「あたくしの恋にも、花の名前が欲しかったの。そう言ったら彼は笑うかしら?」
彼女はそう言ってころころと笑いながら、真っ赤な口紅を自分の唇にではなく、ドレッサーの鏡に当てるのだった。
しばらくして出来上がった唇のマークは愛想の欠片も無い平行線を描いていて、きっと彼女の知る『彼』とやらも、そういう男だったのだろう。
貴族趣味な面がある、というのは聞いていたが、その実彼はただの鎧であり、機械であり、そして武骨な兵隊でしか無かった。彼女の認識は兎も角、私には、あのデジモンがそういうモノにしか見えなかったのだ。
「ふふ、嫌ね。いつまで経っても紅を引くのが上手くならないわ」
彼に笑われちゃう。なんて、むしろ可笑しそうに自分が笑ってから、彼女はありのままの自身の唇を、鏡の紅へと押し付ける。
傍目から見れば己の虚像と唇を重ねているようにしか見えないその様は、ギリシャ神話の美青年、湖面に映った自身の姿に恋い焦がれて身を投げ溺れ死んだナルキッソスを彷彿とさせたが、だからこそ、ナルキッソスがいつしか水仙の意味を持ったように、彼女もまた同じように、花の名前の恋を求めたのだろう。
私は彼女に背を向けて、窓の方へと歩み寄る。
この部屋で最も暖かな陽の光を浴びられるその窓辺には、小さな鉢植えが1つ、置かれている。慎ましやかな小さな白い花が寄せ集まった、お世辞にも艶やかとは言えない、地味な花を添えて。
しかしそっと顔を寄せると、ただそれだけで。蜂蜜にも似た甘い香りがふわりと匂い立ち、花の価値は何も見た目ばかりにあるのではないのだと、静かに訴えているのだった。
アリッサム。
それが、この花の名だ。
私にはあのデジモンの良かったところなんて、ちっとも解らないのだけれど。
ただ、女の趣味だけは誰よりも良かったのだろう。
それだけは、私にも判る話だ。
哀しい事に。
*
『選ばれし子供達』と。聞こえの良い呼び名を付けられて招集され、パートナーデジモンを与えられた私達の中でも彼女がひと際浮いた存在だったのは、彼女の歳が私を含めた他の子供達といくらか離れていた事と、彼女の傍にデジモンが居なかった事が原因だろう。
だからと言って彼女が戦力外だったかと言えばそうでは無く、むしろ記憶を振り返れば思い出されるのは彼女の後姿で、彼女はいつも、仲間の盾となるようにして、戦っていたのである。
鋼のヒューマンスピリット。
それが、パートナーデジモンの代わりに彼女に与えられた武器だった。
スピリットとはいわば鎧であり、その鎧を纏えば、彼女はデジモンと成る事が出来た。
光沢のある緑色の金属で出来た、球体の関節を持つ人形の身体は、しかし華奢だとか優美だとか、そういった印象とは無縁で、顔と胴、それから両腕に装着した大きな円盾(『イロニーの盾』と、彼女は呼んでいた)に嵌め込まれた鏡や、頭頂や肩当、あげく靴の先まで妙に尖った装甲は、ただでさえ奇妙な生き物であるデジモン達の中でも群を抜いて異様な姿だったと記憶している。
メルキューレモン。フランス語で水銀の意味を持つ名前を冠するそのデジモンは、スピリットの属性である『鋼』の闘士とも呼ばれていたけれど、何方かと言えば鏡の妖怪とでも言った方がしっくりくるのではないのかと、私は鏡の中で人の口を変わらぬ動きをして見せる赤い口紅でなぞったような唇のマークを見る度に、何度も、そう思ったものだ。
だが異様な姿にはじきに慣れた。
すぐに慣れねばならぬ程度には、私達は常に危険と隣り合わせの状況に置かれていて、日夜戦いに明け暮れねばならなかったのだから。
何より彼女は優しかった。
デジモンの力を引き出せるのが子供ばかりである都合上、年長である彼女はよく頼られて、私達からの期待に応えるように振る舞っていた。
