
そこは、熱帯地域の密林を思わせる緑豊かな公園だ。所々スピーカーやライトなどの人工物が混じっているが。
今は、そこにて人も人ならざるデジモンも寝静まっているはずの真夜中。だが、突如鳴り響いた鈍く大きな足音と獲物を狙う猛獣のうめき声、そしてその異常事態に伴う警報によって静寂は破られた。作業服を着た男性たちと複数の赤い大きなクワガタムシ―クワガーモンが、声のする方向に駆けていった。見た方向には、黒い肉食恐竜が辺りを見回しながら低くうなりつつ、また少し歩み始めた姿があった。
「くそっ、今日で何回目だよ?!」男性の一人が毒づく。「クロスケ、いい加減にしろ!そこには誰もいないぞ!!」クワガーモンをけしかけて持ち場に戻そうとする。
「うるさい、俺にはわかるんだ・・・怪しい、ヤツの気配が」クワガーモンが2体掛かりでダークティラノモンを抑えても力負けしてしまい、吹き飛ばされてしまった。
「いくら何でもお前最近おかしいぞ?!」
「だまれ、これは、俺の大事な家族のためだ・・・」辺りを見渡すダークティラノモン。ややあって元の道に帰ろうと踵(きびす)を反した。
それでもやはり、暴君竜は気が気でなかった。
デジモン・ザ・トゥモロー
「デジモン保護区へようこそ」
タイシは母から大目玉を喰らった。
その日、1度ならず2度までもデジモン絡みのトラブルに遭い、着信履歴を調べたら父・悟との密約が発覚、おまけに他人も巻き込んでしまった、というので母・玲子はタイシのデジモンを保健所送りにして処分してもらいたい、と言ってのけてしまった。しかもタイシの分の夕食は抜き、スマホも財布もザックログも没収されてしまった。
もはやタイシには何も考える力も湧かず、自室で惰眠(だみん)に就こうとしていた。彼の心も頭もズタボロだった。
その時、久しぶりに生で聞いた声がした。「ただいま~」
―父さん!!
タイシは跳び起きた。𠮟責直後の虚脱感がウソのように。
「ひどいな母さん・・・いくら何でもタイシにあそこまでするわけないじゃないの」
「考えてよ、デジモンに関わったらどうなるか分かんないし・・・」
「そういうあんただって金目当てで俺と結婚したって聞いたけど?『デジモン企業で働く俺』と」
ぐうの音も出なかった玲子。
「またケンカぁ?」タイシの自室で妹・ヒロエが兄に問う。
「全くどうしてこんな夫婦の間に産まれちゃったんだろ・・・まあオレはデジモンを知られただけいいけどさ」
「あたしもデジモンほしいよ~」
「だな」
その後しばらく夫婦の口喧嘩は続いた。そんな中、
「たださ、デジモンと暮らすにはしっかり責任を持って扱えよ。何せデジタル『モンスター』だからな」
「オッケ」
夫婦喧嘩のあと、両親はタイシの部屋に来た。ワンワンのこれからの去就(きょしゅう)を考えることになり、予定通りに日曜日にC番街のデジモン保護区に体験居住させることとなった。タイシは少し申し訳なさそうに、
「ごめんなさい、結局バレちゃって」
「気にするな、生き物を簡単に捨てるなんて道の外れたことが出来ないのは自然なことだ」
「あたしも行ける?」
「勿論さ」
歓喜するヒロエを悟は優しく見守っていた。ため息をつく玲子。
日曜日の朝。
「家の手伝いをしてくれたのはありがたいけど、今日でもうお別れだからね」
「ひでーなレイねーちゃん、そんなキレイな顔なのに台無しじゃんかよ」
「うるさい・・・」玲子はワンワンをどうしても追い出したかった。
都営バスに乗ると、道中高層ビルが並び立ち、間に新緑の街路樹が生えたり小さな電機店やアニメグッズ店があったりする風景が見えた。道行く人は大抵等身大のデジモン共に行動したり、そうでなくともザックログを携えたりしていた。ここはC番街、千代田区にできた新たな都市だ。そしてその一角に、「DIGIT公認 デジモン保護区 C番街支部」のドームがある。
