#1推し
夜通しの棺の守りは、私にとって大層苦痛なものでありました。
死人を、それも血の繋がった者を悪し様に言うのは、人として褒められた事では無い、とは私も存じてはおります。ですが生前より私と姉は折り合いが悪く、また、通常とは異なる意味合いでも「変わり果てた姿」となった彼女の傍に、ただ1人。付き切りで居らねばならない私の心情は、他人様に推し量れるものではありますまい。
葬儀社の方がご厚意で貸して下さった座布団を並べて軽く身を横たえてはみるものの、棺が視界に収まれば気分が悪く、目を向けては背筋が寒く。何より使い古されてすっかり綿の弱ったこの敷物は、同じように薄い私の情を、嘲笑っているかのようでありました。
姉は亡くなりました。
姉は何の取り柄も無い女でした。要領が悪く、人の心が解らず、誰からも愛されず、誰も愛さない。かような女でありました。
そんな女でしたので、私は物心がついてからというもの、姉が誰かに叱られたり詰られたりしていない日というのを、見た事がございません。
姉はいつも、自分に辛く当たる者にへこへこと軽々しく頭を下げながら、しかしへどろのような淀みで瞳の奥を濁らせて、世界をねめつけておりました。
だからと言って、努力だとか、そういう、自分を磨くような真似をする手合いでもありませんでしたので、姉はずっと変わらず凡庸なまま、ただ言われた事だけをこなす(最も、こういう女なので、十全に役割を果たせる事はまれでありましたが)ようにして、人生を無為に使い潰したのでありました。
哀れな女だとは思っておりました。しかし両親や祖父母の愛情を姉の分まで注がれる私を、それらを得るための私の日々の励みについて一考すらする事も無く、浅ましくもただただ妬んでいる風なこの女を、私は終ぞ、好きになる事などありませんでした。
結局のところ、姉もまた、そんな世界に未練など欠片も無かったのでしょう。
数か月前。辛うじて健康だけが取り柄であった筈の姉が珍しく不調を訴えたかと思えば、医者にかかった時には既に手遅れであったのでした。
最期までこちらの期待を裏切るように、宣告された余命より少しだけ長く生きて。
皆がそれぞれの用で家を空けている間に、姉は1人、病室で息を引き取りました。
定職には付かず、祖父母の世話を担っていた姉には同僚など居らず。当然友人と呼べる者も皆無であったため、葬儀は所謂家族葬、と、誰が言い出すでもなく、そう決まりました。
しかし父が形式にはこだわる質であったため、こうして式場だけはお借りして、通夜の儀礼を取り行っている次第なのであります。
とはいえ年老いた両親に寝ずの番を任せるような神経の持ち主だと、ここにきて、それも姉のせいで思われたくはありませんでしたので、こうして私は1人、姉の亡骸の傍らで、夜が更けるのを今か今かと待ちわびているのでした。
そうして、ようやく。夜中の2時を超えた頃だったでしょうか。
不意に、ちりん、ちりん。と。
二重扉となっているこの葬儀場の、こちら側から見て手前の扉のすぐ傍に備え付けられたハンドベルが、静かな夜の空気を割るかのように、鳴り響いたのです。
草木も眠る丑三つ時。
幼い時分に、止せばいいのに開いた怪談話が脳裏を過って、更に場所も場所とあってぶるりと全身を震わせてはしまいましたが、しかしこれは来客の知らせ。様子を見に来た親族や、話を聞きつけたお節介な近隣住民、ひょっとすると葬儀社の方をいう可能性も否めず、私は腰を上げて、一度親族用の控室を後にするのでした。
姉から離れる口実、という意味では、この際幽霊でも良かったのかもしれません。
鐘の音がした際には肝を冷やしましたが、私の足取りは、思いの外軽かったように思います。
とはいえ鍵を落とした硝子張りの内扉の先に、その男の姿を見止めた私は大層困惑し、思わず歩みさえ止めてしまったのですが。
「どちら様でしょうか」
私はやっとの思いで声を振り絞りました。
知らない男でした。
齢は、両親よりは若く見えましたが、それでも私や、そして姉よりもずっと上のように見えました。
特別整った顔立ちという訳では無いのですが、佇まいには奇妙な程に品があり、彫りの深い、はっきりとした目鼻立ちには、何か惹かれるものを感じずにはいらせません。