もちろん自分のパートナーを頼もしく思わなかった事など無かったが、デジモンと人では、また傾けられる心情が違うのである。
だからこそ、彼女の変身する姿が、もっと彼女に相応しい、見目麗しいデジモンであればと、思わなくは、無かったのだけれど。
「でもこう見えて、彼には優しいところがあるのよ」
ある時、風と水のスピリットは女性の姿をしたデジモンに変身できる、という噂を聞いて、役割分担の関係で彼女と2人きり(正確には、私の傍にはパートナーであるトイアグモンが付き従ってはいたのだが、それはまあ、いつもの事だ)になった時に、思い切って「そちらのスピリットの方が良かったのではないか」と訊ねてみた事がある。
返ってきたのが、そんな答えだった。
「優しいところ?」
私は相応に訝しんだ。何せ再三述べた通り、スピリットとは鎧だと認識していたのだから。
隣でトイアグモンも身体を斜めに傾けていたあたり、私とあの子の考えに相違は無かったものと思われる。
だが、そんな私達とは対照的に、やはり彼女は、鈴を転がしたように笑うのだった。
「スピリットを纏っているとね、色々な事を感じられるの。見えないものが見えたり、聞こえない音が聞こえたり。人間でいる時とは、違う空気の中に居るみたいに。あたくしじゃ無くて、世界が変わっているように思うの」
それでね、と。彼女は頬を赤くしながら、殊更楽しそうに微笑む。
「本当なら、きっとわけがわからなくなってしまうような世界の中で、彼だけは、あたくしに歩き方を教えてくれるの。何処へ向かえばいいか、何をすればいいのか。……その上で、あたくしの事は、何も聞かないでいてくれるの」
そうして最後にそう言って、彼女は少しだけ、遠いところを眺めていた。
彼女の兄は、先代の『選ばれし子供達』の1人で。
戦いの最中に亡くなったのだと、それだけは、聞いている。
「それに、あたくし。みんなを守れる彼の力が好きよ。自分からは相手を傷付けない、彼の戦い方が好き」
それでも、デジモンに成れば世界が変わるというのなら、別のスピリットでも良かったのではないかと言いかけた私の言葉は、彼女のはにかむような表情を見て、完全に霧散してしまう。
後で私とトイアグモンだけになった時に、「あれは完敗だよ」と心配そうに私を見上げる彼の頭の赤いブロックを軽く小突いた事をよく覚えている。
……彼女は皆に優しかった。
極限状態の旅が続く中、私がその献身を自分だけに向けてほしいと幼稚な思慕を抱いていた事を彼女が理解していたのかは、今となっても解らない。
ただ、私は。私に向けてほしい感情が、ただの鎧に向けられているのがつまらなくて。
しかし終ぞ、彼女に面と向かってそう言いだす事が出来なかったのである。
*
そうして、ようやく旅の終わりが見えてきた頃だった。
既に名の有る魔王の配下を何体も打ち破って来た我々の噂を聞きつけて、シュラウドモンが襲撃をかけてきたのは。
敵と認識すらしていなかった生粋の狂戦士は天災のように『選ばれし子供達』の一行を蹂躙し、完全体への進化を果たして久しかった私のトイアグモンも、1分と持たずに見慣れた姿へと退化させられてしまった。
他の仲間達にしても似たような有様で、ただ、彼女だけが。鋼のヒューマンスピリットを纏った彼女だけが、シュラウドモンと対峙し続けていた。
無理やりに。
「……っ!」
拳の一撃を真正面から受け止めた代償に、今まで何度も敵の攻撃を反射・相殺してきたイロニーの盾が、盾を支える棒状の腕ごと真っ二つに叩き割られる。
それでも彼女はどうにかシュラウドモンの腰元を蹴って跳び下がり、奴の追撃を回避した。
「どうして!」
彼女は声を張り上げた。
「あたくし達は、あなた達の世界を救うために戦っているのよ!? その力を、どうして魔王達では無く、あたくし達に向けるの!?」