入場手続きを終え、十和田一家は保護区内に入っていった。
そこは、見渡す限りの緑豊かな大草原と密林が広がっていた。とてもドーム内の環境とは思えない程、広く大きな空間である。そこには、恐竜、爬虫類、昆虫、哺乳類、鳥類、植物など、様々なデジモンが共存と対立をしながら暮らしている。
ここは、最新技術を駆使して局所に空間を拡張した、模擬デジタルワールドである。
「すっごい・・・こんなたくさんのデジモン!」ヒロエは興奮した。
「そう、ここは都内有数の大規模デジモン保護区だからね」悟はにこやかだ。
「・・・で、もう用はさっさと片付けてよね、タイシ、早く」
「はいはい・・・(つめたいなぁ・・・)」
玲子に促されてタイシはワンワンを実体化させる。ワンワンは背伸びした。すると横から、
「いらっしゃいませ~トロピカミートはいかがですか~?」
「今なら1個半額の75ビットですぞ~」
緑のパラサウロロフスと切り株のお化けがバナナ色の骨付き肉を販売している。
「おお~トロピカミート!!肉の質感と甘酸っぱい汁がゼツミョーなんだよな~」
「ダメです」
「何でぇ~?イジワル~」
「もうこれ以上お金は払えません」
ワンワンは玲子に突っぱねられてしょげる。
「まあ母さん・・・オレのザックログにお金入ってるから気にしないで。すみません、それ、5つ下さい」
「まいど~!!」
「やった~!!」
喜ぶワンワンだったが、次の瞬間自分の尻尾に熱いものを感じた。急いで吹き消す。
振り返ると、黒いトカゲが馬鹿笑いしていた。
「こぉ~のぉ~!!待ててめぇ!!」
黒いアグモンを追いかけるワンワンのあとに続く十和田家。玲子はイラついている。
小馬鹿にした態度で振り向きながら逃げる黒トカゲは大草原から密林に入っていこうとしたが、赤い恐竜にぶつかってにらまれ、たじろいだ。
「こらカゲゾウ!!!」
ティラノモンの怒声に縮こまり、カゲゾウはつままれて連れていかれた。
そこは蒸し暑い密林の入り口だった。
「いた、いたぞ・・・ってあれ?」ワンワンは首を傾げた。タイシ達も着いた。
「見つかったかワンワン?ん?あなたは・・・」
「いやはや、うちのバカ息子がすみませんでした」やや高い声でティラノモンが謝る。
「おいカゲゾウ、イタズラしちゃいけないんだぞ!」
「にいちゃんやかあちゃんのいうこときくんだぞ!!」
黄色いアグモン2匹(うち1匹は手に赤いベルトを着けている)が黒いアグモンを諭す。
「だって、とうちゃんあそんでくれないし、かあちゃんこわいし・・・」
タイシとヒロエは何か思うものがあったようだ。一方ワンワンは、
「まったく、ひとに火をつけるなんてイタズラどころじゃねぇだろ!!」
「解ってる、ただ・・・お話いいですか?」
タイシはティラノモンに目を配った。
デジモンは元々、肉体の死亡直前にデジコア(電脳核)含んだデジタマ(卵)を遺して生殖するので、男女の性別や、ましてや家族という概念はないはずである。だが多様な種のデジモンが一堂に会する機会が増えたうえ、共存を目指す対象の人類を模倣する動きが活発になり、彼らにも模擬的とはいえ「家族」が出来るようになってきた。
「そういえば『デジモンと人間の絆!』ってよく関連商品のキャッチコピーにありますけど、考えればその延長線上ですね」
「まあ私は『母ちゃん』と呼ばれて随分と経つよ。ちなみに私の名はレッカ。あのチビども―キイチ、アカジロウ、カゲゾウ・・・色々ゴタゴタしてるけど、あいつらは赤んぼの頃から大切な奴らだ」
