◇
こんな言い伝えがある。
あの赤い花の向こう側に行ってはいけないよ。
あそこは生と死の境界線なんだ。
生きている者が踏み越えてはいけない。
死んだ者に連れて行かれてしまうからね。
誰が最初に言い出したのかもわからない迷信だ。
物心付いた時、僕は今にも崩れそうな廃墟の中にいた。
周囲を見回すと瓦礫の山。どこかの地下室で生まれ落ちたらしい僕は、数日をかけてその廃屋から這い出した。幼心と紫紺の巨躯、相反するそれら二つを持ってこの世に生を受けた僕だったが、やがて辿り着いた空の下、初めて見る太陽の光はあまりにも眩しくて溶けてしまいそうだった。
「あ……?」
ふと太陽を遮るように飛ぶ何かと目が合う。
一体のデジモンだった。脳内に最初から導入(インストール)されている知識を総動員してみたが、その鳥のような飛行機のようなデジモンが何者かは判然としなかった。恐らくは成長期だろう黄色い小柄な姿は言葉すら理解しない様子でこちらに目を向けて佇んでいたが、どういうわけか成熟期級の肉体で生まれた僕からすれば如何にも弱っちい奴にしか思えず、僕としてはすぐにその存在を忘れることにした。
グウと腹が鳴る。何せ生まれて数日、一切の食事を摂っていない。
改めて周囲を見回した。僕自身が這い出してきた廃ビルだけでなく、辺り一帯はボロボロに朽ち果てた建物が並ぶビル街だった。だが人っ子一人もといデジモン一匹いる様子はなく、周囲の建物の至る箇所に蔦や蔓が絡み付いておりビル街は半ばジャングルの様相を呈している。しかし数年やら数十年やらではこうはなるまい、まるで数百年か数千年は放置されたかのように文明の痕跡が自然に侵食されているようだった。
ここがデジタルワールドである以上、恐らくはメタルエンパイア。かつて最強の機械竜が支配したとされる都市部も兵どもが夢の跡、統治者を失えば容易く崩壊するということだろうか。
「ふむ」
空腹で腹を摩りながらビル街を歩く。チラホラと廃墟の影から顔を出す成長期デジモン達の視線を感じる。
数分でビル街は開けたが、そこは一面の花畑だった。見たことのない真っ赤な花が視界を埋め尽くすように咲いている。細長い緑の茎から反り返った艶やかな赤が辺り一面を染め上げる様は幻想的で、今し方歩いてきたビル街が別世界に思えるほど。どうやらビル街を東西南北から囲うように現生しているらしく、僕は暫し首をみっともなく左右に動かしてその景色を鑑賞してしまったのだ。
どれぐらいそうしていたか。ふと視界の端、ちょうどビル街と花畑の境界に何匹かのデジモンの群れが見えた。
「ドーベルモンだ」
一目でそうわかる。ビル街の窪みに溜まった雨を求めてやってきたのだろうか。
僕の行動は素早かった。ビルの影に体を隠しながらゆっくりと距離を詰める。標的は四匹いるが狙いは一匹で構わない、適正距離まで詰め寄ると両足を蹴って大地から飛ぶ。彼らはギョッとして即座に逃げようとするが、一匹が僅かに逡巡した隙を見逃さずそれに狙いを定めて。
プチッと乾いた音が鳴る。僕の全体重をかけたのしかかりは、細身の猟犬を容易く押し潰した。
即座にデータの奔流と化していくドーベルモンの肉体を、ただ貪るように全身で食い散らす。その行為で空腹が満たされると同時に僕の下半身に変化が起き、やがて今倒したデジモンのそれへと変わる。今までの屈強ながら鈍重な両足とは相反する、俊敏さを兼ね備えた猟犬の足に。
赤々と鮮やかな血が僕の足元に広がっていくが、それは背後の花畑の美しさにはまるで見合わなかった。
【単発作品企画】ヒガンハナ【彼岸開き】
街外れ、一面に咲き誇る赤い花を眺めている。
この街で生を受けてから僕もまた弱肉強食の理の中に組み込まれている。成長期のデジモンからは恐れられ、成熟期のデジモンとは互いの命を狙って鎬を削る、そんな日々が続いていた。互いに食うか食われるか、単純なこの世界の道理だ。
そしてドーベルモンだけではない。僕は倒してきた多くのデジモン達の能力を手に入れていた。個人的なお気に入りは先日狩ったオーガモンの力だ。スカルグレイモンを倒した戦利品と噂される骨棍棒は非常に扱いやすく、僕の生活における狩りの道具としては大層重宝させてもらっている。
そしてそんな日々の中、時折街外れのここまで来て花畑を眺めることがある。
この花畑はどこまで続いているのだろう。僕が生きる廃墟街の外は全てこの赤い花に囲まれており、必然僕はこれより外を知らなかった。半径数キロの狭い世界、そこが僕の生きる世界の全てだった。