しかし彼女の必死の訴えも虚しく、シュラウドモンはずっと狂ったよう笑い続けていた。
否、実際に狂っているのだろう。ただ戦う事だけが、楽しくて楽しくて仕方のない風であった。
きっと、相手が魔王でも別に良かったに違いない。たまたま、私達『選ばれし子供達』を見つける方が早かっただけで。
「『獄炎破回蹴』!!」
意味の通る言葉を口にするのは、必殺技を放つときだけだった。
刹那、シュラウドモンの足に胴や頭髪の代わりに在るものと同じ色の炎が纏わりつき、彼の回し蹴りの軌跡を舐めるようにして放たれる。
「っ、『オフセットリフレクター』!!」
対する彼女が使うのは、相殺の必殺技。盾から引き出された反転データで倒れた仲間達をも射程に収めていた炎を消滅させ、自身はダメになった方の腕の側面でシュラウドモンの蹴りを受け流す。
……シュラウドモンの炎を相殺した回数は、もう1度や2度では無い。
いい加減埒が明かないと判断したのか。
あるいは、むしろ。
彼女にならその技を使って見せても良いと、いよいよ胸を躍らせたのか。
シュラウドモンは、頭蓋を模した手甲の禍々しい両の拳を、メルキューレモンに向けて構えた。
「えっ」
蹴りに纏わせているものの比では無かった。
黒い炎の塊がシュラウドモンの拳の間に出現し、ただそれだけで、熱が景色を歪ませる。
後で知った事だがこの必殺技は、デジモンが単体で出せる技の中では最高峰の火力を誇るのだという。
「『喰雷炎砕破』!!」
ごおうごおう、と、まるで太陽が落ちてきたかのような音を立てながら、黒炎のエネルギー弾が彼女に迫る。
回避自体は、不可能では無かったに違いない。
だがそうすれば、炎が舐め焦がすのは背後で倒れている我々だと、彼女は残酷なくらいに正確に理解していたのだ。
「っ、『オフセット――えっ」
彼女の余裕の無い声音は、シュラウドモンの技が相殺できない可能性を十二分ににおわせていたが、それでも、彼女は黒炎の消去を試みようとして
しかし突如、不自然に、掲げていた円盾を胸元にまで下げた。
「い、嫌。待って、やめて!」
彼女の声が震えていた。その構えが、彼女自身の意思で無い事は明白だった。
「そんな事をしたら」
あなたが、と。
彼女の言葉を呑み込んだ『ジェネラスミラー』という必殺技の宣言は、果たして誰の声であったか。
男の声で、あったように思う。
*
シュラウドモンの放った黒炎と、鏡の中の黒炎が衝突した際の爆風に吹き飛ばされそうになりながらも、どうにか地面にしがみついてその場から吹き飛ばされずに済んだ私が煙の晴れた爆心地で見止めた影は2つ。
彼女と、全身の焼け焦げたシュラウドモンだった。
地面に膝を付き、皮膚のテクスチャが溶けて所々ワイヤーフレームの剥き出しになったシュラウドモンとは対照的に、彼女は無傷だった。
衣服に煤汚れ1つ付いていない彼女が呆然と立ち尽くす周囲には、泡立つようなケロイド状の焼け跡がこびりついた緑色の金属片と、きらきらと光るガラス片がちりばめられていて、綺麗だな、と。そんな場違いな感想ばかりが私の脳裏を過っていく。
しかし、そんな痛々しいまでの静寂は、そう長くは続かなかった。
小さく噴き出す音がして。
やがて、空を割りそうな程に。
また、笑い始めたのだ。あの戦う事しか頭に無い悪鬼が。
思わぬダメージを負わされた事にか。それともあの焔の中で生き残った己の強さに対してか。
楽しそうな事だけは確かだった。げらげら、げらげら。笑って、立ち上がったのだ。
そうして鬼神が見据える先には当然のように彼女がいて。
鎧が砕け散ろうとも、シュラウドモンの攻撃を跳ね返し、焼いたのは、彼女だった。
「やめろ!!」
私はたまらなくなって声を上げた。
