ゲイン】
再び声が響いた途端、今この場には不釣り合いな祝福のファンファーレが鳴り響いた。
「いやぁ〜白熱したバトル、ありがとうございました〜!」
ステージに現れたのは、さっきまで姿を見せなかったシャーマモンだった。
ノヴィルはすぐにそのシャーマモンの襟を掴む。
「てめぇ! 何処にいやがった! 何がどうなってんだよこれ! あいつは!? ウルルって奴は何処に行ったんだ!」
「まぁまぁ、そう焦らずに〜」
「ふざけんな! これゲームなんだよな!? おい! 何か言いやがれ!」
「あ〜もう分かりましたよ…。ゴホン…」
シャーマモンは一度咳払いをすると、今までの笑顔とは違う不気味な笑みを見せた。
「離せよ。クソ人間」
ノヴィルが「なに?」と言い返す直前に、二人の間に矢が飛んできた。
ノヴィルはそれに驚き、思わずシャーマモンから手を離す。
矢が飛んできた方向を見ると、そこにいたのは黒い装甲を纏い弓矢を持ったケンタウロス体型のデジモンだった。
「サジタリモンだ。トーナメントに棄権したり、私に反発なんかしたら、その時点であいつの矢が飛んでくる。よく覚えておきましょうね」
「………チッ…」
シャーマモンの脅しに、ノヴィルは舌打ちをするのが精一杯だった。
そんなノヴィルに満足したのか、シャーマモンは再び笑顔に戻る。
「さぁて! まだまだ始まったばかりですよトーナメントは! もうトーナメントに参加した方ももちろん、今この空間にログインしている者全て、ここから脱出できません! せめて、ここで楽しんじゃってくださーい! ヒャハハハハハ!」
シャーマモンの下品な笑い声が、ステージ中に響いた。
それをトーナメントの参加者や観戦者は顔を青白くして見ていた。
すぐに誰もがVRから出ようとするが、そもそもゴーグルが存在せず、ゴーグルに触れることすら叶わなかった。
そしてその光景を、モニター越しに見ているデジモンが一人。
「……無事に進化した個体を確認。殺されはしたが、まだそれで良い…」
そのデジモンはそう言い、モニターに映るトーナメント参加者達を次々と観察していく。
「さぁ争え。そして進化しろ。人を捨てて高みを目指すのだ。その先で…」
モニターを見つめるデジモンは一言で言うと、武士のロボットだった。
その威厳に満ちた武士ロボットの様なデジモンの名前はタクティモン。
「我が悲願が達成される。その為に、お前達に進化の力を与えてやったのだからな…」