見ていると吸い込まれそうな一面の赤、朱、紅。
他のデジモンを仕留めた時に飛び散る鮮やかな血を思わせるそれを前に、何故だか自分がその先へ誘われているような気分になってくる。こっちへおいで、この先にも世界は続いているよと。
自然、足を踏み出していた。クシャリと右足が赤い華の一本を踏み付けにする。
「やめといた方がいいわよ」
嘲るような声に振り向く。僕が生まれて初めて聞く、自分以外の言語だった。
「その向こうには何もないわ。世界はこの街が全部なのよ」
それは蔓と花を携えた植物の全身を隈無くデジモン化させたような存在で、僕の知る限りこの街の中で唯一の完全体だった。言葉を発するのを初めて見たとはいえ、同じ植物型デジモンを何匹か従えて悠々と暮らす彼女の姿を、僕は何度か物陰から見る機会があった。
完全体、つまり恥ずかしながら僕が唯一真っ向から狩る自信がない相手だったので、よく覚えている。
「ブロッサモン……」
「どーも。先日は可愛いベジーモン達を殺してくれてありがとう」
言葉には怒りも憎しみもない。ただ淡々とブロッサモンは人の言葉を紡ぐ。
「繰り返すけど、その花畑の向こう側は目指すだけ無駄よ。行ったところで何もない、ずっと同じ景色が広がっているだけよ」
「見てきたような言葉だ」
身構えつつそう返すと、肩を竦めて「見てきたわよ」と呟く彼女。
「だから言える。この花畑の向こうには何もない……世界はもう、この街だけなの」
花畑を背に笑う彼女は、まるでこの景色の主のように見えた。
培養カプセルか何かだろうか。
『あなたはきっと、最強のデジモンに──』
その中にいる僕は、そんな声を聞いていた気がする。
眠り続ける僕を見つめてそう呟いたのは、10代半ばの人間の少女だった。今となっては顔も声も忘れてしまったけれど、彼女が遺したその言葉と彼女の黒い髪と白い服のコントラストだけは今でも覚えている。
きっと彼女は選ばれし子供か何かで、僕は彼女のパートナーなんだとそう思う。
選ばれし子供、知識だけで知り得ているが奇妙な響きだ。世界の救い手となるべき人間の子供、数多の英雄譚として世界各所に伝えられる異世界からの来訪者。デジタルワールドは僕らデジタルモンスターのものであるはずなのに、折に触れて彼らを必要としてきた。人間を下等だとか取るに足らぬ存在だとか軽く見るデジモンは枚挙に暇が無いが、その実人間の介入無しでは平和や安寧どころか存続も危うい不完全な世界が、僕らの生きる場所だった。
そんな人間のパートナーだと思えば、誇らしく思うのも当然だったのだけれど。
『─────モン──────』
彼女が次に呟くのは僕の名前であるはずなのに。
きっとその声音は優しげな色だったはずなのに。
その言葉を思い出すことが、僕にはできないでいる。自分が何者(なにモン)なのかも理解することができないまま、世界に放り出されてこうして生きている。皆がそうするように強い者が弱い者を食い散らす、ただ当たり前の理の中で生きている。
記憶の中にいた黒い少女は果たしてどこにいるのだろう。
いつか僕は彼女と巡り会うことができるだろうか。
忘れてしまった僕の名前を、彼女は教えてくれるのだろうか。
そう、だから僕の悲願は。
名を。
彼女の名を、僕の名を、知ることだった。
いつしか僕は時折、この街外れでブロッサモンと会うようになっていた。
街中で会うことはしなかった。別に彼女の仲間であるベジーモン達、定期的に獲物として何体か獲物として仕留めた彼らのことを思い憚ったわけでもない。ただ僕か彼女、どちらかが花畑の前にいるともう一人がやってくる、そして暫し談笑して別れるだけというだけの関係。それでも数ヶ月の時を経れば日課となり、また退屈な日々に参っていた僕にとって数少ない楽しみとなる。
「ベジーモン達は知らないけど、私を喰うには百年早いわね」
一度だけ挑んだこともある。
きっと勝てないと知っていたし、敗れたとして彼女が僕を殺さないだろうことも理解していた。
だから結局のところ戯れでしかなかった。不意打ちで背後から躍りかかるも、二秒で蔓に絡め取られて地面に組み伏せられた無様な僕の姿に、珍しくブロッサモンは声を上げて微笑んだのだ。
聞けば彼女も元々は選ばれし子供のパートナーだったらしい。幾度かの転生を経て当時の記憶は随分と曖昧なものになっていたようだが、うろ覚えでも構わないから聞かせて欲しいと強請ったのは僕の方だ。
ブロッサモンの語る冒険譚は僕を夢中にさせた。無限に広がる世界、魔王との対峙、そして愛すべきパートナーとの永遠の別れ。