何より男の瞳は電灯の下でさえ鮮烈な赤みを帯びていて、日本人とは思えないような長身痩躯からも推察するに、きっと、異国の血が混じっているのでしょう。
そんな人物が、時間以前に、何故このような場所に。姉の遺体を横たえているような場にやって来るのかに、私はとても思い及ぶ事が出来ずにいたのです。
「生前の故人に、世話になった者です」
硝子越しにも、男の声はよく通りました。
「このような時間に、不躾だとは存じています。ですが、少々……住まい、が、離れておりまして。今宵でなければ都合がつかず、これでも飛んで参ったのです。お疲れのところに、ご無礼をお許しください。故人のお顔を拝むだけでも、どうかお許し願えませんか」
「それは、遠方からわざわざ、ご足労ありがとうございます」
戸惑い全てを拭い取ることは出来ませんでしたが、どこか訴えかけるような調子の男の弁は確かに真摯なものであり、閉鎖的な田舎で育った者とは明らかに異なる品の良さもあって、慣れない葬送儀礼に疲弊した遺族を狙う悪党の類であるとは到底思えず、私はとうとう、扉を開く事に決めたのです。
「どうぞお入りになって下さい」
「ご厚意に深く感謝を。失礼いたします」
式場に足を踏み入れた男を、私は遺体安置所も兼ねている控室へとお招きしました。
男は喪服に袖を通し、黒い革靴を履いておりましたが、靴下だけは、遺族一同で纏めた供花の中にある黄色の百合よりも、さらに派手な檸檬色で、私はいくら品が有るとはいっても、姉の知人はやはり、常識を欠いているのだなと、そんな嫌な安堵を覚えずにはいられないのでした。
「失礼ですが」
私は男が姉の棺の前に膝を付いたのを見計らって、彼に声をかけました。
「姉とは、どのようなご関係で?」
私の問いに、男は少しだけ悩むような仕草を見せた後、
「この方は、私の恩人です」
「恩人」
「ええ」
はにかむように、どことなく曖昧な、それでいて穏やかな表情を浮かべるのでした。
「慣れない地で1人彷徨っていた私を、気味悪がったりせずに、この方は助けて下さったのです。それからも、様々な事を教えていただきました。こちらでの常識に、振る舞い方。それから、娯楽の類まで。思い返せば、枚挙にいとまがありません。恩師、と。そう言い換えても良いかもしれませんね」
「あの、姉が」
にわかには信じられない話でした。
親族にさえ愛想の無い女だと陰口を叩かれていたあの姉が、見ず知らずの他人、それも異国の者らしい異性に、親切に、だなんて。
しかし、男が嘘を言っているようには見えません。そも、嘘を吐く理由が無いのです。こんな夜更けに、こんな女の通夜に、わざわざ足を運んでまで嘘を吐く理由など。
私は面白くありませんでした。
「お顔を拝見しても?」
寄せた眉を前髪で誤魔化すように畳の目に向けて視線を落としていた私は、男の言葉にふと我に返りました。
男は棺の前に膝を付いて、棺の蓋の、閉じられた両開きの小窓を覗き込んでいます。
「蓋を外しましょう。少しお待ちを」
私は立ち上がって、小窓を開けるではなく、棺桶の蓋を外しました。
姉の顔は白い布で覆われていて、そちらについては私が外すでなく、手を差し出して、姉を恩師と仰ぐ男の意思に委ねたのでした。
男は棺で覆い隠してなお秘匿されたままの姉の顔に、少々怪訝そうな表情を浮かべはしたものの、元よりそのために訪れたのですから、最後には、打ち覆いの両端を細い指でつまみあげて、姉の顔を電灯の下に曝したのでありました。
私は姉の顔などもう二度と拝みたくは無かったのですが、男が僅かに息を呑む音を聞いた時、胸の奥が少しばかり、すうと軽くなるのを感じたのです。
姉は、美しい女ではありませんでした。
だからと言って、醜い顔をしていた訳ではありません。
至って平凡な、強いて言うなら、他人様と顔を合わせる用がほとんど無いのを理由に手入れを怠りがちだった肌や髪の荒れがやや目立つ、その程度の見苦しさこそありはしたものの、彼女が忌み嫌われた理由が容姿にあったとは私は思ってはおりません。
ただ、死を境に。姉は1日も経たぬ内に、その顔立ちを恐ろしいものへと変えてしまったのです。
「九相観、というのを御存知でしょうか」
私は姉の顔を見下ろして言葉を失っている男に問いかけました。