「『母ちゃん』?・・・ちょっとすみませんが、『旦那さん』は?」
「いるよ。ダークティラノモンのクロスケ。見た目はちと怖くて威圧的だけど、とても家族思いさ。ただ・・・」
「・・・なんだよ?」タイシとレッカの間に割って入るワンワン。
「お前さん、気を付けな。見たことのないデジモンだな。最近旦那が夜な夜な気が立っててそこら中うろついてるんだわ。もしかしたら最近うわさに聞く新種ってのをよく聞くけど・・・」
「オレだってのかよ?!」
「違うかもしれないけど、油断すんなよ」
レッカとの会話がひと段落すると、アグモン3兄弟がタイシとワンワンを遊びに誘ってきた。かくれんぼか、鬼ごっこか、あるいは本格的にバトルか・・・。
だがその様子を玲子が心配そうに見つめる。ふと赤い竜が目をやる。
「ゆううつそうですね」
「まったく・・・デジモンに関わらなきゃどんなに平和で済んだか」
「子供が心配なのは、デジモンも人間も同じでしょう」
「いや、産んで後悔しちゃったことが多々あるけど。若気の至りで・・・」
「そりゃあ、子供がわずらわしい、色々失敗したなんて思うのはしょっちゅうですよ。でも、それ以上に、あいつらや旦那といる楽しさの方が、大きいかなぁ」
「う~ん・・・なんかあたし、事なかれ主義で、子供達のこと、全然考えもしなかったのかも」
玲子は今までの自分を、少しずつ顧みている風だった。
「グーググルルルル・・・・・」
突然、うなり声と共に、大きな足音を鳴らし、ダークティラノモンが帰ってきた。
「とうちゃ~ん!」カゲゾウは嬉しそうだが、それをワンワンが制止する。
「待て!こいつ、様子がおかしい・・・」
しばらくワンワンの方をにらんだ黒竜クロスケは、少し引き下がり、
「お前・・・じゃない?」
「え”?!」ワンワンは驚愕した。
「俺が気がかりなのは、もっと、まがまがしい、邪悪な気配・・・」
ワンワンとタイシは困惑しながら目を合わせた。
すると保護区内に警報が鳴り響き、音声放送が流れた。
「侵入者発見!侵入者発見!一体のカブテリモンが、何らかの手段で不法侵入した模様!!」
カブテリモンは基本、野性的で生存以外の事には興味がない昆虫デジモンだが、その個体は何故か怪しげな点があった。
「ヤツが来る!!」クロスケは臭いを頼りにカブテリモンを探しに行った。
それを追いかけるタイシ達。
「お前達はここで母ちゃんと待ってろよ!!」レッカは子供達を見張ることにした。
そのカブテリモンは、異常なほどに凶暴だった。すでに区内のクワガーモンを何体も食い殺し、今度はモノクロモンに襲い掛かってきた。職員達は火炎デジモン、メラモン部隊を従え、カードをログで読み取り、攻撃命令を出した。
「撃て!ファイアダーツ!!」
火炎弾が巨大カブトムシに連続で当たる。ひるんだ彼は、そのままメラモン部隊に戦闘機のごとく突進してきた。隊列が崩れた。
その後ろにはクロスケとタイシ達がいた。
「見つけたぞ・・・やはりお前だったのか!!」
「デジモン、くう。わが、しめい。おまえら、えもの・・・」
―食う?使命?今そんなこと言ったよな?
困惑するタイシをよそに、カブトのバケモノはワンワンに襲いかかってきた。
「危ない!」
クロスケは巨大な尻尾で怪物をなぎ払った。だが相手の頭部の角は相当な硬さと刃のごとく鋭さを誇るため、彼も傷を負ってしまった。
「おっさん、逃げろ!あいつはオレを狙ってる!」
「悪いがうちを滅茶苦茶に壊したあいつを許せなくてな、俺はまだ戦うぞ」
「考えてるこたぁいっしょだな!!」
獣の子と恐竜の大黒柱が魔虫に突撃する。
―ここは・・・どこだ?
いまは・・・いつだろう?