そんな夢のような出来事を僕もいつか体験できる日が来るのだろうか。
彼女もまたパートナーと巡り合える日を心待ちにしているのだろうか。
「僕にも多分だけど、パートナーがいるんだ」
だから耐え切れず自慢気にそう言ってしまったのだけれど。
「……そう」
ブロッサモンは遠い目をしてそれ以上を語らなかった。
ある日、事件が起きる。街に住んでいたデジモン、ティラノモンの群れの一体が行方を暗ましたのだ。
元々僕にとっては狩りの対象でしかなく、それが一体消えたところでどうということもない。そもそも街の住人達は互いを食料としか思っていないのが現状なのだが、唯一の完全体であり即ちエリア内で最強の存在であるブロッサモンが仲間のベジーモンから彼は街の外の花畑を歩いていったという情報を得たことで事態は動き始める。
いつもの花畑で僕は彼女と顔を合わせる。ブロッサモンはただ真っ直ぐ、花畑の向こうを見据えていた。
「……アンタは何を知ってるんだ?」
「何が言いたいの」
「アンタには確信があるんだろう、ティラノモンがここに戻ってくると」
それにブロッサモンは答えなかった。あの時と同じ遠い目だった。
地響きが聞こえてくる。花畑を踏み荒らし、それが戻ってきたのだと理解する。徐々に鮮明となる輪郭こそ確かにティラノモンのそれだったが、果たして僕の視界に現れたのは清爽さすら感じさせる真紅の竜、何体かと死闘を繰り広げた宿敵の姿ではなかった。
片腕を歪な形に変化させた黒き竜。僕が隣の彼女に続いて人生で二番目に見た完全体。
「メタルティラノモン……やっぱり」
得心したといったブロッサモンの声音を僕は見逃さない。
血走った竜の目からは、曲がりなりにもこの小さな世界の中で皆が遵守してきた弱肉強食の理、即ち喰わぬのであれば弱き者に手を出さない世界の不文律を守る気など微塵も感じられなかった。
咄嗟に飛び退いた僕と彼女の間に、メタルティラノモンの腕から放たれたミサイルが飛来する。
ゴウと空気を裂く音と共に着弾したそれが、花畑と廃墟とを火柱で艶やかに染め上げる。
「スパイラルフラワー!」
ブロッサモンが両側の蔦から鋭利な葉を飛ばす。だが強固な竜の装甲を貫くには至らず、メタルティラノモンが逆側の腕を払うだけで軽く凌がれてしまう。僅かな傷こそ刻まれたが殆どダメージにはならない様子だった。
僕も後ろから目を見張る。完全体の攻撃をも防ぐあの装甲に興味を引かれた。
「くっ……!」
突進してくる機械竜の巨体をブロッサモンが手足に蔓を絡めて受け止める。エネルギー系の攻撃も物理的な攻撃もメタルティラノモンには効果が薄いらしい。そして先日、僕を容易く絡め取って叩き付けた蔓もメタルティラノモンの巨体を持ち上げるほどのパワーは出せないと見える。
ギリギリと蔓を引き合う様は綱引きのよう。
「……ッ!」
ブロッサモンが一瞬、僕の方を見た。
彼女の意図は理解する。けれど別段急ぐでもない。ただのんびりと歩いて取っ組み合う二匹、メタルティラノモンの背後に回ると無防備に晒された機械竜の背中に、思い切り僕は自らの尻尾の先のアンカーを叩き込んだ。薄い背面装甲から電子骨格をも貫通し、その奥にある電脳核へと抉りこむように。
衝撃でメタルティラノモンの顎が仰け反る。とはいえ即死だ。仰け反った時点でメタルティラノモンは死んでいる。
急速に粒子化していく機械竜の肉体。それを自らに取り込みながら、メタルティラノモンの体が消えたことで僕の正面には肩で息をするブロッサモンの顔が見えてくる。アイコンタクトが上手く行って良かったとでも言いたげな苦しげな笑顔。それはこのエリアで最強のデジモンが見せた明確な隙だった。
だから僕は。
「ハァハァ……流石ね、ありが──」
そんな彼女の無防備な眉間に。
メタルティラノモンの装甲を纏った己の拳を。
完全体に対抗できる手段として見込んだ拳を。
一切の躊躇い無く叩き込んだ。
「ガアッ……!」
花そのものであるブロッサモンの眉間から血液データが舞い散る。
真っ赤な花畑を背景に、鮮やかな血の華を咲かせる姿を前に僕は。
それをなんて美しい光景なんだろうと思うのだ。
ブロッサモンは動かない。急所である眉間を穿たれた彼女もまた即死だった。
目を見開いたまま仰向けで果てているブロッサモンの肉体をロードするのに、不覚にも僕は一瞬だけ躊躇した。何を迷うことがある、最初からこの時の為に全てを根回ししてきたのではなかったか。