「私も昨日、葬儀社の方に教えていただいたばかりなのですが。仏教において、人の肉体の無常さを説くための教えで、亡くなった方の肉体がどのように変貌していくのかを、9つの段階に分けて考えるものだそうですよ」
人の身体も、腐り始めると、ガスが発生するのだそうです。
特に内部は傷むのが早く、それによって、顔や体が、風船のように膨らんでしまうのだと。私はそのように続けました。
なにせ、丁度。姉がそうであるのですから。
こと現代においては、火葬の時までご遺体がそうならないよう、葬儀社の方々が最善を尽くして下さる訳なのですが、例えば内臓に病気を抱えていると、専門の方々の知識や技術を以ってしても、変貌を食い止められない事があるのだと、この葬儀場の責任者の方が、申し訳なさそうに説明して下さいました。
ですが、私は。
善からぬ考えである事は、重々理解しております。理解した上で、このように思うのです。
思わずには、居られなかったのです。
「姉はきっと、地獄に落ちたのでしょう」
私はこの時ようやく、ずっと喉元までせり上がっていたその言葉を、見ず知らずの男に向けて吐き捨てました。
「あなた様の知る姉がどのような女であったか、私は存じ上げません。しかし私の知る姉は、そのような女でした。誰の役にも立たず、死んでからでさえ私達に不快な思いをさせ、祖父母やこの後老い衰えて行く両親の世話という、与えられた役割さえ全うしきれなかったこの盆暗に、極楽浄土への道など用意されておりましょうか」
私は呆気に取られているらしい男が何も言い返さないのを良い事に、まくし立てるように続けるのでした。
綻んだ唇の端が、もはや言葉を留める力を有していない事は、自分が一番理解しておりました。
「そうでなければ、かように人相が歪む筈などありません。生前は隠しているつもりであった姉の人となりが、ようやく浮いて出てきたのでしょう。これは極悪人の顔でございます。その昔、この女は白い幽霊を見ただの、稚拙な嘘を平気で吐くような女でありました。ここで命絶えなければ、きっとこの女は、それより酷い、我が家の末代までの恥となる程の罪を犯していたに違いありません」
だから、きっと。
姉は、地獄に落ちたのです。
そう、畳みかけ、言い終えるまで。
男は見開いた眼で、じいっと私を見つめておりました。
良い気味だと思いました。
恩師とまで慕っていた女が、血を分けた身内にまでかような言われようである様を見て、それこそ目の覚めるような思いであった事でしょう。
私は自らの行いを、善行と信じて疑いませんでした。
姉が善き人であると考える輩がこの世に存在している事自体が、間違いなのでございます。
私はこの、世間知らずという意味でも浮世離れした男の認識を正してやったのだと、ふんと鼻で息を吐いて
「彼女は、地獄へ落ちたのですか」
そんな折、男がすくと身を持ち上げたのでした。
「はい、きっと」
私はすぐさま肯定の言葉を返し、しかし次の瞬間には、今度は私が、ぎょっと目を見開く羽目になったのです。
男は胸元で組まれた姉の手(こちらも、大層に膨らんでおります)に、そっと自身の長い指を重ねたのです。
口元には、まるで慈しむかのような笑みを携えながら。
「嗚呼、優しい人。愛しい人。貴女は最期まで、私との約束を守って下さったのですね」
それだけであれば、私も顔をしかめる程度で済ませられたでしょう。
解らぬ方だと、所詮姉を慕うような奇人であると心の内で片付けて、そろそろお引き取り願えますかとお声がけする事も出来たでしょう。
そう、出来なかったのは。
男の姿に訪れた変貌は、姉の身に起きたものよりも、ずっと、もっと、凄まじいものであったからに他なりません。
男は身を持ち上げたのではなかったのです。
背丈が伸びていたのでした。
元より上背のある方だと思っておりましたが、もはや常人のそれではございません。いつの間にやら筒のように整えられた、山吹色と橙の色でグラデーションを描く特徴的な頭髪を除いても、2mはある大男でございます。
それだけではありません。男の装束は真っ黒な喪服から、赤い燕尾服や若葉色のバルーンパンツを始めとした極彩色へと移り変わり、更にこれらの衣装には金の釦や刺繍、華やかなフリル、飾り布といった装飾が、これでもかとあしらわれていたのです。
男は如何なる花束よりも、鮮烈でありました。
