この世界には2つの世界が隣り合っている。
一つは私達が暮らす物質世界、『現実世界(リアルワールド)』。
そしてもう一つはデジモンと呼ばれる生き物が暮らす世界『電脳世界(デジタルワールド)』。
しかし私達人間はデジタルワールドを認識することは決してない。2つの世界は隣り合ってはいるが交わることなどなかったからだ。
しかし現在バーチャル空間が当たり前となった時代、その境目は曖昧になってきたのであった。
ここは株式会社『ユグドラシル』が運営する電子空間『アヴァロン』。
様々なネットワークに繋がり仕事やショッピング、娯楽施設などの様々な機能が搭載されており世界中の人々が使用している。
沢山の人々が使用する電子空間『アヴァロン』。しかしとある空間だけ立入禁止の区画がある。
それは『エリア0』。ハッカーやクラッカー達のたまり場であり、彼らは『デジタルモンスター』と言われるウイルスを使い、違法行為やハッキング行為などをしている。
そう、どんなに運営警備を強化しようともそのような輩は決して減らない。
そして今日、『エリア0』にて武装した警備員達があるものを追っていた。
エリア0 空中
???「ッ!………」
武装警備員「総員!発砲を許可する!!決してやつを逃がすな!!!」
一斉銃撃音
???「!?……グッ!!」
右腕を撃たれるも逃げるのを決して止めない。
???「ッ!!!!」
ハッキングを駆使し空中に浮いている足場を崩壊される。そして数名の武装警備員を負傷させることに成功。
武装警備員「クソっ!!まだ抵抗する力があるのか!負傷した者は今すぐログアウトし再度ログインしろ、決してやつを逃がすな!“アレ”を奪われたまま逃がすわけには行かない!撃て!撃て!!!」
バンッ バンバンッ!!!
息を切らしながらも電子空間を飛び回り弾を避けて逃げる。決して“コレ”を彼らに今一度奪われてはいけない。“人間”の手に渡してはいけない、決して‥
そう考えてたのを束の間、いつの間にか彼らの仲間に回り込まれてしまっていた。
???「ッ!!!」
武装警備員「やっと追い詰めたぞ。さぁ、命が惜しければ今すぐ我々から奪った物を返してもらおうか」
???『これはお前達人間が扱える代物ではない、貴様らに奪われるくらいならば!!!』
男でも女でもない、まるで様々な声が混じり合ったような声で話した者は彼等から取り返した物を取り出した。それはまるでメモリーチップのようなものだった。それを自身の胸の前に取り出し‥‥
武装警備員「貴様何を!?」
???『我が身と一つにするまで!!!!』
勢いよく自身に埋め込んだ。
そして目も眩むような眩い光が一帯を包みこんだ。
そして光が収まりゆっくりと目を開ける武装警備員。
武装警備員「!!‥消えた?」
つい先程までいた“デジモン”の姿は跡形もなく消えていた。