「見事ザンスね」
そんな軽妙な声が聞こえた。
頭上を見上げる。そこにはいつぞや見た、鳥のような飛行機のようなデジモンが滞空していた。
「誰だ?」
「失礼、アッシは名乗るほどのモンじゃございやせん。まあ旦那とは一月ほど前に会っているはずザンスが……」
「喋れたのか。取るに足らぬデジモンだと思って見逃したのだけど」
取るに足らないと言われて彼は苦笑したようだった。
「ブロッサモンの姉御も間が悪かったザンスね。まさかこんな姦計を使ってくる輩がエリア内にいたなんて」
「姦計とは言ってくれるじゃないか」
そう返すとニヤリと笑う彼。
冷たい目だった。それまで軽薄としか思えなかった小型デジモンが今、このエリア内で出会ってきた誰よりも酷薄な瞳で僕のことを見下ろしている。先の正気を失ったメタルティラノモンとてここまで冷たい目ではなかった。
次に彼が言う言葉を、僕は否定しない。別段見抜かれたとて驚くことでもない。
考えてみれば簡単な話だ。ブロッサモンは、あの花畑の向こうまで行ったことがあると言っていた。そんな彼女が人語を解さないベジーモン達を仲間としてこれたのはきっと、彼女もかつてはベジーモンだったからに他ならない。そしてこのエリアには彼女以外の完全体は存在せず、皆が成熟期までに死んでいく。つまりあの花畑の先にはデジモンの進化に関わる何かがあり、ブロッサモンはそれを知りながら黙秘してエリア内で最強の存在として君臨していた。
許されることではない。少なくとも僕は絶対に許せないからだ。
「だってあのティラノモンが街の外に出たの、旦那の差し金ザンスよね?」
つまりは、そういうことである。
アッシの名はスパロウモン。世界を流離うブン屋とでも言っておきやしょう。
「でも……いいんザンスか? ブロッサモン殺しちまったら、この花畑の向こう側の情報が得られないんじゃ?」
「構わないさ。僕には手がある」
「クロスアップ……ザンスか」
「……知っていたのかい?」
言い当ててやると旦那は驚いたようザンス。
一介の成長期でしかないアッシが、他の誰にもない自分の能力を言い当てたのだから当然かもしれやせん。しかしアッシは知っている。彼には生まれた時からそういう力があった。倒したデジモンのデータを取り込み、己の肉体に顕現させる特殊能力。どうやら旦那は今まで倒してきたデジモン、例えばドーベルモンの俊足とオーガモンの腕と棍棒、メタルティラノモンの装甲を自由に使用することができるらしい。そして彼が手にするのはデジモン達の力だけではなく、その使い方や経験、更にはそれまで経験してきた全てをも含めていたと言うのだから驚きザンス。
それは倒したデジモンそのものを纏う行為だ。故にこの力を彼は電脳聖衣(デジ・クロス)と呼んでいたらしいが。
「アッシもこう見えて、デジ・クロスに関しては一家言ありやしてね」
「そうかい」
別にどうとも思った様子はない。旦那は相変わらずアッシを無力な成長期と見ている。
メタルティラノモンのクロスアップを解く旦那。同時に彼はゆっくりと粒子化していくブロッサモンのデータを全身で貪り喰った。
彼女は旦那に初めて完全体というものを、正面からでは勝てぬ壁を教えてくれた恩人のはず。けれど旦那はデジモン、彼女もデジモン、恩返しなど微塵も考えることはない。それでもせめて姑息な謀略によって討ち取られた彼女の力と記憶と経験を、旦那は己のこの先の人生の為に貰っていくのだろう。
それは優しさではなく、況してや偽善ですらない。ただ己を納得させるだけの甘さ。
誰を想っているわけでもない。故人を悼む気持ちなど微塵もない。
義理堅さなんてこの世界では何の役にも立たない。
それでも。
旦那、いや、我が弟、アレスタードラモンにはきっと、そんなところがあるのだ。
ブロッサモン。
彼女には確かにパートナーがいた。
『私(わたくし)と貴方とで世界を救ってみせますわー!』
そんなことを堂々と言う金髪のお嬢様だった。
選ばれし子供という奴だった。実際、大した勇気を持つ少女だった。
フローラモンを成熟期に進化させた。彼女は喜んだ。
ザッソーモンを完全体に進化させた。彼女は笑った。
ブロッサモンを究極体に進化させた。彼女は泣いた。
最後の戦いだったから、彼女の涙の理由をヒュドラモンは聞けなかった。
戦いが終わり語らう間もなく少女は去り。
パートナーから答えを得ぬままヒュドラモンは一人残された。
どうしてと問い続けても彼女は二度と帰ってこない。
それでも待つと決めたから、何度も転生を繰り返した。
