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デジタルワールドに迫る『ソレ』の魔の手。
奴は『ゴッドキラーモン』、そう呼ばれた。
デジタルワールドは瞬く間に制圧された。
広大な世界の八割方が奴等の手中となった。
……全てがドス黒く塗りつぶされた。
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あるデジモンが『ソレ』から逃げていた。
ソレは、体が禍々しい黒い塊となっていた。
『…追い付かれる……ッ』
その時、背後に現実世界へのゲートが展開され……
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[■■ルグ■■モ■ リアライズ]
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現実世界……フリーターの青年、ユウタロウ
クマ獣人、男。高卒の17歳。
彼がいつも通りバイトに向かっていると、
突然、世界的な電波障害が発生した。
その後は…時計は回り狂い世界各地で停電、
電話も何もかもが全く繋がらない。
終いには、機器の甚大なショートによる
大事故も起きてしまったらしい。
『暇だ………』
彼は自宅でゴロゴロしていた。
停電により、バイト先も機能停止していた。
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その生活が続いていたある日、噂話で
『機械仕掛けのドラゴン』について聞いた。
そういう話は大好きだった。
停電生活の中、少し心が弾んだ。
ある日、食料の買い足しに出かけた時…
近所のスーパーが激しく崩壊していた。
曰く『まるで怪獣に壊されるみたいに
崩れていった』と聞いた。
『機械仕掛けのドラゴンの噂は、
ソレが正体なのではないか?』
噂話は、より活発になった。
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ドラゴンが悪者になっているのに、
ユウタロウは不満だった。
隣町のスーパーまで歩いて来たその時…
そのスーパーが、聞いた通りに崩れ始めた。
逃げ切れずに潰される…恐る恐る目を開くと…
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_彼女は『機械仕掛けのドラゴン』だった。
そう言い表すのが相応しい容姿だった。
「キミ!!大丈夫!?」_語り掛けてきた。
『うわぁ!!喋った!?』_思わず口にする。
『喋るよー!とりあえず、早く逃げてッ!』
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ユウタロウは、無我夢中で逃げた。
何故だ。分からない。あり得ない!
心の中で言い聞かせるのは無駄であった。
彼は、自分が臆病でヘタレ、腰抜けであると
理解していた。しかし、自身が同じくらい
お人好しなのも大方理解していた。
いても経ってもいられなくなった。
__再び、事件現場に向かった。
現場に着くと…なんとなく見えた。
半透明な…多眼の…バケモノ……?
_その付近では、ボロボロな小さな生物が
傷だらけでぐったりとしていた。
ユウタロウはなんとなく状況を理解した。
『ッ…ダァァァァァァッッッ!!!!!』
大声で叫び、バケモノの気を引いた。
『今のうちに…!!!』_声を張り上げる。
彼女…アグモンはハッと意識を取り戻した。
「ッ…ありがと…ッ!!」
_彼女は嬉しそうに叫ぶ。
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彼女は立ち上がり、気合を溜めるような
動作をして…青白く光り輝き始めた。
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「アグモン!ワープ進化ァァ!!!!」
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「………メタルグレイモンッッッ!!!!」
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彼女は、逃げているユウタロウに今にも
飛びかからんとしていたソレを引き剥がし
豪快に投げ飛ばした。
バケモノは、派手に瓦礫の山に突っ込んだ。
怒り狂ったバケモノの鋭いツメが、
彼女の右腕を深く抉り取る。
「グァッッ………!?!?」
苦しそうに、彼女は唸る。
「…キミ、少しだけ手伝ってくれる…ッ?」
彼女は、ユウタロウにある機械を渡した。
「それは[デジヴァイス・∞]。
オレの力を極限まで引き出せる…らしい。
トモダチが作ってくれたんだ……!」
自慢げに話すメタルグレイモン。
「右上のボタンを押して、
オレに換装指令を出して!」
_言われるがままに押してみる。
『換装指令!ライトアーム!!!』_叫んだ。
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「メタルグレイモン!!アルタラウスモードッ!!!」
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彼女の右腕は瞬く間に…
電磁砲のような兵器となった。
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「ポジトロン……キャノンッッッ!!!!!」
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まばゆい閃光が周囲を包んだ、次の瞬間…
バケモノは跡形も無く消え…そこには、
タマゴ……デジタマがあった。
デジタマは、次の瞬間に元の世界に転送された。
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「……ふぅ………なんとかなった…!!」
ありがとう!と元気良く礼をする彼女。
ユウタロウは、何もかもよく分からず
混乱していたが、どこか達成感もあった。
「…いてて…」_抉れた右腕をさする彼女。
『……あ、少し待っててくれます…!?』
ユウタロウは手元にあったスカーフと
黒布を取り出し、彼女の傷を隠した。
『これでよし…』_ようやく一息ついた。
「…これ…すっげーカッコイイ…!!!」
メタルグレイモンは目を輝かせる。
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「これさ、トモダチの証で良いかな…!?」
『…エッ!?』_彼は驚く。_彼女は続ける。
「すごい気に入ったし…とっても嬉しいから…」
無邪気に微笑むメタルグレイモン。
彼は、つられて微笑んでしまった。
「…あっ、名前!オレ、アルタ!キミは?」
『ユウタロウ…です…』_彼はボソリと答える。
「ユウタロウ…………ユウタロウ…………
ユウタロウ!!よろしくね、ユウタロウっ!!」
次の瞬間、アルタはその場に倒れる。
『……おなか…空いた…』_目を回している。
少し可笑しくなって、微笑みながら…
彼はアグモンになったアルタを抱えて
自分の家に足を進めた。
(To be continued)
初めまして、夏P(ナッピー)と申します。以後宜しくお願い致します。
ゴッドキラーモンというのが作中の元凶でしょうか。
何故か当初、伏字にされていた■■ルグ■■モ■を「果たして何者……?」と考えた時、メタルグレイモンを思い付けずメタルガルルモンじゃないな……メタルグルルモンか……などと考えてしまったのでした。
ユウタロウ君は17歳フリーター、いきなりクマ獣人って見た目なのかァーッ!
スーパー連続で破壊されちゃいましたが、アグモンが三人称“彼女”で口調も女性というのはなかなかに新鮮でした。というか、いきなりワープ進化で一気にメタルグレイモン(ここで上の伏字に気付いた)になったかと思えば、デジヴァイスで腕を換装というのもまた新鮮でした。メタルグレイモンの腕換装って他にあったかな……? クロスウォーズ版かな……?
最後のマフラーはベルゼブモンオマージュだと思いましたがどうでしょう。
そういえばユウタロウ君は『台詞』なのにアグモンは「台詞」なんですね。この違いは一体……?
それでは今回はこの辺りで感想とさせて頂きます。