ただ唯一、気付けば男の顔の上半分に被さっていた仮面だけが、この場が死者を弔う場であると思い出させる鯨幕のような白黒で。白面の側に描かれた赤いハートの印でさえ、亡骸の胸から取り上げたかのような趣が漂っているのでした。
道化師。
あの煌びやかなサーカスの天幕でさえ観客の目をひとところへと惹きつける、人であって、人でない者。
男を言い表すのに、他に如何様な言葉がありましょうか。
私とて、例外では無く。
目を、離さずにはいられませんでした。
男はあまりにも恐ろしく、そして――
「こちらはもう不要ですね」
不意にそう言って、道化師は片手でつまんでいた白布を投げ捨てると、胸元から同じように白いながら、光沢のあるハンカチーフを取り出しました。
すると、道化師はそれを、今度は姉に向けてふわりと、被せるようにして落としたのです。
ハンカチーフは瞬く間に広がり、姉の全身を覆いました。
それから数秒の後、道化師によって、ハンカチーフは棺から取り上げられました。
否、取り上げたのは、ハンカチーフばかりではありません。男の手の平の上。絹の光沢から小さな、愛らしい、という意味での丸い顔が覗いたのです。
それは、人形でありました。
黒髪に、白装束。丸い目玉と半円の口といった、簡素な作りの人形でありました。
ここまで簡略化されてしまえば、もはやあの悍ましい風体さえ関係ございません。
記号を組み合わせただけの顔であるというのに。それは確かに、姉の顔をしておりました。
代わりにあの、変わり果てた姉の冷たい骸は、棺の中に、影も形も残されておらず。
「さあ、参りましょう。この地獄の道化師と。死神を経る程に、私はずっと、この日を待ち侘びておりました」
途端、道化師がその場から跳ねました。
先の巻いた靴で音も立てずに畳を蹴って、その場から消えた道化師と、そして姉が外に出たのを私に知らせたのは、あの二重扉がばたんと閉じる音のみでした。
私は靴も履かずに式場を飛び出しました。
「待って!」
道化師の姿は既にはるか遠く、しかしか細い月明りの下でさえよく映えておりました。
「お待ちになって!」
そして道化師が、私の呼びかけに振り返る事は、終ぞございませんでした。
人でなしの道化師となった男はあまりにも恐ろしく――同時にこの世の者とは思えない程、怪しげな美しさを湛えておりました。
嗚呼、何故。何故姉が。姉ごときが!
何故私では無く、姉に手に入れられなかったもの全てをこの手に納めてきた私では無く、姉が! ここにきて、これまで私が手に入れたもの全てを寄せ集めたところで、まるで足元にも及ばない程素晴らしい施しを受けているというのか!
最期の最後で! 死体の分際で!!
あまりの理不尽が胸の内を燃やし、掻き毟り、私はその姿が見えなくなってなお、道化師の消えた方角へと走り続けました。
しかしその内に気力も体力も尽き果て、その場に倒れ込んだのでありました。
アスファルトを蹴り続けた代償に靴下は擦り切れ、足の裏には血が滲んでいるのでしょう。突き刺さった小石が今更のようにじくじくと痛み、私を余計に惨めにさせるのです。
私は縋りつくように伸ばした手が何にも届かない事を察して、拳を何度も地面に叩き付けるのでした。
そうして裂けた小指の端を見て、流れた血があの方の瞳や唇と同じ色をしていたものですから、私はもう、道化師を想って、狂ったように笑う他に無かったのです。
これが、姉のお骨が遺されていない理由。私の見た全てでございます。
おかしいでしょう。どうかあなたも、嗤って下さいまし。
おしまい
拝見しました。
さらわれ願望はありませんのであしからず!
文学調だなとは思っていましたが、やはり意識して書かれていましたか!
あと、ホラー要素も感じました。
ピエモンの不気味な雰囲気はまさにこのお話にマッチしていたと思います。
主人公の「私」はお姉さんに対してどういった感情をもっていたのでしょうかね・・・
「姉に手に入れられなかったもの全てをこの手に納めてきた」
とあるように、姉に対して劣等感なのか対抗心なのか、
すごく嫉妬をたぎらせる描写が、人間って怖いなぁ・・・と強く印象に残りました。
ダラダラ申し上げるのもみっともないのですが、
短編ながら読んでいて、いろんな感情があふれてきました。
小並感ではありますが、実に面白かったでっす!