そうして気付けば人間界に来ていて。
そのはずなのに人間は誰一人として存在しなくて。
帰る世界も失ったことを知った彼女は。
それでも諦め切れずに辺り一面に広がる彼岸花の川を渡り。
この世界を覆い尽くした元凶と。
人間界をこんな風に変えた、それと出会った。
世界は続いている。
ここがアッシ達の世界ではなくても、今アッシ達がここにいる以上、世界は在る。
この街は全て人間の文明の残滓。だがそこで霊長の覇者として君臨してきた人間達はもうこの星のどこにも存在していない。度重なる戦争によって滅びたのか、はたまた荒廃する星を見捨てて別の惑星に移住でもしたのか。それはデジタルモンスターであるアッシ達には知るところではない。
単純な世界だ。人間が消えた人間界でアッシ達デジタルモンスターは原初の世界に戻ったかのように争い合い、互いを喰らい合っている。強さこそが全てを支配するシンプルな理の中で生き残った幾つかの狭いエリア内でのみ、弱肉強食の摂理の下にデジタルモンスターは今も生きている。
彼岸花は境界線だ。あの世とこの世、人間界とデジタルワールド、春と夏もしくは秋と冬の境界線。奴はデジタルワールドから這い出ると共に、その能力で主の存在しない人間界を瞬く間に浸食し、自分の住みやすい世界へと変えてしまった。
奴に浸食されたエリアの象徴こそが、あの彼岸花だった。
我が弟も今見たはずだ。かつてブロッサモン、当時ザッソーモンだった彼女が花畑を進んだ果てに出会った強大な存在と。
目が焼けるような赤だけに彩られた世界を進む彼女が、どれほど歩いたかもわからなくなり始めた頃、それは現れた。空を覆い尽くすような奇怪かつ巨大な人型、異様に長い手足と幾何学的な文様を刻まれた仮面で覆われた顔面を持つ邪悪なる存在。時間と空間を自在に操ることで彼女を在りし日の姿、ブロッサモンへと進化させたのもそれだった。そして無論、今日謀略により外に出されたティラノモンをメタルティラノモンを進化させたのも同様だ。
この彼岸花の咲く領域が彼奴そのもの。世界の九割以上は彼奴に支配され、生き残ったデジモン達は細々と狭いエリア内で生きていくしかない。だから彼岸花の浸食を防ぐべく、エリア内で最も強いデジモンを決めるかのように争い続けている。
故にジェネラル。各エリアで最も強いデジモンをいつしかそう呼ぶようになる。
長らくこの街のジェネラルであったブロッサモンは今ここに倒された。ジェネラルを失ったこのエリアはまた乱れるだろう。少なくとも我が弟はジェネラルとしてこのエリアに留まる器ではない。
必ずこの彼岸花、世界を浸食する真紅の花の先にいる彼奴を目指すことになる。
倒すべき敵。人間界を変貌させた元凶。
悠久の時の中で此岸(こちら)と彼岸(あちら)を繋ぐ者、故にその名を。
クオーツモン。
彼岸花にギリギリ浸食されていない獣道を往く。
ブロッサモンから継承した知識と記憶があまりに衝撃的だったのだろう。暫し放心していたアレスタードラモンだったが、やがて何も言わずに歩き出す。我が弟は迷いなく彼岸花の先へと足を踏み出した。
旅立っていく弟の背中を眺めながら、アッシは思うのだ。
かつてデジクロスと呼ばれる技術を確立させようとした人間の科学者がいた。彼女はデジモンのジョグレス進化なる機能に着目し、進化以外で他のデジモンを取り込んで強化する術を研究していたのである。それはいずれ人間にデジモンの力を後天的に備え付ける研究の前段階であったのかもしれないが、科学者の手によってデジクロスを前提として数多のデジモンが人工的に作り出された。
スカルナイトモン。デッドリーアックスモン。
メイルバードラモン。デッカードラモン。サイバードラモン。
シャウトモン。バリスタモン。ドルルモン。スターモン。
そして、スパロウモン。
科学者もやがて没し彼女の研究も散逸したが、彼女の生み出したデジモン達は今もどこかで生きている。アッシ自身が生きているのだから、他の兄弟達も無事だとそう信じている。
そんな科学者が死の直前まで開発を続け、彼女がいなくなった後もコンピューターが彼女の意思を継いで動き続けた果てに生まれたのがアレスタードラモン、まさしく今目の前を歩いている紫紺の竜だ。アッシ達の母親の理想を数百年の果てに体現したデジクロスの更に先、クロスアップと呼ばれる力を身に付けた科学者の研究の完成形であった。
だから弟、彼は間違いなくアッシらの最後の弟。
名乗り出るつもりはない。