とあるデジモンがどこかを漂っている。恐らくそこは、どこにも属さない、いわば次元のはざまだろう。だが―
―この感覚、もしかして・・・
巨大な勇ましい竜は声のする方向へ意識を集中した・・・
なるべく広い場所にカブテリモンを挑発しながら誘導するワンワン。
「おめぇの相手はこのオレだぁ!つかまえらえるんならやってみな、バーカバーカ!!」
巨虫は彼を捕食しようとした。だがタイシの指示でよけられ、口から地面に突っ込んでしまった。タイシはクロスケにも攻撃を促す。
「うおおおぉぉ!」クロスケはカブテリモンの脇腹をひっかく。大きくひるんだ隙にれんぞくして関節部にたたみかける。そして、
「羽根をつかめ、ワンワン!」
「わかった!」ワンワンは羽根にしがみつき、電流を流した。
うめき声をあげて苦しむカブテリモン。
「とどめだ!プチクラッシャー!」
「ファイアーブラスト!」
燃え上がる巨虫。だが、様子が変である。
「おおお・・・われ、しなず、きさまら、けすまで・・・」
カブテリモンの傷が回復したかと思うと、突然、筋肉部が盛り上がり・・・
「な、なんじゃこりゃ、そんなバカな・・・
・・・カブテリモンが、巨大化しただとォ~?!」
そこには、先程よりも3~4倍はある巨躯の魔物がいた。そして一呼吸するや否や、口から巨大な火球を放った。吹き飛ばされる2体。
「ワンワン!クロスケさん!」
「俺は・・・大丈夫だ。そっちは?」
「・・・ああ、なんとかな。でも今のはカブテリモンの技じゃねぇ」
「そんな気がしたが・・・まさか?」
「そのまさかかもしれねぇ。さっきのは『メガブラスター』じゃなく、
『ヴォルケーノストライク』だ・・・」
「くっ・・・すでに結構やられてるな・・・。あいつを許さん、徹底的に―」
クロスケが起き上がろうとした瞬間、カブトのバケモノに抑え込まれた。彼の肩にかぶりつく。
「おっさん!くっそぉ・・・サンダースクラッチ!!」
ワンワンがカブテリモンの関節をひっかいてもほとんどダメージが無かった。
「こいつ、たくさんデジモン食ってやがった・・・オレにはわかる」
もがき苦しみ抵抗するクロスケに容赦なくバケモノは食いつく。すると・・・
「あれは・・・カゲゾウ?なんでこんなところに?」タイシは脂汗をかいている。
「とうちゃ~ん!!このヤロー!とうちゃんをはなせー!!」口から放火するカゲゾウ。だがほとんど無傷で、子供には目もくれない強敵。
「バカ、何やってんだ!!」何度も突撃しては弾かれるワンワンが焦る。
「だって、オレのだいじな、だいじなとうちゃんがぁぁぁ~!!!」
カゲゾウが泣き叫ぶ。
ワンワンの怒りは限界を突破し―
「おい!!狙いはこのオレなんだろ?!食うならオレにしろ!!」カブテリモンに怒鳴りつける。
「ワンワン、何言って―」
「わりぃがこうするしかねぇ!タイシ、すまねぇ、オレのせいで・・・」
「何言ってんだよ?!俺達パートナーじゃ・・・」
「このまんまじゃ二人とも犬死にだぞ!!はやく逃げろ!!」
タイシは唇をかんで、ゆっくり黙ってうつむくしかなかった。程なくしてパートナーを背に、歩み始めた。
―ワンワンはオレを守るために・・・なのか、でも・・・せっかく会えた「パートナー」なのに、こうするしか・・・なかったのかよ・・・
業火の中、ゆっくりと血色に染まる青空・・・そしてそれは、暗雲の色となっていった・・・。
「そこまでだ!」
暗雲から勇ましい声がしたかと思うと、そこからまばゆい光の裂け目が生じ、地上の巨虫目掛けて何者がそれをなぎ倒した。
「あんたは・・・」茫然とするクロスケ。
「おまえなんだな、あのデジタマからかえったのは」
「え、ウソ、ウソでしょ・・・」