快晴さん自身が発起人である『推し活1万弱』のお話ということですが、
「デジモン世にも奇妙なXXX」みたいな枠でも通用しそうですね。
本当に稚拙な戯言すみません。
ピエモンの魅力は、快晴さんがあとがきで十二分に語っていただいているので、
私が何か申し上げるのは野暮というものでしょう。
これにて失礼いたしまする~。(逃走)
あとがき
人間誰しも一度はピエモンにさらわれたいと思うものじゃないですか。思うでしょう。思いなさい(圧)。
はい、という訳で、『地獄の道化』を読んで下さり、誠にありがとうございます。
多分こちらが、おそれながらデジモン創作サロンに設置させていただいた常設企画『推し活1万弱』の見本用トップバッター小説になっているのではないかと思われます。
読んで下さった方はもっと見本らしい話を書けと思われたのではないでしょうか。ぼくは思いました。反省はしていますが後悔はしていない快晴です。
今回は1万字以内の短編ということで、エセ純文学風に仕上げてみたのですが、いかがでしたでしょうか。
語り部の「姉」の遺体に起きた異変は九相観で言うところの1番目、「脹相」にあたるのですが、悪しきネットミームが「どけ!!! 俺はお兄ちゃんだぞ!!!」と叫んで止まなかったので、作中で明言はしませんでした。九相観、というか九相図について知りたい方は、まあまあ、いや大分閲覧注意の画像が出てくるから自己責任で調べるんだぞ!
……この手の話はタブー視と言いますか、不快になる方もいらっしゃるかもしれませんが、知っているのと知らないのとでは、いざ親族に同じ事が起きた際に出来る心の準備が違うので、あえて取り扱わせてもらいました。
誰にでも起こり得る事です。このお話の語り部みたいな事、絶対言っちゃダメですからね。
さて、そろそろ推しの話をば。
こちらのお話に登場させた私の最推しデジモンは、ウィルス種究極体魔人型デジモン・ピエモンでございます。
無印40話に登場した時に一目惚れしたのがきっかけなので、一応推し歴は約23年になりますでしょうか。……え、嘘。そんなに経ってるの?
ピエモン、マジでよくないですか。ピエモンに出会うまで私の中のピエロというと、上記の40話で奇しくもピエモン自身が変装していたような、白塗りメイクに丸い赤鼻、だぼだぼの服を着た野暮ったいイメージだったのですが、ピエモンって無茶苦茶スタイリッシュでかっこよくて鮮やかで、それでいて不気味で恐ろしい雰囲気もあって……と、なんか、こう……すごいじゃないですか(語彙貧)。
間違い無く幼き日の快晴の性癖をひん曲げた存在の1つなので、この令和になってもデジモン小説という形を取りながら推し続けられている事に感謝するばかりです。っていうか今年に入って無茶苦茶供給されたせいでただでさえ限界だった快晴が限界晴状態なので公式はちょっと加減して下さい。いややっぱりピエール・ドリームサーカスグッズ出してください公式さん(強欲)。
ちなみにこのお話に登場した個体の進化ルートはバケモン→ファントモン→ピエモンです。定まらない事に定評があるピエモンの進化前の中では、割合スタンダードな部類なのではないでしょうか。バイタルブレスにはルート不採用でしたが……。
語り部の姉と出会ったのはバケモンの頃。偶然デジタルワールドがらリアルワールドに迷い込んでしまった彼が見た彼女は、とても親切で優しく、ただ、少し寂しそうな女性だったようです。
まあ、これ以上は語ると野暮にしかならなそうなので、裏話はほどほどにしておきましょう。
改めて、ここまで『地獄の道化』を読んで下さり、本当にありがとうございました。
私も推しの短編を作るぞ~! と思って下さった方は、是非是非 #1推し タグをご活用下さい。有用かは現段階では判断しかねますが、とりあえず快晴が咽び泣きながら喜びます。
企画概要の方はこちら となっておりますので、よろしければ是非是非……。
私の突飛な思い付きが、少しでもデジモン創作サロンと、そのご利用者の方々の時間に彩りを添えられたとしたら、幸いです。