けれど、遠い未来で最後の弟に巡り会えた偶然に感謝している。
彼がクオーツモンに作り替えられた世界でどう生きていくのかはわからない。それでも贔屓目だろう、弟ならきっと立派に生きていくだろうと信じている。そしていずれは散逸した自分達の兄弟とも巡り会えるだろう確信がスパロウモンにはある。
故に笑顔。旅立っていく弟の背中を、アッシは笑って見送れるのだ。
西暦4022年9月23日。
これは人間のいない人間界で生きる、人間に作られたデジタルモンスターのお話である。
◇
・アレスタードラモン
本作の主人公。デジクロス、転じてクロスアップと呼ばれた能力を身に着けた謎の竜型デジモン。慇懃無礼ながら上昇志向が強く、敵対者をロードすることを厭わない猛々しさを有する。人類が消えた後の世界で目覚め、弱肉強食の理に組み込まれていくが、実はある科学者に生み出された人工のデジモンである。
(9/25追記)
自分も知らない自らの名前を追い求める者=悲願は名
(ダジャレかい)
・ブロッサモン
元・選ばれし子供のパートナー。廃墟エリアで唯一の完全体のため、当エリアでジェネラルと目されていた。個人的に好きなデジモンで、短編・連載問わずちょくちょく出番を与えているが、アニメで言うところのレオモンやマンモン並に登場する=死である。当然のことながら彼岸ということで最初に思い付いた奴。いやまあ彼岸=彼岸花=デジモンサヴァイブの最初に咲き誇ってた奴という安直な連想ではありますが。
(9/25追記)
何度も転生して黄泉から戻ってくる彼岸花
(最初に思い付いた、というか彼岸っぽいので最初に浮かんだのコイツだった)
・スパロウモン
自称ブン屋。口調はトンガリと伝三さん。アレスタードラモンと同じ科学者に作られた彼の“兄”である。クロスハートから誰か出したいと思った時、アレスタードラモンとのクロスアップがある彼をチョイスするも話の都合でクロスアップしなかった奴。
(9/25追記)
ちっこい鳥の癖して弟のことを鼻高々に語る飛雁鼻
(ダジャレかい)
全部ダジャレである。
【後書き】
まずは企画を立案くださったへりこにあんさんに感謝を。
というわけで、割と突貫ながら書かせて頂きました。思い付いてから48時間で書き上げたので割と頑張ったのではないでしょうか。ちなみに思い付いた経緯は仕事中、ふとよく考えたらデジモンサヴァイブで最初に彼岸花咲いてたの「何故この花が!?」となってから何も語られてなくねと思い立ったからです。いや何だったんだよアレ……ということから自分なりに解釈して書いてみた次第です。
他の方の作品も是非読ませて頂きます。
◇
読み終えて真っ先に思ったことは以下の通りです。
「クロウォ3期観てたら絶対ニヤリとなるやつじゃん……! 畜生……ッ!」
それはさておき。
赤い花に囲まれた狭い世界で繰り広げられる、尊くも残酷な命の奪い合い。
強かさなアレスタードラモンが淡々と話を進めていくところが、この世界の当たり前を物語っているようでした。
ところで冒頭でこれがアレスタードラモンって気づかず、紫色ということでずっとスナッチモン辺りかなぁとか思ってたのは内緒(ちょうど最近図鑑も更新されましたし)
ブロッサモンキタァァァとか思ってたらうわぁぁぁ死んだぁぁぁぁぁ!!
「可愛いベジーモン達」との発言には異を唱えたい!
ザッソーモンの方が可愛いだろ!(偏愛)
しかしそのブロッサモンがかつてはザッソーモンだったと知り僕、満足!(もう17時か、小腹空いたな)
ブロンドお嬢様とザッソーモンのコンビはいいぞぉ!!
ザッソーモンに進化して喜んだお嬢様とはうまい酒が飲めそうだ(※お酒は二十歳になってから)
口調が特徴的なブン屋ことスパロウモンが語る衝撃の真実ゥ!
なんだって!? つまりはザッソーモンが進化『してしまった』のはクオーツモンのせいだってのか!?
絶対許さねぇ! ドン・サウザンドォォォ!!!(とばっちり)
デジクロスやジェネラルといったワードに独自の意味を持たせて作中に盛り込んだのもお見事でした。
特に『電脳聖衣』と書いて『デジ・クロス』と読ませるアイデアはたまげましたね。
アレスター君もいずれは黄金聖衣(ゴールドクロス)を……!(スペリオルモード並感)
そうして読み進めていって、あとがきにやられました。
いやダジャレにしたってよくその言い回し思い付くな! 天才か!?
飛雁鼻……だと……?
「な、何て続きが気になる終わり方なんだ。流石夏Pさんだぜ」と思った矢先に飛雁鼻……だと……?