ワンワンが見たのは、ギガノトサウルスのような恐竜体型、だが頭部は暗褐色の殻で覆われ、鼻先とこめかみのあたりに鋭い角が生えているデジモンだ。しかも、ワンワンの事をしっているらしい・・・。
―ということは・・・
「オレの・・・父さん?!」
そう、彼はあの黄金の竜人、ウォーグレイモンの原種、
恐竜デジモンの、グレイモンだ。
「説明は後だ。今はこいつを・・・立てるか?」
「ああ・・・子供達を守るためなら!」
二体の恐竜と一体の獣の子が、巨大な怪物に立ち向かう。
角で襲いかかるカブテリモン、だがグレイモンは低姿勢でよけ、鼻の角でアッパーカットを食らわせる。吹き飛んだところをワンワンとクロスケの電撃火炎連携。凄まじい閃光が走る。付けた傷は想像以上に深く、スパークによる相乗効果で大ダメージを与えられた。
今度は空中から2本の左腕で殴りかかってきたが、グレイモンが大口でそれにかぶりつく。これもまた痛い。じたばたするカブテリモンの右わきががら空きだ。
「クロスケさん、上の右わき!今だ!」
伸びた上右腕目掛けて重い爪のパンチ。連続で殴り、裂く。その間に、
「いくぞ、ワンワン!」
「サンダースクラッチ!」
獣の全力の一撃が稲妻と共に巨虫に走り、巨虫は絶叫した。
3人がそこを離れると、カブテリモンはぐったりと倒れた。
「とうちゃ~ん!」カゲゾウがクロスケに駆け寄る。
「ばかやろう・・・こんな所にくるんじゃないよ。まあ、無事でよかった」
そんな2人をよそに、タイシとワンワンがグレイモンから話を聞く。
「このウォーグレイモン、あなただったんですね?」
「そうだ。ボクは『ハジメ』、このデジモンザックログの元持ち主さ、そして・・・」
「これといっしょに落ちてきたのがオレで・・・となると、やっぱり父さん・・・」
「まあ、デジモンには元々家族の概念はないけどね。でも、デジモンもだんだん変わりつつある、よく言われる『絆』の形も・・・」
「絆・・・」
「おまえに、そしてそのパートナーにどんなことがあっても、ボクはいつもおまえ達のことを想っているよ」
だが、タイシには疑問がまだ残っていた。
「ハジメさん、でしたっけ?さっき、あの黒い雲の裂け目から来たのを見たんですが・・・
・・・あなたは、一体・・・?」
「そうだ、言っておかなければならないことがある。ボク達は、時空を超えた使命を帯びてこの時代にやって来た。そう、『ウィノウス』の敵対種の討伐と、さらなる新種の守護を」
「やっぱりあいつ、ワンワンが目的だったのか・・・」
「ワンワン?その子のこと?」
「ああ、ダウモンって種らしいです」
「『らしい』じゃなく、そうなんだよ!」
(Digimon And Unlimited-Monsterか・・・聞いた通り・・・)
「なんか言った?『父さん』?」
「い、いや、何でも・・・(ボクが父親か・・・^_^;)」
ワンワンはハジメを父と見なしたようだ。
だが、雑談をしている余裕も長くは続かなかった。程なくしてカブテリモンがゾンビのように起き上がり、驚愕する5人。
そして、その身体から赤い甲虫、白い骨、青白い毛で覆われた脚、鋭い眼、飛竜や天使の羽、悪魔の鉤爪が生え、そして、胴体はグレイモンのように筋肉質になった。
「・・・合成魔獣、キメラモン・・・」
ハジメは戦慄し、あることを思い出した・・・。
―IO計画・・・。
カブテリモンがキメラモンに進化して絶体絶命のタイシ達。
そんな絶望的な状況の中、デジモン達が、そしてワンワンが覚醒する!!
デジモン達の絆の力で、キメラモンを倒せ!!
デジモン・ザ・トゥモロー
「オレ達の父さん」
明日をつくるのは、自分だけだから。