叫んで、彼女を守らなければと、その思いで頭の中がいっぱいになって、せめてもの抵抗のように雄叫びを上げた。
その「せめてもの抵抗」が感情の爆発となり、光を宿した事に気付けたのは、倒れ伏していた筈のトイアグモンが、私の眼前に躍り出たからに他ならない。
「トイアグモン、ワープ進化!!」
トイアグモンは、私の思いに応えた。
「マグナキッドモン!!」
一番目立つ頭部のブロックと同じ赤色で全身を覆ったガンマンが、私の前に顕現する。
そして次の瞬間、今まさに彼女に拳を振り下ろそうと腕を持ち上げていたシュラウドモンの前にまで一気に跳躍し、腰から伸びる弾倉に備わった小型マシンガンを、鬼神の胸に空いた穴からその体内へと潜り込ませる。
「俺の銃は、玩具じゃねぇぞ」
「『バインドレッドトリッガー』!!」
稲妻に撃たれたように頭に浮かんだ必殺技名を叫ぶ。
勝負は、呆気ない物だった。
私はデジコアを蜂の巣にされたシュラウドモンが塵に変わっていくのを見て、絶望に支配されていた仲間達が歓声を上げるのを聞いた。
死の恐怖からの脱出。開放された究極体への進化。終わってみれば、得たものは存外に大きくて。
だから、と。
ひょっとすれば、と。私はパートナーから、彼女の方へと視線を移した。
彼女も、この勝利と進化を、まずは寿いでくれているのではないかと、そんな一種残酷な、淡い期待を込めて。
だが、私の思いとは裏腹に、彼女は無傷では無くなっていた。
彼女は足元に転がっていた鏡の破片を強く、強く。指先が白む程に強く握りしめていたのだ。
砕けたガラスの破片はひどく鋭利で、最後まで彼女を傷ひとつ無く守り続けた鋼の鎧は、最期に彼女に傷を残していった。
ぽたり、ぽたりと。赤い雫と透明な雫が交互に地面に水玉模様を描く度に、あまりにも小さな彼女の肩が震えていて。
私は、鋼の闘士が消え去らなければパートナーの最終進化を解放できなかった己の、幼稚で醜い嫉妬を悟って、その場に膝から崩れ落ちるのだった。
*
「わかっているわ」
鏡の口紅を拭い取りながら、彼女は寂しそうに微笑んだ。
「こんな事をしたって、彼と真正面から向き合う事すら、あたくしには許されなかったのだから」
その後、私のマグナキッドモンを皮切りに仲間達のパートナーデジモンも次々と究極の位へと至り、そして終ぞ、鋼のヒューマンスピリットが彼女の手元に戻る事は無かった。
皮肉にも強くなった我々は、もはや鏡の盾すら必要とせず、魔王を打ち倒してこちらの世界へと無事に帰還したのだった。
……彼女を迎えに来た彼女の親族があまり良い顔をしていなかった事は記憶していたが、先日偶然再会した仲間の1人が、「お前が死ねば良かったのに」と頬を張られていた彼女を目撃してしまった話を気まずそうに教えてくれた。
きっとその仲間は、私の淡い思慕にも気付いていたのだろう。
「だけど彼だけは、あたくしを受け入れてくれたわ」
スピリットは、デジタルワールドの至宝であり。
彼女の家の本来の跡取りは、デジタルワールドで、亡くなっている。
「あたくしが良いと、伝えてくれた」
しかしスピリットは、選ばれた者にしか纏う事が出来ない。
それはどんな愛の言葉よりも、強く彼女を求めてみせたに違いない。
何を期待してか、かつての仲間は「会いに行ってみてはどうか」と私に勧めてくれたが。
彼女は、今も昔も、変わり無かった。
狂っていると匙を投げられ、屋敷の一室に押し込められた彼女は、あの頃と同じ、強く、優しい女性だった。
「今でも、メルキューレモンが好き?」
「これからもずっと、愛しているわ」
最初から、私のような男が釣り合う筈が無かったのだ。
「……だってさ」
私はやっとの思いで声を振り絞る。
言葉の意図が掴めず、怪訝そうに首を傾げる彼女は、しかしすぐに、鏡に訪れた変化に気付いたらしい。