駄洒落のお話はこれくらいにいたしまして、上述の通り続きが気になって先へ先へとどんどん読み進めたくなる素敵なお話でございました。じわりじわりと明かされていく謎、クロスアップの独自解釈などなど……。
こういった野生的な弱肉強食の世界観を(私がデジモン初期の空気感を感じていないこともあり)自分では中々書けないため、そういった意味でも尊敬の眼差しを込めて読ませていただきました。疑う事を知らないピュア化石なので、ブロッサモンも一緒に始末したシーンは大変びっくりしましたわ……。 選ばれし子どものパートナーとして何度も転生を繰り返した彼女のことを思うと何だか悲しくもあり……(しかし悲願花が頭によぎるとふふっとなったりもし……)
ザンス口調のスパロウモンは私が知る限りこちらの作品でお初にお目にかかりましたので新鮮な気持ちで読めました。可愛いね❤️(見境が無い)
町を飛び出した兄弟達は今後どうなってしまうのか……
取り止めの無い感想文となってしまいましたが、とにかく楽しく読ませていただきました、ありがとうございますとお伝えさせてくださいまし……
『ヒガンハナ』楽しく読ませていただきました。少し感想と洒落こませていただきます。
廃れ切った閉ざされた世界。めっちゃいいですよね。ゆっくりと滅びを待つかのような世界の中、ブロッサモンがそこに気高く咲く一輪の花のようで、ああ、この2体が共に生きていく世界は、閉ざされていながらも決して悪くはないんだろうななんて、そう思っていたのに。
――私たちは知らなかった。何気ない日常が、とても脆く儚いことを。
声出ちゃいました。いや確かにお前貪欲だったけど。いい奴だったのに……! 何も……殺すことないじゃないか!!!(CV:風間勇刀)
まことにデジモンらしく裏切られました。チクショーめ!
しっかしティラノモンを差し向けてまでやるとは中々周到というかなんというか。虎視眈々とその首を狙っていた理由を聞けば、確かに彼にとってブロッサモンは全然「いい奴」じゃなかったんだなと。
そこから世界観が見えてきて、なるほど彼岸花は彼岸と此岸の境界だったわけですね。彼はきっと彼岸花を踏み越えて、その先の敵をも喰らおうとするのでしょうが……すでに一度滅びた世界でなおその道を行く彼の背中が、少し物悲しくも見えるのでした。
っていうか48時間で書き上げたとか意味わかんないですよね。エグい。エグすぎる。
それが一番ホラーかもしれないなと思いつつ、この辺りで感想を締めさせていただきます。
素敵な作品をありがとうございました!
毎度ありがとうございます。
こちらで感想を書くのは初めてになりますでしょうか。
弱肉強食の世界観にロードにも似た能力の獲得――これがクロスアップだったとは。主役のアレスタードラモンを敢えてヒールじみたクレバーな性格に据えているのが、寧ろいい感じにビジュアル的にも合っていて一本取られました。
クレバーどころか容赦のない振る舞いは絆じみたものを見せていたブロッサモン相手でも同様。騙して悪いがどころかメタルティラノモンを利用して明確な隙を作るとは……恐ろしい末弟だこと。
素性を隠して接触したスパロウモンとともに世界の異変の元凶たるクォーツモンを求めて歩みを進めるアレスタードラモンとそれを見送るスパロウモン。彼を含めてクロスウォーズで見た面々の種族がアレスタードラモンの実質的な兄弟関係になっているのも二ヤリとします。
突貫でここまでの世界観とネタの仕込みのある作品を作り上げるとは……流石です。
突貫ではありますが、これにて感想とさせていただきます。
いつもこちらの作品に感想をくださりありがとうございます、というわけで感想書きにきましたユキサーンです。
ツイッターの方で突然閃いてお彼岸企画の話を書き始めるとの呟きをお見かけした時に「マジで?」となって、予想以上の速度で文字数が跳ね上がっていくのを見てもう一度「マジで?」となって、そして実際に書き上げられた物語を見て「マジで!!!!!!!???????」と、頭ボボパッチの助になってましたわ……いや凄まじい。作風もそうですが投稿に至るまでの過程が凄まじい。
さて、前置きはここまでにして作品そのものの感想をば。
まさかのアレスタードラモン&時駆けのハントデジモン大集合。その内サゴモンやギガブレイクドラモン辺りも取り込みますねこのアレスター君。
ティラノモンを利用してのブロッサモン殺しは圧巻の一言でしたね……おおう容赦ねぇし頭が回る……。
冒頭からアレスタードラモン君を見ていたスパロウモンの視点から語られたこの世界の成り行き、彼岸花の元凶などなど。全体的に受けた印象はデジモンサヴァイブとクロスウォーズを掛け合わせたような、一番やべールートを選んだみたいな感じのを受けましたね。ていうかしれっと書かれてますが西暦から察せられる経過時間よ!!
【これは人間のいない人間界で生きる、人間に作られたデジタルモンスターのお話である。】という地の文で締めくくられた、まさしくその通りな物語。正直言ってこれ続編か前日談がいつか書かれるんじゃねぇかと疑わんばかりの内容の濃さでしたが、何にせよ面白かったです。
アレスタードラモン君がその悲願を叶えられる時はいつになるのか、叶えたとしてその後に何を願いとするのか、色々想像が膨らみますが、今回の感想はこの辺りで締めようと思います。
まさかまさかの駄洒落がお彼岸との結びつけというオチには思わず唖然となりましたが、なんとなく夏Pさんらしい感じがして良かったです。なんとなく。なんとなく。
ではいつかまた、どちらかの物語のページを閉じた時にでも。
お彼岸らしい悲願な物語、面白かったです。ありがとうございました!!