「え?」
これほど複雑な感情の入り混じった疑問符を、この先も耳にする事は無いだろう。
困惑、驚愕。それから、歓喜。
しかし彼女の口から言の葉の続きを聞く機会は、きっとこの先一生、訪れはしない。
何せ鈍い緑色の光を放つ五指が、鋭い指先で彼女の柔肌をまた傷付けないように優しく包み込み、鏡の中へと連れ去って行ったのだから。
「……」
せめて彼女の喜ぶ顔の一つでも拝めないものかと後から鏡を覗き込んでみたものの、映るのは自分の顔ばかりで、しかも本当にひどい顔だった。
旅の最中には無理だったけれど、破片からどうにかデジタマにまで漕ぎつかせてやったのに、恩知らずな奴め。
「……これは、完敗だよ」
気を効かせて部屋の外で待機してくれていたトイアグモンが、全てが終わった事を察して顔を覗かせるなり、いつか聞いたような一言を繰り返す。
だから私も、あの時よりもずっと下に位置するようになったトイアグモンの頭をあの時と同じように小突いてから、部屋を後にするのだった。
去り際、こんなにも離れているのにまたふわりとアリッサムの甘い香りが鼻をついて、きっと私は、似たような香りをかぐ度に、この胸の痛みを思い出すのだろう。
全く、酷い話である。
あとがき
アリッサムはギリシャ語で「狂気しない」という意味らしいです。
はい、というわけでこんにちは。この度は『Alyssum』をご覧いただきありがとうございます。花言葉とか花の名前とかを作品に使用しがちだけど、その実芋虫の類が怖くて正直植物がちょっと苦手な快晴です。
このお話はpixivの企画やTwitterで仲良くしていただいている、るうま様という方の『推しの外見描写がしたい!』通称『推し書く』という企画の参加作品です。リンクはこちら(※外部リンク)ですので、ご興味の有る方は是非に……。
私の主催している企画『推し活1万弱』も宣伝いただいておりまして。遅ればせながら、この場を借りて御礼申し上げます。
さて、今回外見を描写するために選んだデジモンはメルキューレモンです。
最近ずっとピエモンピエモン言ってますが、メルキューレモンもかなりの推しです。
いいですよね、メルキューレモン。フロンティアの28話が嫌いな奴とかおらんやろ。最近デジカでも実装されて、快晴うきうきし過ぎてTwitterのアイコンイロニーの盾にするなどしていました。ちなみに今はブラックセラフィモンの左ひざです。よろしくお願いします。
メルキューレモン語りはちょっと処女作でやり過ぎたので、普通にこのお話について、ちょっとだけ。
この前近所のスーパーが新装開店いたしまして、その時のお祝いにお花を配っていたのですが、そのチョイスがパンジー・ビオラ・アリッサムでした。
パンジーとビオラは知ってるけどアリッサムって? と調べたところ、西洋では「美しさを超えた価値」という花言葉があると聞いて、何ソレめっちゃええやんともらって帰ったのでした。今もベランダに飾ってあるのですが、本当にとてもいい香りがして、多分この香りの良さから想起した花言葉が上述のものなのでしょうね。
そこから着想を得て「花の名前がつけた恋の話」……常人には理解されないけれど、本人にとっては何よりも価値のあった鎧への恋慕、という話を書いてみたのでした。
最初は『彼女』ちゃん視点のお話だったのが気付いたら『彼女』が好きだった男の子の失恋の話になっていて『私』くんかわいそう。
と、まあこんなもんですかね。
改めて、素敵なお話を作る機会を下さったるうま様と、ここまで読んで下さった方々に感謝を。本当にありがとうございます!
『推しの外見描写がしたい!』にはもう1作品投稿を考えているので、そちらのあとがきでもお会い出来れば幸いです。