PS アレスタードラモンのクロスアップはメタルティラノモンのがやっぱり一番好き……。
いつもいつもたくさんお世話になっております組実です!
廃墟街と彼岸花の美しく退廃的な情景が大好きワイ、すごくニコニコ読ませていただきました。
「わあい綺麗なお花畑さすが夏Pさん風情ですわね~!」からの「ドーベルモオオオン!!!」と一気に突き落とされた瞬間を私は忘れない。
やはり彼岸花と血の花はよく合いますなァ!!
ブロッサモンとの他愛の無い、静かで穏やかな時間が好きでした。
弱肉強食の世界に生まれる細やかな信頼と親愛……過干渉せず互いを認識し合うだけの……そんな二人の姿に再びニコニコしていたのも束の間。
「あああああ不意打ちあああああ!!!!」
そう!この世界はやはり!弱肉強食なのである!!というかけしかけたの君かい!!
と、良い意味で裏切られました。
ブロッサモンの過去、生まれた時に初めて目にしたスパロウモンとの関係、それらをアレスタードラモンは終ぞ知る事なく、自身の悲願を果たす為に世界を放浪して往くのでしょう。彼と遠い兄弟達にどうか幸あれ。
そんなわけで、とてもとても楽しく読ませていただきました!
夏Pさん(なっぴーって入力すると自動変換してくれるんですよ新しいスマホ)の文章うめ……うめ……
素敵なお話をありがとうございました!!✨
こんにちは、いつもお世話になっております、快晴です。
『ヒガンハナ』、大変楽しく読ませていただいたので、おそれながら今回は私の方が感想を書く側に回らせてもらいます。
まず、世界観がとても素敵ですね。
生まれたばかりのデジモン(何者なのだろう? と実は私自身まで思い至れないまま読んでいたのですが、まさかアレスタードラモンだったとは)が見た、閉塞感のある、しかし静かで美しい世界の描写と、デジモンが呆気なく殺されて行く描写のギャップにはとても引き付けられました。
特に、この地区唯一の完全体だと言うブロッサモンとのやり取りは、淡々としつつもあたたかみがあって、メタルティラノモンとの緊張感のある戦いも実質の共闘という形で決着した事もあり、話が動いても彼らは友人同士なのだろうな……と、思った所にこれだったので、徹底してこういう世界観なんだなぁと、恐れおののきつつ、地の文にも在る通り、その光景の美しさから目を離さずにはいられないような思いでした。
でもブロッサモンは夏P(ナッピー)様にとっては確定死亡枠だったんですね!?!? 私のしんみりをかえしてください。でもその後にあったアレスタードラモンの僅かな躊躇が美しかったので全てを許します。
そこから(妙に胡散臭い口調のスパロウモンだなぁと思いました(小並感))一気に明かされて行く、世界の真実。
ここはデジタルワールドではなく、人間の世界だったのですね。クウォーツモンに浸食された、人間のいない、しかしアレスタードラモンにとっては最初から故郷でもある世界。彼岸と此岸、その中心を征く彼の物語は、悲願の持ち主である事も相まって本当にお彼岸らしいお話だったように思います。
口調こそ胡散臭いし、アレスタードラモン側からの視点だととてもきな臭いのですが、その内心は家族を慮る、ここまでの世界感的にはデジモンらしくない感情。
そんな兄に見送られて旅立つアレスタードラモンの背中は、そして〆の文章には、この先も彼らの物語は続いていくという確信を感じられて、読後感はようやく訪れた心地よい秋の空気のように爽やかな物でした。
拙い物ではありますが、こちらを感想とさせてもらいます。
素敵な物語をありがとうございました!
あーー……。一晩で書き上げたって感じがするよ。俺、そういう感想してるだろ?
上手く舞台を限定して風呂敷を広げ過ぎない構図は「ちゃんとやってんなぁ」って感じでした。
久しぶりにこの手の話を読んだからかもしれませんが、……めっちゃデジモン小説ぽいッスね!
いや二次創作ぽいっていうか。
いい意味で「皆さんこれ……ね!あのヤツね!」てお約束が使われてて。しかし好きだなブロッサモン。
お彼岸らしいデジモンの追記ありがとうございます。ダジャレとは言えこうも大文字と色で主張されてはもうこれは認めざるを得ません。
この度は企画参加ありがとうございます。
彼岸花の蕾が開きに参加して頂きありがとうございます。
48時間の突貫で作ったとは思えない素敵な作品でした。クオーツモンの領域、彼岸の境に彼岸花を咲かせているという発想も素敵ですし、荒廃していたりどこか無情な世界観もとてもすてきでした。
ですが、一応企画の参加要件として、作中の『お彼岸らしいデジモン』をあとがきのようなわかりやすい場所に明示して頂くということになっています。今からでもあとがきにつけ足して下さい。
では、作品自体は本当に素敵で面白く読ませていただきました。参加しようとして頂き、ありがとうございます。